バス釣りにおける「巻物ルアーの使い分け」。釣れるサカナが増える3つのキホン

バス釣りの「巻物」には、さまざまなものがあります。

スピナーベイト、クランクベイト、バイブレーション…などなど、その種類は多岐にわたりますが、具体的にどう使い分ければいいのか悩むアングラーも少なくないはず。

そこで今回は、「バス釣りにおける”巻物ルアーの使い分け”」を紹介します。

バス釣りにおける「巻物ルアーの使い分け」

バス釣りにおける「巻物ルアーのおもな使いわけ」は、以下のとおりです。

バス釣りの「巻物」の使い分け|3つの基本

1:「アピール力」で巻物を使い分ける

2:「スピード」で巻物を使い分ける

3:「シチュエーション(環境)」で巻物を使い分ける

1:「アピール力」で巻物を使い分ける

巻物は「アピール力」で使い分けるのがもっともわかりやすいです。

巻物ルアーにはさまざまなアピール力が設定されており、各ジャンルによって水を押す力(波動・アピール力)にも違いがあります。

一般的なアピール力の目安としては、以下のようなもの。

「巻物ルアー」のアピール力

【アピール高】

●スピナーベイト

●クランクベイト

●バイブレーション

●シャッドプラグ(小型ハードプラグ)

【アピール低】

※「チャターベイト(ブレーデッドジグ)」のアピール力については諸説あるため、ここでは紹介していません。

田辺哲男氏は「チャターは弱いルアー」と考えていて、木村建太氏は「かなり強いルアー」と考えているようです。諸説あります。

個人的には「そこまで強くはないけど、スピナベよりは強くない」という印象です。

巻物ルアーはルアーコンセプトやデザイナーの意図、ルアーウエイトなどによってもアピール力が結構違います。

そのため「スピナベは最高クラスのアピール力だぜ!」ともいえません。

たとえば、ちいさなスピナーベイト1/4ozと1/2ozフルサイズクランクベイトでは、アピール力がかなり違います。

遠くにいるバスに気づかせたいなら「アピール高」の巻物を

アピール力が高くなるほど、遠くにいるバスに気づかせる力が高まります。

たいして、アピール力が低いものは、近くにいるバスにしかルアーの存在を気づかせることができません。

バスがどんなところにいるのかわからないときは、アピール力が高いルアーを投入するのがもっともポピュラーな使い分けです。

アピール力が高ければいいかというと、そうでもない

では、常にハイアピールなルアーを投げ続けていればいいかというと、そうでもありません。

アピール力が高いルアーにもデメリットはあります。

アピール力が高いルアーは、遠くにいるバスに存在を気づかせやすい一方で、ルアーを警戒しているスレた魚に口を使わせにくい…というデメリットも。

たいして、アピール力が低いルアーは遠くにいるバスには気づかせにくいですが、近くにいるバスには口を使わせやすいです。

「アピール力」による巻物ルアーのメリット・デメリットは、以下のとおりです。

「アピール力」によるメリット・デメリット

【バスへの気づかせやすさ】

アピール力大=◎

アピール力小=×

【食わせやすさ】

アピール力大=×

アピール力小=◎

アピール力が高いほどルアーを気づかせやすくなりますが、スレたバスや食い気のないバスに口を使わせにくい。

アピール力が低いほどルアーに気づかせるのに苦労しますが、スレたバスや食い気のないバスでも口を使わせやすい。

具体例として

具体的な使い分けとしては、以下のような感じです。

巻物ルアーの使い分けの例

●水がクリアになるほど、アピール力が弱いものを使う(ハイアピールだと騙しにくくなるため)

●水が濁っていたら、ハイアピールのルアーを使う(バスに気づきやすくさせるため)

●ハイアピールなルアーで食わないときは、ローアピールも試す(スピナベで食わなそうなら、バイブレーションへ…というルアーローテーション)

●「スピナーベイトを追うほど活性が高くないのかな…?だったらクランクベイトを使ってもうすこし”食わせ”よりのアプローチを試そう」的な

巻物ルアーのアピール力の使いわけは、『水の色、バスの活性』を目安にするとシンプルです。

いずれにせよ、巻物の使い分けで迷ったときは、「アピール力」を基準にするとわかりやすくなります。

2:「スピード」で巻物を使い分ける

巻物ルアーには、ワームの釣りよりも絶対的なアドバンテージになる要素があります。

それは「スピード」です。

巻物ルアーの使い分け:スピードで騙す

巻物ルアーをより効果的に使い分けるうえでは、「スピード」という要素はかかせません。

それぞれのルアーへスピード感のランク付けをするとしたら、たとえば以下のようなイメージになります。

巻物ルアーのスピード感ランク

【速い】

シャッドプラグ

バイブレーションプラグ

クランクベイト

スピナーベイト

【遅い】

前述した「アピール力」一覧とはまったく逆…ともいえます。

順位が上になるほど、冬・低水温期などのタフなときに有効になり、順位がさがるほどハイシーズン向け。

「競争心・反射」をスピードで誘発する

ものすごくゆっくり巻いてみたり、ルアーをミスキャストして回収するときぐらいまで高速で巻いてみたり…というように、さまざまなスピードを使い分けることで、釣れるサカナが増えます。

ブラックバスは食性だけでルアーを追うわけでもありません。

たとえば、「エサをほかの奴らに取られたくない!」という競争心や、「つい手(口)が伸びちゃった!」という反射的な要素もあります。

ワームはどちらかというと食性の要素が強い釣りですが、ハードルアー・巻物の釣りはサカナの競争心や反射をあおる釣りだといえるでしょう。

巻物ルアーはただ巻きだけでも釣れるルアーです。

しかし、サカナの競争心・闘争心・反射(リアクション)を誘うなら、「スピードで騙す」というテクニックも身につけたいところ。

活性が低いなら、ゆっくり巻く(スローリトリーブ)

バスの活性が低く、ハイアピールな巻物で追ってきそうな気配がない…というときは、ルアーをゆっくり巻いていきます。

ルアーの速度をバスのコンディションに合わせることで、よりバイトチャンスを増やそうじゃないか…というのが狙いです。

冬にシャッドプラグを使うときを例にするとわかりやすいです。

たとえば、冬のシャッドプラッキングでは「超ハイスピードで反射的に口を使わせる」というアプローチをとるか、「めっちゃスローに巻いて食わせる」という2つの釣りかたがメインになります。

冬のバスは活性が低いため、普通に巻いているだけではほぼ食いません。

そのため、バスにたいして『反射or食性』の2択をしっかり迫ってやる必要があるのです。

このように、バスの活性によって巻物ルアーのスピードを使い分けると、釣りの幅が広がります。

3:「シチュエーション(環境)」で巻物を使い分ける

ここまで、巻物ルアーは「アピール力」と「スピード」で使い分けると紹介しました。

最後に紹介するのは、「シチュエーション(環境)」です。

シチュエーションなどというと難しいのですが、要するに「根がかりしにくいルアーを使おう」というシンプルな考えかたです。

ここが意識できるようになると、根がかりなどのトラブルが一気になくなります。

巻物の使い分け:「シチュエーション(環境)」

巻物ルアーは、シチュエーション(環境)によって使い分けることで、より効果を発揮しやすくなります。

もっともカンタンなのは「引っかからないルアー(根がかりしにくいルアー)を使う」というテクニック。

たとえば、根がかりが多いシチュエーションでは、フック剥きだしのバイブレーションプラグより、クランクベイトのほうが活躍しやすいです。

クランクベイトには根がかりを回避するための”リップ”が設けられているため、根がかりが多いスポットで活きます。

障害物が多いフィールドでバイブレーションプラグを使うと、ほぼ1発でアウト…。気をつけましょう。

(ウィードレイクとして有名な山中湖)

広大なウィードエリアやシャローフラット(平な地形の浅場)などでは、根がかり回避にすぐれたスピナーベイトも使いやすいです。

しかし、よりスピーディに手返しよく探っていくなら、スピナーベイトよりもバイブレーションのほうが速いです。

バイブレーションならウィードに引っかかっても切ることができるため、ウィードエリアの釣りではバイブレーションが活躍しやすいです。

杭やアシなどの引っかかりやすい障害物が多いスポットでは、スピナーベイトのほうがローリスクで釣りを続けられます。

杭まわりではフック剥きだしのルアーを使うと、ほぼ間違いなく根がかりします。

こういったシチュエーションでは、スピナーベイトやクランクベイトなどの根がかり回避にすぐれたルアーを使ったほうが効率がいいです。

このように、障害物の有無などのシチュエーション側から考えることで、より効果的に巻物ルアーを使い分けることができます。

バス釣りにおける「巻物ルアーの使い分け」3つのキホン|まとめ

「アピール力、スピード、根がかりしにくさ」の3つを考えつつ、TPOに応じてさまざまな巻物ルアーを使い分けるのがキホンです。

巻物ルアーはタダ巻きでも釣れるスグレモノ。しかし、それだけではすぐに壁にぶつかってしまうでしょう。

当記事で紹介したポピュラーテクニックを取りいれることで、より多くの魚を釣ることができるはず…!

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