5月のバス釣り|基本戦略・基礎知識、持ち込むべきタックル&おすすめルアー。スポーニング〜アフターにかけてのブラックバスの行動変容

5月というと、「春真っ盛り、ゴールデンウィーク突入」といった感じで、いよいよシーズンイン!なムード。

小バスも数多く釣れるようになるため、これからの時期はアングラーにとって楽しいシーズンともいえるでしょう。

しかし、デカい個体はややナイーブで、独特な動きやアプローチをもとめられることも…。

ということで当記事では、【5月のバス釣り|基本戦略・基礎知識、持ち込むべきタックル、おすすめルアー。スポーニング〜アフターにかけてのブラックバスの行動変容】を紹介します。

当記事が、春・アフターに魚が釣れなくて困っている人のお役に立つとうれしいです。

5月のバス釣り|基本戦略・基礎知識

5月は産卵(スポーニング)〜産卵後(アフター・回復)

ゴールデンウィークに差し掛かると、水中のなかはほぼ確実に”春”を迎えています。

水温でいうと、山上湖ならだいたい14~15℃くらい、山間部や平野部にあるレイクなら17~22℃くらいでしょうか。

ほとんどのフィールドで、魚たちは「スポーニング(産卵)行動」をとっているため、それに沿った釣りをもとめられるシーズンです。

山上湖・ダムの場合

標高のあるレイクの場合、中・大型個体がこれから産卵に入るか、アフター・回復系がメイン…といったところです。

アベレージサイズはAM10:00以降に浮いてくる感じで、子供個体にとっては「まだ初春」なカンジ。

とはいえ、水中のなかは完全に”春”に突入しているため、スポーニングを意識した釣りをもとめられます。

平野部、野池、沼などの場合

一方、平野部にある野池や沼などの暖かいフィールドでは、シャローにも小バスが入ってくる時期。

中・大型サイズの個体がスポーンを終え、多くの個体がアフター・回復系に入っているころだと推測します。

日中ともなると、水温が22~24℃くらいになることもあり、個体サイズによっては初夏の釣りをもとめられることも。

ネストの魚の件&小バス祭りになりやすい時期でもある

5月のバス釣りは、シャローバンクばかり撃っているとネストの魚(産卵床・稚魚をガードする個体や、ちいさい個体ばかりを釣ってしまいやすいのがネック…。

デカい個体とちいさい個体、それぞれの動きの読み分けをもとめられるシーズンともいえますね。

数を釣るなら、暖かくなった昼すぎのシャローバンクをワームで撃つ。
デカいのを釣るなら、アフター・回復系のメスを狙う…というように、サイズ毎による釣りわけをしなければならない。

「越冬場に隣接するシャローでスポーニングする」?

一般的に、冬からにかけての動きを含め、「ブラックバスは越冬場に隣接するシャローでスポーニングする」といわれています。
半分くらい正しく、半分くらい間違っているかも…というのが個人的なキモチです。

たとえば、春はヘラやコイなども産卵行動に入り、シャローに差してきます。

越冬場に隣接するシャローでヘラやコイなどの”はたき(産卵行動)”がはじまると、ブラックバスは端へ追いやられ、”ソレ”っぽいスポーニングエリアが全滅…なんてことも珍しくありません。

いかにもセオリー通りな「ワンド地形+シャロー+酸素量が多そうな場所」に入ったら、ヘラやコイが”はたいて”いてブラックバスがいない、というパターンは結構多いんですよね。

ブラックバスは、ヘラなどがいない場所のシャローでスポーニングすることも多いです。
また、産卵後に一気にディープに行く個体もいるなど、正直、フィールドのタイプや癖などによる。

セオリー通りの釣りで釣れないこともあります。個体差、フィールド差がある気がする。

「ブラックバスは越冬場に隣接するシャローでスポーニングする」
「春バスを狙うならハードボトムのシャローフラット」

上記にこだわりすぎず、水質や多魚種との兼ね合いのバランスを考えながら釣りをおこないたいところです。

とはいえ、キーとなるのは『ワンド地形、水質が良い場所、カレント、シャロー、ハードボトム』だとは思います。
スポーニングエリアというのは毎年コロコロと変わるものでもない…というのが難しいところですね。臨機応変にいきたい。

ブラックバス:個体サイズ毎による、春の行動推移

ブラックバスは、個体サイズ毎によって産卵をおこなうタイミングが変わるという傾向があります。

大型になるほど早いタイミングでシャローに入りやすく、小型ほど遅れて入り、あるいはスポーンに参加しない場合も。

大型(45cm以上)がもっとも早くシャローに入り、産卵後、どこかで体力の回復をおこないます。なんならもう一度産むかな…という個体もいる。

続いて、35~40cmクラスの中型個体がシャローに入り、産卵後に”アフター”に入る。

最後に、35cm以下の小型クラスが産卵…というように、個体サイズ毎によってシーズナルの動きが変わってくるのです。

ただ、上記はあくまで目安でしかありません。
「大型→中型→小型」というステップがすべてのフィールドで確実になるかというと、そのかぎりでもないようです。

大型と中型が混じってスポーニングに入ることもあるし、早い時期に小型がシャローに差すこともある。
小さな野池などでは、35~50cmクラスの魚が入り混じり、産卵行動に入っていることも。ゴッチャゴチャ…。

野池は全体水深が浅いため一気に水温があがりやすく、個体毎の差がうまれにくいようです。

どの個体サイズがどんな動きをしているかを推測するには、実際のフィールドで釣れたサカナの状態から判断するといいでしょう。

釣ったサカナから得られる情報が大切

4~5月のスポーニングシーズンは、釣った魚から得られる情報がキーになりやすいです。

たとえば、ヒレが削れていたり、痩せ細った40cm以上のデカい個体が釣れたら、おそらくその魚はアフター・回復系と推測します。

産卵行動に入ったサカナは、ボトムをヒレで擦ったり、個体同士でケンカしたりするなど、ビジュアルが綺麗でない個体が多い。

一般的に、ベッドはオスが作るためヒレが削れるのはオスだけ…なんてことが言われますが、メスのヒレが削れてボロボロになっていることは少なくありません。
ベッド作りはオス・メス関係ないような気もする。オスのほうが多いかな、といった感じです。

釣った魚の「目の色」を確認することも大切です。

産卵行動中の個体は、釣りあげると目が赤色っぽくなっていることも。
目が赤くなっている魚は、産卵を強く意識している個体といわれています。

アフター・回復系の魚や、産卵”前”の個体は目が黒い。

また、ヒレや鱗が美しく、脂が乗っているファットな体型、しかも肛門周りが紅く腫れているような個体が釣れたら、おそらく産卵前のメスバスでしょう。

上記ように、釣ったサカナから水中の状況をある程度予測できるというワケです。

この時期、魚を釣ったときは「尾ヒレ、口まわり、肛門付近、目の色、釣れたエリア」をかならずチェックしておきたいですね。

●推測例として

ゴールデンウィークを入ったころの5月は、多くのバスが産卵行動に入ります。
デカい魚はアフター、あるいは回復傾向にある個体が多い印象。

中・大型の個体がアフターに入っているということは、水中のなかは、このあとに中・小型がスポーンに入るかどうか…という段階だと判断できます。
(※前述しましたが、”順番通り”でないこともあるので、フィールド毎に観察する必要があります※)

体力を蓄えんとする小〜中型バスを狙うならシャローバンクを撃つといいでしょう。ただ、ネストの魚を釣ってしまうリスクもあります。

また、さきに産卵を終えた中・大型個体のアフター・回復系を狙うなら、スポーニングエリア周辺の沈みモノや沖を探ろうかな…と考えてみたり。

小バスの数釣りなら、暖かくなった10時以降、シャローバンクやシャローカバーを釣るといいでしょう。
朝イチにはまだアベレージがシャローに入っていないことも多いです。

デカい魚を狙うなら、回復系をターゲットとするか、思い切ってネストに残る魚を狙うか…賛否両論ありますが(^^:)

補足:「ネスト」の是非について

4~5月は「ネスト(スポーニングベッド)」の存在が厄介になりやすいです。

ひたすらバンク・岸だけを狙っていると、ネストの魚(産卵床を守る個体)を釣ってしまいやすいんですよね。

僕自身、この時期はやや神経質になってしまいます。しかし、釣れてしまうときは釣れてしまうというのが難しいところではあります。

もし”ソレっぽい個体”が釣れてしまったときは、迅速に計測・撮影し、釣れたスポットで魚体をリリースしたい。

そういえば、現在ユーチューブで活躍中の某有名プロも、トーナメントでは平気な顔してネストの魚を狙い、上位入賞をしていました。
トーナメントに出場するからには、勝たないと意味がない…というわけでしょうか。厳しい世界ですね。

ネストの是非については各々が考えたいところです。

5月のバス釣り|持ち込むべきタックル&おすすめルアー

この項目では、「5月のバス釣りに持ち込むべきタックル」を、一例としてピックアップしてみる。

5月はスポーニング〜アフターにかけての繊細な時期。
回復系のメスや、食い気のあるバスを狙うなら、ボリュームのある巻物でガッツリ狙うのもいいでしょう。

「雨+風」のときにバズベイトでデカい個体がドン!…なんていうこともあるので、柔軟に対処したいところ。

また、シャローバンクに差した個体を狙うなら、テキサスやジグなどの撃ち物が◎

いずれにせよ、狙うサイズを釣り分ける意識や、狙うべきスポットや状態にあわせたルアーセレクトをしたい。

巻物用タックル

腹をすかせた回復系のサカナを狙うなら、ハイアピールなルアーは欠かせません。

たとえば、スピナーベイトやクランクベイト、チャターベイトといった「巻物系ルアー」を扱うタックルは用意しておきたいところ。

アベレージ狙いなら、朝方よりも、昼以降〜夕マズメ時や、風が吹く+ローライトな状況で巻くとGOOD。

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巻物ルアーの使い分けのコツ」はこちらで読むことができます↓

個人的おすすめハードルアー

ハードルアーは「スピナーベイト・クランクベイト・チャターベイト・ミドスト用」の4つを揃えておきたい。

●スピナーベイト

スピナーベイトなら、O.S.P「ハイピッチャー」がおすすめ。
重さは、狙う水深が~1.5mなら3/8ozを。1~2mなら1/2ozを使うといいでしょう。

●クランクベイト

クランクベイトなら、ダイワ「ピーナッツ2」をおすすめです。
SSR/SR/DRの使い分けは、狙う水深を目安にします。
~0.5mならSSR、~1mならSR、1~2mならDRを選ぶといいですね。

●チャターベイト(ブレーデッドジグ)

チャターベイトなら、ノリーズ「フラチャット」がおすすめ。
1/4ozはシャローをゆっくり巻くときや、~1mレンジを狙いたいときに。
3/8ozは1~1.5m、1/2ozは1.5~2.5mを狙うときに◎

ミドスト・表層〜中層用ハードルアー

アフター・回復系の魚は沖に浮いてることも多いため、表層〜中層を狙うためのハードベイトは必須です。

O.S.P「iウェーバー」、ティムコ「グリマー7」、ジャークベイトの3つがおすすめ。

●表層用ハードルアー

ワンド沖の表層に浮いているサカナを狙うなら、O.S.P「iウェーバー」は鉄板。
ワカサギがメインベイトのフィールドや、ベイトサイズの小さいフィールドではiウェーバーのような小型i字系ルアーが有効になりやすい。

アイウェーバーはサイズラインナップがさまざまですが、ベイトサイズに合わせるのが基本となります。

ちなみに、一発狙いならかならずしも小型ハードルアーでなくても構いません。
たとえば、レイドジャパン「ダッジ」や、ノリーズ「フカベイト」など、大きめのトップウォータープラグで狙うのも面白いですね。

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●ミドスト用ハードルアー

ティムコ「グリマー7」は、『スポーニングエリアのシャローバンクに着いていない…なんだか沖に魚っ気があるな。でも魚は中層にいるな』と感じたときに投入したい。

沖にブイや杭、橋脚、フローティングカバーやブレイクなどの地形変化があれば、その周辺をグリマー7のミドストで誘います。

●ジャークベイト

”ジャークベイト”も回復〜アフターの魚や、表層から中層に浮いているサカナに対しても有効です。

使うジャークベイトはお気に入りのものでいいかと思います。
個人的には、O.S.P「阿修羅92SP(ジャークベイト)」、メガバス「ワンテン」、スミスウィック「ラトリンログ」などがおすすめです。

そのほかのおすすめハードルアーは、以下の記事でも紹介しています。

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春におすすめのルアー」はこちらで読むことができます↓

シャッドテール・スイムベイト用タックル

一般的なハイスピード系ハードルアーに食ってこないなら、シャッドテールワーム・スイムベイトも有効です。

アフターの時期は腹を空かせたサカナが多く、ゆっくり動くボリュームのある餌に食ってくることも。

ハートテール、スイングインパクトファット4.8、フルスイング5インチ…などが一般的ですね。

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カバー撃ち用タックル

すべてのシーズンを通して「カバー撃ちをおこなえるタックル」は有効です。

この時期の魚はスポーニングエリアのカバーに着くこともあり、沖にあるブイなどの浮きモノに着くことも珍しくありません。

そういうスポットを、テキサスリグやラバージグで誘うといいでしょう。

一般的なMH~Hパワークラスのタックルがあると便利ですね。
個人的に、このシーズンはやや強めのワームを使うのが好きです。

具体的なルアーを挙げるなら、O.S.P「ドライブビーバー3.5」、ノリーズ「エスケープツイン」、O.S.P「ゼロワンジグ」、ノリーズ「ガンタージグライト」など。

●O.S.P「ゼロワンジグ」

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パワーフィネス

バスのコンディションが微妙で、なおかつハイプレッシャーな状況なら、「パワーフィネス」用タックルも用意するといいでしょう。

長さは6.8~7フィート、パワーはM~MH。
ラインは1~1.5号、リーダーは14~16ポンドをセットする。

パワーフィネスの釣りはテキサスリグ・ラバージグより時間がかかるのがネック。
1キャストに時間がかかる釣りなので、バスをサーチしているときには使いにくいですね。

そのため、テキサスリグのフォローベイトとして使ったり、「ここは絶対いるだろう」という場所で使うのがキホン。

おすすめルアーは、O.S.P「HP3Dワッキー」、レイドジャパン「エグダマ タイプレベル」のふたつ。

ワーム・ライトリグ用タックル

「どうしても一本欲しい!」という場合は…ネストの魚をネチネチと誘うか、小バスをターゲットとするためのライトリグ用タックルを用いるといいでしょう。

ダウンショットリグ、ネコリグ、スモラバ、ジグヘッドワッキー、ノーシンカーなどを使い、シャローに入った個体を狙います。

スポーニングエリアになるであろう場所(ハードボトム、ワンド地形、水質がいい、酸素がある…などが含まれるエリア)でネチネチ誘えば、高確率でネスト系の魚が食うはず…。

ただ、産卵後のネストガード個体(産卵床・稚魚を守るバス)を釣ってしまうこともあるので、自己責任で…。

ライトリグにおすすめのワームは、以下の記事で紹介しています。

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中層戦略用タックル

スポーニングシーズンは表層〜中層に浮く個体も多いです。

そういう魚には、ミドスト、ホバストなどのミドスト系ルアーなどを用いるといいでしょう。

おすすめワームは、O.S.P「マイラーミノー3.5」、ディスタイル「ヴィローラ2.8」、レイドジャパン「フィッシュローラー4インチ」など。

【5月のバス釣り】基本戦略、持ち込むべきタックル、おすすめルアー|まとめ

5月のバス釣りについての基礎知識や体験談、持ち込みたいタックルとルアーを紹介しました。

5月からのバスフィッシングはいよいよシーズンイン!といった雰囲気でワクワクしますね。

スポーニング中の行動や、使うべきタックル・ルアーを選びつつ、ビッグバスを狙ってみてはいかがでしょうか。

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