【バス釣り】「MH(ミディアムヘビー)」タックルの組み方 / 「ヘビーバーサタイル」「ワーミング」2パターンを紹介

近年、バス釣りに使われるルアーは大型化しており、タックルにもパワーを求められやすくなりました。

そのこともあって、MH(ミディアムヘビー)パワータックルを組もうと考えるアングラーは少なくないはず。

しかし、一口にMHタックルといっても、その種類は多種多様。タックルえらびで迷ってしまうアングラーもいるのでは?

そこで当記事では、「MHパワー用タックル選びのコツ」を紹介します。

当記事を参考にすることで、MHタックル選びで失敗しにくくなるはず…!

もくじ

バス釣りの「MH(ミディアムヘビー)」タックルとは?基礎知識・前提として知っておくべきこと

MHパワータックルのおおまかな用途

まずはじめに、MHパワータックルを組むうえでチェックしておきたいのは「MHタックルのおもな用途」です。

MHパワータックルでは、おもに10~30g程度のルアーが使われます。

M(ミディアム)パワータックルではやや重いと感じる中・大型ハードルアーや、障害物まわりでのワームを使った釣りなどがMHタックルの主戦場となります。

Mパワーだとパワー不足だし、かといってH(ヘビー)パワーだとオーバーパワー…というようなどっちつかずのときは、MHパワータックルの出番!

MHパワータックルのおもな用途は、以下の記事でもくわしく紹介しています。

【関連記事】

MH(ミディアムヘビー)の用途」はこちらで読むことができます↓

MHパワーで使われるルアーたち

MHパワータックルでは、実にさまざまなルアーが使われます。

1タックルで使えるルアーの幅広さは、全タックルのなかでトップクラスといえるほど豊富です。

一般的には、以下のようなルアーが選ばれます。

●MHタックルで使われる「ハードルアー」例

●1/2~3/4ozスピナーベイト、バズベイト、チャターベイトなどのシングルフック(一本針)系ルアー

●1/2oz以上の大きなクランクベイト、トップウォータープラグ、バイブレーションなど

●1oz前後の羽根モノ(トップウォーター)、ジョイントプラグ、クランクベイトなど

●MHタックルで使われる「ソフトルアー」例

●5~14gテキサスリグ、リーダーレスダウンショットリグ(直リグ)、フリーリグ
→3~5インチホッグワーム

●7~11gのラバージグ×3~4インチクラスのホッグワーム

●6~8インチのストレートワーム×ネコリグなど

●4~5インチのシャッドテールワーム(フックサイズは#4/0~5/0くらい)

●その気になれば「強めベイトフィネス」「2ozビッグベイト」も可

ロッドの種類や傾向などにもよりますが、ロッドによっては強めのベイトフィネスの釣りや、2ozクラスのビッグベイトを扱えるものもあります。

たとえば、僕が愛用している、キスラー「ヘリウム3 6’9″MH」(クリックするとインプレ記事を読むことができます)は、5gスモラバのカバー撃ちから2ozのビッグベイトまで1本でこなすことが可能。

適合ルアーの下限・上限は、それぞれのメーカーの作りによっても変わります。

※適合ルアー表記以上の破損はメーカー保証が使えなくなるらしいです。自己責任でお願いします。

いずれにせよ、ミディアムヘビータックルの汎用性は、全タックルのなかでもNo.1だといえるでしょう。

まずは「どこで何を投げるか・どんな釣りをするか」を考えよう

MHパワー用タックル選びのコツは、とてもシンプルです。

それは、「どこで何を投げるか・どんな釣りをするか」を明確にする、というもの。

こうすることで、選ぶべきタックルセッティングを絞ることが可能になります。

タックル選びの基本は「3つの用途」を知ることに在り

「どこで何を投げるか」を考えるうえで大切になるのは、MHパワータックルの用途です。

ここがクリアになっていないと、間違ったタックルセッティングをとってしまいやすく、トラブルを起こしやすくなるので注意したいところです。

バス釣りにおけるMHパワータックルのおもな用途は、以下のとおりです。

MHパワータックルのおもな用途3つ

1:ハードルアー・ソフトルアー(ワーム)兼用の汎用タックル

2:カバー撃ち専用

3:巻物・ハードルアー専用

「MHパワータックル」を組むときは『コンセプト』を立てるべし

MHロッドを使ったタックルを組もう!と決めたら、まずはじめに「どこで何を投げるか」というコンセプトやテーマを立てるのが基本です。

そして、つぎに「ロッド・リール・ライン」をピックアップする…という手順をふむ。

たとえば、「MHパワータックルを使って1ozの羽根モノ(トップウォーター)を楽しみたい!」という場合、前述した『用途1(バーサタイル)/3(ハードルアー専用)』としてタックルを構築していきます。

選ぶべきロッドは6.8~7.2フィート、リールはノーマル〜ハイギア、ラインはフロロ14~16ポンド…というように、ある程度システム化してチョイスすることが可能になるのです。

コンセプト→タックル選び、というステップをとることで、選ぶべきアイテムを絞りやすくなるというわけです。

【バス釣り】MHパワーにおける「汎用タックル(ヘビーバーサタイル)」の組み方のコツ

この項目では、ミディアムヘビータックルにおける「汎用性メイン(ヘビーバーサタイル)」の組み方のコツを紹介します。

MHバーサタイル(ヘビーバーサタイル)は汎用性No.1!

MHロッドを使った汎用系タックルは、一般的に「ヘビーバーサタイル」と呼ばれることもあります。

ヘビーといっても、その強さはさまざまではあるものの、MHパワーの場合は『ややヘビーなバーサタイル』といった感じです。

ヘビーロッドを使ったタックルセッティングよりも、やや弱め…といったところでしょうか。

汎用タックル:MHパワーの用途

組むときのコツの基本となる考えかたは、『使うルアーから逆算する』というもの。
この手順を踏むことで、えらぶべきタックルセッティングが見えてきます。

そのためにも、まずはじめに「使うルアー」をしっかりと確認したいところです。

汎用タックル:MHパワーの用途

●10~30g程度のハードルアー全般

●シンカー5~14gのテキサス・フリーリグ、フットボールジグ

●5~11gのラバージグ(フルサイズ)

MH汎用タックル:ロッド選び

「MHパワー×汎用性(バーサタイル)」という目的でセッティングを組むときは、『ロッドえらび』が大切です。

ひとくちに、ミディアムヘビーロッドといっても、その種類や傾向はさまざま。
そのため、どんなロッドを選べばいいのか迷ってしまいがちです。

そんなときは、バーサタイルな使いかたに向くロッドの特徴を知っておきたいところです。
そうすることで、選ぶべきロッドタイプが見えてくるはず。

ヘビーバーサタイル用ロッド選びのポイント

MHロッドを使ったヘビーバーサタイルタックルを組むとき、ロッド選びにおいて気をつけたいポイントは以下のとおりです。

ヘビーバーサタイル用ロッド選びのコツ

●「〇〇専用ロッド」は避ける

●テーパーは、レギュラーからファースト程度

●長さは6.8~7.2フィート程度

●「〇〇専用ロッド」は避ける

ヘビーバーサタイル用ロッドを選ぶときは、メーカーの解説文をしっかりチェックしましょう。

その項目に、「〇〇用ロッド」だとか「〇〇リグに特化された〜」という記載があるものは避けたほうが無難です。

●テーパーは、レギュラーからファースト程度

ロッドのテーパー選びはアングラーによってさまざまですが、個人的にヘビーバーサタイルに向いていると感じるテーパーは、「レギュラーからファースト」あたりだと思っています。

先調子になりすぎるとハードルアーを扱いにくくなります。
一方、胴調子すぎるとカバー撃ちやワーミングの操作時に、ややダルさを感じることも。

いずれにせよ、汎用性にすぐれたバーサタイルタックルを組むときは、「多くのルアーを幅広く使えるロッドテーパー」が備わっているものを選びたいところです。

●長さは6.8~7.2フィート程度

ヘビーバーサタイル用ロッドを選ぶなら、「長すぎず・短すぎず」なものを選ぶといいでしょう。

ヘビーバーサタイルの釣りでは、1本のロッドでさまざまな環境やルアーに対応しなければなりません。

一般的に、ロッドは短いものほど細かい操作が向く、といわれています。
また、ロッドが長いほど遠投性にすぐれるものの、その一方では操作性が犠牲になりがち…という傾向も。

特化型タックルを組むなら、ロッド長は”ソレ”に特化した長さを選べばOK。
しかし、バーサタイル用タックルを組むなら、ロッド長は長すぎても短すぎてもいけないのです。

MHバーサタイル用ロッドを選ぶときは、キャスト面においては近距離や遠投特化されたものでなく、中間的なものからやや長めのものが◎
ミドル〜ややロングレングスのものであったほうが、多くのシチュエーションに対応できるからです。

MH汎用タックル:リール選び

MHロッドを使ったヘビーバーサタイル用タックルを組むなら、リール選びも気をつけたいところ。

といっても、MHバーサタイルなら、汎用性にすぐれたバーサタイル系リールを選んでおけば問題ないことがほとんどです。

MHバーサタイル用リールを選ぶときは、以下のポイントが含まれたものを選ぶとGOOD。

MHバーサタイル用リールを選びのコツ

●スプール径は32~34mm

●糸巻き量は、最低でもフロロ16ポンドを50mは巻けるもの

「バーサタイル系リール」ならどんなものでもOK

MHタックル用バーサタイルリールの選びかたは、難しくはありません。

M(ミディアムパワー)用タックルにセットしていたものを流用してもかまいませんし、メーカー解説文に「バーサタイル向け」と書かれているものなら問題ないことがほとんどです。

ただ、小型ルアー向けのリールを選んでしまうのだけはおすすめできません。
ヘビーバーサタイルの釣りでは1ozクラスのルアーも扱うことになるため、軽量ルアー向けリールを選ぶのはNGだといえるでしょう。

(左から、ダイワ「21ジリオンSV TW」、シマノ「20メタニウム 」)

具体的な商品名をあげるとするなら、たとえばダイワ「21ジリオンSV TWシマノ「20メタニウム 」やなどがMHバーサタイルに向いています。

上記2種であれば、ラインキャパや汎用性にもすぐれており、剛性もあるためヘビーな使い方にもピッタリ。

20メタニウムや21ジリオンは、以下の記事で紹介しています。よかったらお役立てください。

【関連記事】

「個人的におすすめのベイトリール」はこちらで読むことができます↓

MH汎用タックル:ライン選び

ミディアムヘビーバーサタイルにおいて、「ライン選び」も欠かせません。

選びかたはとてもシンプルです。
一般的には、フロロカーボン16ポンドや、ナイロンライン16~20ポンドをセットしておくのが基本だとされています。

ヘビーバーサタイルの場合、フロロ14ポンドまで落としてしまうと、ライト〜ミッドカバー撃ちをするときにやや不安が残ります。

また、フロロ14ポンドだと、1ozクラスの羽根モノや5インチ前後のシャッドテールワームなどを使ったときにパワー不足に陥りやすいです。

「カバー撃ちはしないし、1ozのハードルアーもしない」というなら、フロロ14ポンドでも問題ないでしょう。

ただ、個人的にはフロロ16ポンドが基本だと考えます。

【関連記事】

ビーバーサタイル用ラインポンド数えらび」はこちらで読むことができます↓

バス釣り|MHパワーにおける「カバー撃ち・底モノ用専用タックル」選びのコツ

この項目では、「MHパワー:カバー撃ち・底モノ用タックル選びのコツ」を紹介します。

まずはじめに、MHパワータックルでどんなルアーが使われるのか、おさらいしていきましょう。

カバー撃ち・底モノ用タックル:MHパワーの用途

●5~14gのフリーリグ、テキサスリグ、リーダーレスダウンショットリグ(直リグ)

●5~11gのラバージグ(フルサイズ)

●7~14gのフットボールジグ(※14gはトレーラー小さめの場合)

●7~14gシンカーを使ったキャロライナリグ

カバー撃ち・底モノにおけるMHパワータックルのおもな用途

大まかにいうと、ワーミングにおいてのMHパワータックルは、おもにオープンエリア〜ライト・ミッドカバーが守備範囲

たとえば、「M(ミディアム)パワーだとパワー不足。かといってH(ヘビー)タックルを出すほどでもない」というような、どっちつかずのときに活躍してくれるのがMH(ミディアムベビー)です。

ミディアムヘビーは、ヘビータックルよりもパワーががありません。
そのため、基本的にはヘビー〜超ヘビーカバーは避け、やや薄めのカバー撃ちなどに向いたタックルだといえるでしょう。

使われるルアーは、おもに5~14gのテキサスリグやフリーリグ、7~11gくらいのラバージグなどをはじめとする撃ち・底モノルアー。

上記のルアーは、一応ミディアムタックルでも扱えますが、周囲にカバーがあったり、フックサイズ(軸の太さ)が大きい場合ばミディアムヘビーのほうがトラブルは少なめです。

また、近年では5~9gクラスのヘビースモラバを使った”吊るし”の釣りにも使われます。

MHカバー撃ち専用:ロッド選び

MHパワータックルを使った、撃ち・底モノ用タックルにおける「ロッド選びのコツ」にはどんなものがあるのでしょうか。

MHタックルを組むとき、ロッド選びで気をつけたいポイントは、以下のとおりです。

MHのワーミング:ロッド選びのコツ

●長さは「シチュエーション(環境)・距離感」を考慮する

●テーパーはファースト〜エキストラファースト

●感度にすぐれたものを選ぶ(中・高弾性クラス)

バスロッドの長さは「シチュエーション(環境)・距離感」を考慮する

カバー撃ち・底モノの釣りにおいて、「ロッド長(長さ)」はとても大切な部分。

ロッド長えらびには正解がありません。
アングラーの身長や筋肉量、シチュエーション、ポイントまでの距離感などなど、さまざまな要素を考慮しながら選ばなければならないからです。

ただ、一応、考えかたの基本みたいなものはあります。
ロッド長は「環境と距離感から逆算する」というのがベターです。

●ワーミング:ロッド長の違いによるメリット・デメリット

一般的に、ロッド長があるほど遠くでのフッキングを決めやすく、またピッチング距離も伸びやすいなどのメリットを得られるといわれています。

たいして、ロッドが短いほど遠くでのフッキングを決めにくくなり、ピッチング距離も伸びにくくなります。
その一方で、ロッドが短いものほど瞬間的なフッキングパワーにすぐれ、ピッチングの精度もあがりやすい…というメリットもあります。

端的にいうと、とりあえず・仮に・無難にという選択なら、「6.10~7フィート」が定番です。
6.6~6.8は房総リザーバーやマッディシャロー系フィールドなど、近・中距離戦がメインとなる場所で使い勝手◎

テーパーはファースト〜エキストラファースト

MHパワータックルで「カバー撃ち・底モノ」を快適におこなうなら、テーパー選びは見逃すことのできないポイントです。

テーパー選びはアングラーによって好みなどが変わるため正解はありませんが、個人的には以下のテーパーを選ぶことがほとんどです。

MHロッドでのワーミングに向くテーパー

エキストラファースト〜ファーストテーパー

レギュラーテーパーでも問題なく使えます。
が、個人的にはレギュラーだとワーム操作するときにロッドがブワンブワンと動きすぎると感じるので、先調子のものを好みます。

エキストラファーストだと、カバーに”吊るし”たときに操作しやすく、繊細なアクションを演出できるので。

感度にすぐれたものを選ぶ(中・高弾性クラス)

MHパワータックルでカバー撃ち・底物をするなら、それなりの「感度」ももとめたい。

といっても、キンキンな超感度が必要というわけでもなく、最低限あれば問題ないと僕は考えます。

 MHパワータックルでのワーミングは、ややオープンな場所で沈みモノ(底に沈んでいる障害物のこと)を狙うことが多いです。
そのため、感度はないよりもあったほうが良いといえるでしょう。

具体的な商品名をあげるとするなら、シマノ「ゾディアスシリーズ」や、ダイワ「ブレイゾン」シリーズくらいの感度があれば十分です。

MHカバー撃ち専用:リール選び

MHパワータックルでカバー撃ちや底物をおこなうとき、「リール選び」も大切なポイントになります。

リール選びのコツは、以下のとおりです。

MHでのワーミング:リール選びのコツ

●ギア比はハイギア〜エキストラハイギア

●ハンドルはやや短め

ギア比は、ハイギア一択です。

MHタックルではピッチングの釣りもおこなうため、ハイギアのほうがルアーの回収効率にすぐれ便利だからです。

また、個人的にはハンドルは「やや短め」を好みます。
85mm以下のハンドルのほうがワームリグを素早く回収できるため、ストレスが少なめ。

MHカバー撃ち専用:ライン選び

MHパワーでカバー撃ちをするときは、ライン選びにも気をつけたい。

MHタックルにおいてのライン選びのポイントとなるのは、以下の部分です。

MHワーミング:ライン選びのポイント

●オープンエリアなら、フロロ12~14ポンドでOK
→ラバージグならフロロ16ポンド

●ライト・ミッドカバーなら、フロロ14ポンド以上

【関連記事】

カバー撃ちラインポンド数えらび」はこちらで読むことができます↓

ラインの太さは「フックサイズ・太さ」から逆算する

一般的に、タックルセッティングの基本は「フックサイズが上がるにつれてラインを太くする」だといわれています。

MHパワータックルでは、おもにフックサイズ#1/0~4/0くらいのものが使われるため、最低でもフロロ12ポンドはほしいところです。

たとえば、細軸オフセットフック#3/0クラスならフロロ12~14ポンド、太軸オフセット#3/0ならフロロ14~16ポンド…というように、フックサイズによって選ぶとわかりやすいです。

【用途別】バス釣りの「MH(ミディアムヘビー)」タックルの組み方|まとめ

バス釣りにおける「MHパワー用タックル選びのコツ」を紹介しました。

近年は使われるルアーが大型化しており、タックルにもパワーをもとめられがち。

しかし、MH(ミディアムヘビー)パワーロッドを使った『ヘビーバーサタイルタックル』を選ぶことで、快適なバスフィッシングをおこなえるようになるはず…!

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