レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」。
同社の上位モデルに位置するベイトロッドということもあり、予約して購入したのが今から8ヶ月ほど前です。
使いはじめて8ヶ月ほど経ったのでインプレを紹介します。
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スペック・デザイン等はこちらの記事でくわしく紹介しています↓
●グラディエーターマキシマム”バルトロ ヒート2”
もくじ
【8ヶ月使用インプレ】レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」
野池のオカッパリ、関東のレンタルボートレイクで”バルトロヒート2”を8ヶ月ほど使い込んでみました。
感想は以下のとおりです
●軽くて高感度。なのに”曲がる”
●トルクがハンパない
●長いのに取り回しやすい
●汎用性◎
●適合表記を信頼できる
●当ロッドの6.10フィート版が欲しい
軽くて高感度。なのに”曲がる”
レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」。
7.2フィートという長さを感じさせないほど軽く、感度も良好です。良好というか、すげぇ感度いいです。
ゾディアス、ワールドシャウラ、ロードランナーLTT/STなどよりも感度にすぐれていると感じます。
レイドのロッドだからといって舐めてかかると(いい意味で)痛い目に合うでしょう。
一般的に、バスロッドは軽量化・感度重視になるほど曲がりにくくなるといわれています。
当ロッドはレイドジャパンの最高峰ロッドということで、いかにもキンキンでシャキっとした高感度ブランクスなのかなと思いきや、いい意味で裏切られてしまいました。
●キャストがビシバシ決まるしなやかな作り
当ロッドはしなやかに曲がってくれるため、高弾性(たぶん)でありながらもキャストがビシバシ決まります。
ロングキャストではティップからベリー中・下部くらいまで入り、軽く振っただけでルアーを遠くまで飛ばすことが可能。
遠投するときに、ほどよいグリップ長が手助けしてくれるという点もありがたいですね。
その一方で、近距離戦においてはティップからベリー上部くらいまでが鞭のように曲がり、ピッチングが驚くほど正確に決まります。
グリップ長もワーミング時に邪魔になるようなこともなく、7.2フィートを感じさせないほどです。
●”アンチ”版バルトロとはまったくの別物
グラディエーターアンチシリーズとは明らかに異なるロッドです。
「アンチシリーズの硬さのあるフィーリングが微妙だった」と敬遠しているアングラーにはマキシマムシリーズをすすめたい。
当ロッドは、アメリカンロッドやロードランナー系の「トルクフルでよく曲がる!」といった印象がありつつも、さらに高感度でいて軽さも見られます。なんとも不思議なロッドですね。
●某有名ブランクスが搭載?
噂によると、”デジーノ”製ブランクスが搭載されているらしいです。デジーノのOEM商品?
テクニクスにはデジーノ製ブランクスが採用されていたようなので、もしかしたらマキシマムシリーズにもデジーノ製ブランクスが使われているのかもしれませんね。
となると、デジーノブランクスやべぇっす。
※あくまで噂話なので信憑性はありません
●疲れにくい
僕は手首に腱鞘炎をかかえているため、手首が強いほうではありません。
一般的な7フィート越えのMHロッドを使っていると、釣りをしている最中に手首にズキンという鈍い痛みを感じるのですが、当ロッドではそういった現象が起きていません。
疲れにくいのでとても助かっています。
ストレートグリップのほうが高感度?
(写真上から、レイドジャパン「74XH”ディヒューザー”」、「72MH+”バルトロヒート2”」)
「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」にはストレートグリップが採用されています。
当ロッドは高感度なロッドですが、それはもしかしたらストレートグリップの影響もあるかも。
そういえば、ストレートグリップのほうが感度にすぐれるという点について、今江克隆氏が興味深いことを言っていました。
以下、エバーグリーン公式サイトより、今江氏のコメント引用です↓
「陸っぱりアングラーたちは、マイクロガイドがセットされたロッドを使うことで、丈夫さうんぬんだけでなく、もっと根本的な部分での違和感を感じていたんだ。モニターになぜガイドがデカいほうが良いか理由を聞くと、振動が大きい気がするんです、と。
ほかにも、フォアグリップがあるほうが剛性が高いように思う、とか、ストレートグリップのほうが高感度じゃないですか、とか……あくまでも個人のフィーリングに基づいた操作感だから曖昧な部分は多い。でもそれは、これまでずっと歴代カレイドを使ってきてくれたからこそ比較できたEGユーザーの率直な意見なんだ」
「そしてもうひとつ、彼らがストレートグリップのダブルハンドを好むのも、感度に起因していることが分かった。
セパレートだとキンキンキンキンという金属的な硬い振動なんだけれど、ストレートだとボボボボという“あばらに響く”ような甘くて太い振動が伝わってくる。
フォアグリップも同じく感度の問題だね。金属をかますより、フォアグリップがあったほうが手元に伝わりやすいという」
近年のバスロッドはセパレート式を採用するメーカーが多いですよね。
しかし、コアなバスマンはストレートグリップを好む場合もあるようです。
個人的にも、バスロッドはストレートグリップを好みます。
ストレートのほうがキャスト感・感度の伝わり方が気持ちいいと感じるので。
●ストレートとセパレート、感度伝達ニュアンスのちがい
一般的なセパレートグリップのロッドは、感度を受け取るときは「キンキン」だとか「ガチッ」などの硬質的な伝えかたをします。
たいして、ストレートグリップを搭載したロッドの場合、感度が「ボコン、ガコン」だとか「ゴゴン、ボゴッ」というような低・中音域でマイルドな伝達をする。
セパレートグリップは感度をグリップ内部で共鳴せず、アングラーに直接伝えるような印象。
ストレートグリップはブランクスから伝わってきた感度がグリップ内で共鳴し、響く…みたいな感じでしょうか。
『72MH+ バルトロ』の感度のよさは、グリップ形状も影響しているのかもしれませんね。
同シリーズの”ザ・マックス(セパレートグリップ式)”も使っていますが、個人的には感度の伝わりかたは”バルトロヒート2”のほうが好みです。
トルクがハンパない
野池のおかっぱりや、レンタルボートレイクで40オーバーを何度か掛けてみました。
トルク感が半端ないロッドです。
アングラー側が手元さえしっかり支えているだけで、魚が勝手に浮いてきます。
ファイト中はバットに余力を残しつつも、ティップからベリーがバスの動きにたいして滑らかに追従してくれるため、バラシも少なめ。
釣り人側は、ただぼーっとファイトを楽しんでいるだけで魚が浮いてくる…というカンタンなお仕事をすればいいだけなので、余裕を持ったファイトができて楽しい。
シーバスにも使えそうな気がします。
長いのに取り回しやすい
「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」は、7.2フィートという長いロッドです。
しかし、7.2フィートという長さを感じさせず、そこそこ取り回しやすいのがお気に入りポイント。
取り回しやすい理由には、ロッド自体が軽量であることと、ロッドワークのしやすい「バランス」にあるんじゃないかな、と。
●バランス感◎
バランスはややティップ下がりに設定されているようです。
パーミング時にロッドティップを上げると、スムーズに操作できるバランスになっているみたいですね。
僕はロッドを上で捌くタイプなのですが、ティップをあげる操作をするときに手首に負担がかからないのが嬉しいです。
また、横捌きでも違和感がなく、手首も疲れにくいです。
ティップ下がりのバランスではあるものの、”下がりすぎず・上がりすぎず”といった絶妙なバランス感。
現代の日本人の体格にあったモノ作りをされているなぁという印象があり、好感が持てます。
汎用性◎
「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」は汎用性においても一際光るものを見せてくれます。
1本でさまざまなルアーを使えるマルチなロッドなので、おかっぱり・ボートとわず重宝しています。
●使いやすいルアー
巻物なら、3/8~3/4ozのスピナーベイト・バズ・チャターベイトなどのシングルフック系ルアーにマッチ。
トレブルフック系ルアーなら、1/2~5/8ozのクランクベイトやバイブレーション、1/2~1.1/4ozの中・大型トップウォーターに。
ワーミングにおいては、3/16~1/2ozシンカーをセットしたテキサスリグ(3~4.5インチホッグワーム使用時)、1/4~3/8ozのラバージグなどが使いやすいです。
フットボールジグも使えますが、レンタルボートだと7.2フィートは長すぎかもしれません。
ロッド1本でさまざまなルアーを扱うことができるのがお気に入り。
そのため、おかっぱり・ボートとわず、色んなシチュエーションで頼りになるロッドです。
ただ、個人的に、レンタルボート戦でMHを使うときは6.8~7フィートレングスを好むため、出番の比率としては「おかっぱり6:レンタルボート4」…といったところでしょうか。
適合表記を信頼できる
近年、「ロッドの適合表記はあくまで参考程度に考えておけ」というような意見を目にします。
個人的にも、ロッド表記については不信感を感じているうちのひとりなのですが、当ロッド表記はかなり信頼できる数値です。数値にまどわされずに済みます(笑)
当ロッドの適合ルアーウエイトは1-1/4oz。
これ以上を背負うとかなり無理があり、2ozのビッグベイトを投げる気にはなりません。
一応、デカダッジまでは背負えましたが、おすすめはできません。
1-1/4oz以上のルアーを使うなら、同社の「72H “キングヘビー”」や「74XH “ディヒューザー”」を使え!…というメーカースタッフの声が聞こえます(^ ^;)
当ロッドの6.10フィート版が欲しい
レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」は、『軽くて高感度・汎用性・よく曲がる』の三拍子が揃ったスグレモノ。ブランクスが良すぎます。
しかし、個人的には同ロッドの6.10フィート版がほしいな、とも思っています。7.2フィートは使うシーンがかぎられる。
7.2フィートというレングスは、遠投性・ラインスラックコントロールにすぐれます。
その一方で、おかっぱりでの”ヤブ漕ぎ”だとか、アングラーの周囲が木々におおわれた野池でのキャスティングなど、ロッド長そのものが問題となる取り回しにおいてストレスを感じることも…。
「だったら”6.10MH バルトロ”を使え」とも思うのですが、個人的に6.10MHバルトロはブランクスが硬すぎるように感じるため、あまり好みではないんですよね。
当ロッドに採用してあるブランクスのまま、6.8~6.10フィートMHパワーを発売してくれたら、たぶん2本くらい揃えたくなってしまうでしょう。
ブランクスが良すぎます。大切なことなので2度お伝えしました。
●グラディエーターマキシマム”バルトロ ヒート2”
レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」、どんな人におすすめ?
レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」は、中・遠距離戦が得意なマルチパーパスなヘビーバーサタイルロッド。
使い込んでいくことで、向き不向きが見えてきました。
たとえば、以下のような人にはピッタリだと思います。
●遠投性をもとめたい人
●おかっぱりでヘビーバーサタイルな釣りを楽しみたい人
●レイドジャパン社の最高峰ロッドを使ってみたい人
●「ダッジ」や「フルスイング」を最高のフィーリングで操作したい人
その一方で、以下のような人にはおすすめできません。
●レンタルボートメインの人
→房総リザーバーメインの人にはおすすめできない
→クリアレイクメインなら問題なし
●ちいさな野池・クリークなどの小規模エリアでの釣りをメインとする人
●近・中距離戦をメインとする人
●グラディエーターマキシマム”バルトロ ヒート2”
【8ヶ月使用インプレ】レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」|まとめ
レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+ “バルトロヒート2」を使い込んでみたので、体験談をインプレしました。
高感度で軽いにもかかわらず、しなやかでよく曲がる。すげぇロッドです。
個人的には7.2フィートはやや長すぎるかなという思いもありますが、オカッパリだとめっちゃ使いやすくてお気に入り。今後も愛用し続ける予定でございます。
●グラディエーターマキシマム”バルトロ ヒート2”