「グラスロッドって本当に必要?」
「クランクベイト用ロッドは、低・中弾性のML~Mパワーロッドで代用できるのでは?」
上記のような疑問を感じるアングラーは少なくないハズ。
多くの著名アングラーはクランクベイトにグラスロッドを使用しており、皆口を揃えるかのように「クランキングにはグラス(コンポジット)!」という。
しかし、なかにはML~Mパワーのしなやかなロッドを使うプロアングラーもいるため、どっちやねん!と迷ってしまいがち。
そこで、実際にグラスロッドを使ってみた。体験談をシェアしたい。
もくじ
カジュアルアングラーにクランク用グラスロッドは必要?
クランクベイトには、トレブルフックと呼ばれる三本針が搭載されている。
一般的に、トレブルフック系ルアーはグラスロッドのほうがフッキング率が高いといわれ、クランキングにはグラス(コンポジット)が定番とされる。
ほかのアングラーより1匹でも多く釣らなければならないトーナメント戦においては、グラスロッドは必須だといえるだろう。
しかし、おかっぱりがメインのカジュアル系アングラーは、トーナメンターのようにシビアな状況で釣りをするわけではない。
そのため、クランキング用ロッドをわざわざ買う必要もないのでは…と考える人も多いのではないか。
ということで、このモヤモヤ感を払拭するべく、1年ほどクランクベイトにグラスコンポジットロッドを使ってみた。
グラスコンポジットロッドを1年試して思ったこと
グラスコンポジットロッドを1年ほど試した感想は、以下のとおり。
●絶対的に必要!…というわけでもない
●クランクやり込むなら必須
●意外と疲労感が少ない
●キャストが決まる
●シングルフック系ルアーにも使える
端的にいうなら、「”マジ”でやり込むならグラス(コンポジット)は必要。カジュアルなアングラーなら絶対必要でもない」になる。
一般アングラーの場合、グラスロッドは絶対的に必要なアイテム!というわけでもないのかな…というのが個人的な感想だ。
一般的なマイルド系カーボンロッド(低・中弾性)でもクランキングは行えるし、トーナメントに出場するようなガチ系スタンスでないなら、かならずもグラスにこだわらなくてもいいのでは、と。
ただ、本格的にクランクベイトの釣りを行うなら、グラスロッドを使ったほうが獲れるサカナは増える。これだけは確実。
【関連記事】
「グラスコンポジットロッドで7フィートレングスを使うメリット・デメリット」はこちらで読むことができます↓
グラスロッド最大のメリットは「ノリの良さ」
実際に、クランクベイトにグラスロッドを使い込んでみた。
グラスロッドはしなやかなので、クランクベイトが柔らかく動くようになる。
ティップ・ライン・クランクベイトの釣り合いがとれるようになり、わずかなアタリでも弾きにくくなるのがメリットだ。
じゃれつくようなショートバイトも拾ってくれるため、カーボンロッドに比べフッキング率が高い。
とくに”高速リトリーブ”においては、カーボンとグラスではノリの良さに大きな違いがあった。
たとえば、シマノ「ワールドシャウラ1702R(7フィート/カーボンロッド/レギュラーテーパー)」と、ファルコン「CLC-7M ローダイダー(7フィート/グラスコンポジット/レギュラーテーパー)」を比較した場合、後者のほうがフッキング率は高い。
「なにがなんでもフッキングしたい!1バイトを確実に取りたい!」という本格派アングラーなら、グラスコンポジットを使ったほうが満足できると思う。
ただ、そこまでシビアな釣りを求めないのであれば、カーボンロッドでも問題なくクランキングを楽しめる。
クランクベイトは、グラスでもカーボンでも使える。
しかし、キャッチ率を上げたいならグラスを使ったほうが確実。
おかっぱりアングラーにグラスロッドは必要かといわれると、必ずしも必須ではないと思う。
根がかり多いし…。
ファルコン「CLC-7M ローダイダー」のインプレ記事は「【インプレ】”キャストの神”が舞い降りるクランキングロッド、ファルコン「ローライダー CLC-7M」。おすすめのアメリカンロッド。」で読むことができます。
根がかりめっちゃ多い
おかっぱりでグラスロッドを使っていて気になったのは、根がかりの多さだ。
グラス特有の「ノリの良さ」が、おかっぱりではデメリットとして働きやすかった。
おかっぱりではアップヒル(深いところから浅いところへ巻いてくる)の釣りになるため、どうしても根がかりが多くなってしまう。
障害物にフックが引っかかったら、どんどんめり込んでしまって終了…なんてことはよくある。
個人的には、オカッパリでグラスロッドを使いたくはない。
レンタルボートには最高なんだけども。
トレブルフック系ルアーの根がかりを減らす方法は、「クランクベイト&バイブレーションで根掛かりが多いときの対策。外し方と、根掛かりさせないコツについて」で紹介しています。
重い…と思いきや、使い方によってはそうでもない
グラスロッドは「重くてダルい。疲労感がある」といわれるが、個人的にはそこまで疲労を感じない。
グラス・グラスコンポジットロッドは、キャストするときによく曲がってくれる。
そのため、キャストのテイクバック時におおきく振りかぶらなくてもルアーがよく飛んでくれるのだ。
手首を軽く返すだけでロッドブランクがよく曲がり、ムダな疲労を感じにくい。
7フィートあるとかなり楽だ。遠投でも疲労が少ない。
超軽量の高弾性ロッドをブンブン勢いよく振りまわすより、モチっとしたロングロッドをコンパクトに振ったほうが疲労感は少なめ。
同レングスの軽量・高感度なカーボンロッドと比べた場合、グラス(コンポジット)のほうが実は疲労を感じないのでは…と思った。
ただ、疲労感についてはタックルバランスや釣り人の体格などによっても変わるので注意しておきたい。
【関連記事】
「ロッド・リール・釣り人タイプによるタックルバランスのとりかた」を紹介した記事はこちらで読むことができます↓
キャストは決まる
一般的に「グラスはキャストが決まりにくい」なんてことをいわれる。
100%ピュアグラスだとキャストは難しいのかもしれないが、カーボン配合のグラスコンポジットなら普通にキャストしやすい。それでいてキャストも決まる。
ブランクスがよく曲がってくれるのでキャストがビシバシ決まりやすい。
はじめてのグラスロッドにはグラスコンポジットが使いやすいと思う。
最初の数時間は”慣れ”が必要だが、慣れてしまうとグラコンのキャスト感は病みつきになる。気持ちいい。
シングルフック系ルアーにも使える
グラスコンポジットの場合、かならずしもクランクベイト専用かといわれると、そうでもなかった。
実際に1/4~1/2ozのチャターベイトに使ってみたが、問題なくフッキングできる。
スピナーベイトの場合はアップワイヤーがあるのでフッキング率は落ちると思うけど、チャターベイトなら問題ないようだ。
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バス釣りにグラスロッドは必要?クランクベイト用コンポジットロッドを1年試して思ったこと|まとめ
バス釣りにグラスコンポジットロッドを使ってみて思ったことについて、体験談をもとにしつつ紹介してみた。
当記事をまとめると、以下のとおり。
●絶対的に必要!…というわけでもない
→グラコンはフッキング率が圧倒的に高い
→柔らかめのカーボンロッドでも可
→本格的にクランクやり込むなら必要。ライト層には必要でもない。
●意外と疲労感が少ない
→よく曲がり、キャストが決まる(グラスコンポジットの場合)
●シングルフック系ルアーにも使える
→チャターベイトにも使える
おすすめのクランキングロッドは、「オカッパリで使いやすいおすすめクランキングロッド18選 & 購入で失敗しないためのコツ、基礎知識」で紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
●リール比較
●ロッド比較