スレたバスを釣るには、ワームサイズを下げたほうがよい。
なぜなら、ルアーを警戒している魚はハイアピールなものを見切る傾向があるからだ。
しかし、ワームのサイズを下げることで、バスがルアーを発見しにくくなるというリスクが生まれるのも事実。
たとえば、バスの居場所やコンディションが不確かなときにルアーパワーを下げてしまうと、そもそもバスを探すことができなくなってしまう。
ワームのダウンサイジングは、そこに居るであろう魚を釣るのは得意でも、バスを広く探っていくような使いかたには不向きだといえる。メリットは大きいが、デメリットもあるのだ。
そこで、「あえてワームをデカくする」という選択をとってみたい。
バルキーなワームはアピール力自体はあるものの、魚に不要なプレッシャーを与えにくく、広範囲を探る”サーチベイト”としての役割もこなせる。
昨今はさまざまなバルキーワームがラインナップされているが、なかでもズーム「ブラッシュホッグ」は、野池からメジャーフィールドまでよく釣れるからお気に入り!
もくじ
【インプレ】名作中の名作、ズーム「ブラッシュホッグ」
ズーム「ブラッシュホッグ」とは
ズーム「ブラッシュホッグ」は、アメリカで発売されたホッグ系ワーム。
発売されて以来、日米とわず多くのアングラーに愛用され続けているベストセラー中のベストセラーワームである。
アメリカのトーナメントで活躍中の大森貴洋氏のメインワームとしても知られ、プロ・アマ問わずたくさんのアングラーに支持されている。
ブラッシュホッグのスペック(重さ・適合フックサイズ)
【ズーム「ブラッシュホッグ」】
インチ(大きさ):6インチ
入数:8
重さ:1/2oz(14g)
適合フックサイズ:#4/0~5/0(チューンカットVer.は#3/0)
●「ブラッシュホッグ」はこちらで見ることができます↓
ブラッシュホッグのチューニング
ブラッシュホッグは、人によっていろいろなチューニングを施す。
上写真は、レッグ・アーム・ヘッドカットチューニングされたブラッシュホッグ。
(写真上から、チューニング前、カットチューニング後)
大森貴洋氏はテキサスリグで使うとき、頭部分をカットするらしい。
頭部をカットすることで、シンカーと組み合わせたときにシルエット感がよくなる。
(写真上から、カットチューンブラッシュホッグ、ノリーズ「エスケープツイン(4.5インチ)」)
また、頭部カットチューンを施すと、だいたい4.5インチホッグワームと同じくらいの大きさになる。
●レッグカット・爪カットチューン
脚のパーツや爪をカットして使う場合もある。
真ん中をカットしたり、付け根をカットしたり、爪をジグザグにカットしてみたり。
真ん中をカットする方法は、今江克隆氏が20年くらい前にやっていたチューニング法。
僕が学生のころにこのチューニング法を見つけ、試してみたところ、たしかに釣れる…ような気がする。
ちなみに、脚はカットしてもしなくても釣れる。気持ちの問題かもしれない。
●「ブラッシュホッグ」はこちらで見ることができます↓
「ビッグエスケープツイン」と比較
ライバルワームとして挙げられるのは、ノリーズ「ビッグエスケープツイン」だろうか。
ビッグエスケープツインはサイズやパーツが本家と似通っており、いわゆる暖簾分け・インスパイア系に分類されると思う。
●ボディサイズ・パーツの比較
サイズはほとんど同じ。
アピール力もほぼ同等クラスなので、同じような感覚で使っていける。
(写真上から、ビッグエスケープツイン、ブラッシュホッグ)
ビッグエスケープのほうがアームに自由度があり、それでいてブ厚い。細かなシェイクなどに反応しやすいのはビッグエスケープだと思う。
テール部はブラッシュホッグのほうが大きい。
フォールスピードはブラッシュホッグのほうが遅い。フォール中のバイトはブラッシュホッグのほうが多いという印象だ。
ボディ面においても違いがある。
ブラッシュホッグが円形ボディであるのに対し、ビッグエスケープは裏面が平たくなっている。
ワームが倒れ込むときに、ボディが水の抵抗をうけやすいように作られているのがわかる。
スレたフィールドで繊細に…というアプローチには、ビッグエスケープツインが優勢か。
フォール中にアピールさせたいなら、ブラッシュホッグのほうが使いやすい。
●「ブラッシュホッグ」はこちらで見ることができます↓
【インプレ】ズーム「ブラッシュホッグ」は、逆張り系アプローチの最適解?
僕は、できれば強い釣りをメインにしたいと考える、なんちゃってストロングアングラーだ。
しかし、昨今のハイプレッシャーなフィールドでは、にわかストロングスタイルは通用しにくく、たくさんのボウズを経験した。
一般的に、ハイプレッシャーな釣り場では「ワームのサイズを下げるべし」というのがセオリー。
実際、小型ホッグワームのほうがバイト数は多いし、釣果もそれなりに出すことができるから、現在の日本のバスシーンにおいては3~3.5インチクラスがメインだといえる。
ところがある日、釣れなくて困っていたとき、なかば憂さ晴らしで投げたブラッシュホッグにバイトが多発!という経験をした。
また、小型ホッグワームに反応がないときに、やはり憂さ晴らしで投げたブラッシュホッグにバイトが多発!なんていうビックリ体験も…。
この体験以降、「あえてワームサイズをデカくする」という選択が自分のなかに手札としてストックされたのだ。
ブラッシュホッグは、「ほかのアングラーがフィネスなら、自分はワームをデカくしよう」なんていう逆張り的なアプローチに使いやすい!
補足:「逆張り(ぎゃくばり)」とは
投資のスタンスのひとつ。相場が下がっていくときに買い、上がっていくときに売る…というやり方。
バス釣りにたとえるなら、「みんながフィネスだから、オレはあえてワームをデカくしよう」だとか、「流行のルアーは追いかけず、不人気のルアーを推す」みたいなイメージ。
【関連記事】
ブラッシュホッグでスレ野池を攻略したときの記事はこちらで読むことができます↓
関東のフィールドでも、意外とバイト&チェイス多し
(↑3インチホッグワームは関東でのメインウエポン。だが…)
関東の激タフフィールドでは、「ハイプレッシャーで小型ワームしか食わない」と考えがちだ。
しかし、ブラッシュホッグのようなバルキーワームであっても、意外とチェイスやバイトが多かったりする。
バイトまでいかないことが多いのもまた事実だが、わりとチェイスも多い。
”ルアーに反応するバス”の居場所がわかっていないサーチ段階においては、ブラッシュホッグのようなバルキーワームはとても役立ってくれる。
昨今のスレっからしのバスフィールドでは、スピナーベイトやラバージグでは、バスに警戒心を与えてしまいやすい。
かといって、ダウンショットやネコリグなどのフィネスリグでは時間がかかりすぎてしまう…というどっちつかずのときには、ブラッシュホッグのようなバルキーワームが役立つ。
ブラッシュホッグは、ハードルアーのアピール力と、ワームの食わせ能力どちらも程よく含まれる万能系ワームだと思う。
スレた野池での逆張り(天邪鬼系)アプローチでも釣れるワームだ。
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【インプレ】ズーム「ブラッシュホッグ」。あえてワームをデカくする、という選択。|まとめ
昨今はワームの小型が目立つ一方で、大きなハードルアーが発売されることが多くなってきた。
『あえてワームのサイズを大きくする』という選択肢を持つことで、より”ニッチ”を狙いやすくなる。
周囲のアングラーがワームサイズを下げていたら、むしろデカくするという逆アプローチをとってみたい。思わぬデカバスと出会うことができるカモ?
●「ブラッシュホッグ」はこちらで見ることができます↓
●テキサスリグ、カバー撃ち、底物
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