ひさびさに「追加購入したい!」と思わせるリールと出会った。シマノ「SLX MGL」だ。
汎用性にすぐれた”バーサタイルモデル”として人気があり、現在でも売れまくっているベストセラーリール。
9ヶ月ほど使ってみたので、「巻きモノとカバー撃ちに使ってみて感じたこと」をインプレしてみる。
もくじ
シマノ「SLX MGL」を巻きモノとカバー撃ちに使ってみて感じたこと
シマノ「SLX MGL」は、ボディサイズ70、スプール径が32mmとややコンパクトな作り。
実際に、巻きモノと撃ちモノどちらにも使い込んでみた。
おおまかに感想をあげると、以下のとおりだ。
●汎用性MAX
●載せるロッドを選ばない器用さ
●カスタムで大化けする
●カバー撃ち専用ロッドに乗せても◎
●巻き心地は微妙
●高級感はない
使っていて楽しいベイトリールなので、正直もう1台ほしい…。
手が出しやすいリーズナブルなお値段っちゅーことで、レフトハンドルを試したり、ギア比試したり…なんてことも行いやすいですな。
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「SLX MGL」のインプレはこちらで読むことができます↓
汎用性にすぐれた超バーサタイル性能
SLX MGLが「汎用性にすぐれたバーサタイル機」であることは言うまでもない。
7~56gのハードルアー、5~28gのテキサスリグなどのワーミングまで幅広く使える汎用機…ということもあって、多くのアングラーから支持されるベストセラーリールだ。
たとえば、7フィートのクランキングロッドに合わせてもいいし、2ozクラスのビッグベイト用タックルなどの専門性のあるタックルに合わせても違和感がなく、それでいておかっぱりバーサタイルタックルにも組み込みやすい。
軽量ルアーもそこそこ扱いやすいので、ML~Mパワーロッドを使って「パワーベイトフィネス・カバーベイトフィネス用」としても扱うことができる。
さまざまなタックルに合わせられる器用さがある。使いまわしがしやすいのでめっちゃ助かる…。
合わせるロッドを選ばない汎用性!「重すぎず・軽すぎず」の自重が◎
また、自重が195gという部分も見逃してはならないポイントの1つだ。
ベイトリールは軽すぎても重すぎてもよろしくない。
キャスティングのときはリールの部分が支点(てこ)として働くため、リールが軽すぎると手首がブレてしまいやすく、ロッドブランクスを曲げにくくなる…という傾向がある。
6.10フィートのM~MHパワーロッドに載せる場合、リールの自重が軽いほどロッドが曲がりにくくなってしまう。
逆に、重すぎると今度は疲労感がたまりやすく、ルアーの飛距離も伸びにくいなどのデメリットも生まれやすい。
ノリーズの代表・田辺哲男氏は、ロッドとリールのバランス取りについて以下のように語っている。
【ロッド&リール〜バスロッドにおけるバランスセッティングの重要性〜】
「ロッドのバランスってリールとのセッティングが重要なんだよ。
もっと言えば、リールを付けてルアーを結んで振ってみないと本当のバランスはわからない。
軽いサオに重いリールをつけてもダメだし、重いサオに軽いリールをつけてもバランスが悪い」
SLX MGLは「重すぎず、軽すぎず」といった程よい重さ。このウエイトが本当に絶妙で、どんなロッドに合わせても違和感が生まれにくい作りなのだ。
オカッパリ用のなんでもタックルに合わせてもいいし、レンタルボート用のさまざまなタックルにも組み込みやすい。
SLX MGLは、「使い勝手・用途・タックルを選ばない汎用性」の三拍子が揃うすぐれたベイトリールだと思う。
●「SLX MGL」はこちらで見ることができます↓
巻物における使用感(ハイギアの場合)
(上画像:「【釣行記】早春の野池、スピナーベイトで52cmを釣ってきた。学んだこと・気付きを書いておきます。」より)
巻きモノにおいての使用感は、「ほどほど」といったところだろうか。
巻き取りトルクだとかギアの口径がうんぬん〜などの細かなことはわからないが、一般使用においてはとくに問題になるような部分は見当たらない。
1/2ozの巻き抵抗があるスピナーベイトや、シャロー・ミッドクランクベイトなど、巻きモノに分類されるルアーはどんなものでも”そこそこ”スムーズに巻いてこれる。
ハンドル長が84mmと中間的な長さなので、力強く負ける!というほとでもない。
シャロークランクベイトならスムーズに巻いてこれるが、ルアーウエイトが20g以上のものになってくると、ハンドリングがやや辛くなってくる。
重たいルアーやリップ付きビッグベイトなど、リールにパワフルな巻き取りが求められるルアーを扱うには、やや心許ない印象。使えるけど快適ではない。
ただ、僕が使っているのは”ハイギア”なので、ノーマルギアなら使用感はかなり変わるだろう。
個人的には、3/4oz以上のスピナベやディープクランキングなどには使いたくない。
が、ハンドルを90mに変えれば多分OKだと思う。
このリールのノーマルギアを使って、スローロールやディープクランキングをやりたいかというと、やりたくはない。そんな感じ。
巻き取り感・高級感はビミョー
はっきりいって、巻き心地は微妙である。巻き心地はよろしくない。
キャストフィールはかなり良いのだが、巻き心地はビミョー…の一言に付きる。
「巻物用にシルキーな巻き心地のリールがほしい!」という人は手を出してはいけないリール。
巻き心地を点数化するなら、アンタレスやカルカッタコンクエストが100点、20メタニウムが80点、SLX MGLは50点といったところだろうか。
実用性に関してはまったく問題がないレベルなのだが、気になる人にとってはデメリットになると思う。
個人的にはあまり巻き心地を気にしないほうなので、ほぼ気にならない。
むしろこのチープさが楽しい!まである(笑)
巻き心地や所有感に関しては、20メタニウム、カルカッタコンクエスト、アンタレスなどの上位モデルと比べてはいけない。
ボディ、クラッチ、パーツ各所にチープさがあるのは否定できない…。
カバー撃ちにおける使用感
(上画像:「【釣行記】片倉ダムのカバー撃ちで40cm釣ったときに気づいた9つの本音。釣ったルアーとセッティングのメモ」より)
スプール径が32mmとコンパクトということもあり、テキサスリグやジグを使ったカバー撃ちなどのピッチングを多用する釣りに向く。
純正状態であってもピッチングの弾道が浮きあがりにくい。
「5gテキサスリグ+モコリークロー(7g) / MHロッド / フロロ16ポンド」というセッティングを試してみたところ、問題なく使うことができた。
ただ、フロロ16ポンドになるとスプールの立ち上がりが悪くなり、ピッチングの弾道が浮きあがりやすかったりするなど、スプールにモタつきを感じることも…。
ラインポンド数をあげることによって生まれるレスポンスの悪さは、ワームサイズを上げることで解消された。
具体的には、「モコリークロー」を「バトルホッグ3.8 / エスケープツイン」などに変えることで、ピッチングが安定する。
カバー撃ちにおいては、ワーム+シンカーウエイトの合計が「10~12g」が下限で、快適ゾーンは「15~25g」といったところだろうか。
フロロ12~14ポンドに落とすことでもう少し下まで使いやすくなったが、カバー撃ちにおいてはルアー重量が12gくらいあると使いやすかった。
8ポンドまで下げても、「ベイトフィネスに使える!」なんてことにはならず。
カバー撃ち・ワーミングにおいて実用に値するルアーウエイト(シンカーウエイト含む)は、だいたい10gが下限だと思う。
めっちゃ頑張って7g。ただ、実用するレベルかというと、個人的にはNOである。
●カバーから強引に引き出せるパワーもある
SLX MGLはリールサイズが70とコンパクトな作り。そのため、パワーが求められる釣りは苦手なのでは…というのが購入当初のインプレッション。
しかし実際に使ってみると、ヘビーカバー撃ちにも使えるリールだということがわかった。
以前、ヘビーカバーの奥で40アップを掛けたことがあった。
やや強引にカバーから引き抜いたのだが、ボディが軋むこともなく、ドラグが出ることもなく安心してやり取りすることができた。剛性は高いほうだといえる。
使用前、ボディの作りがややチープに感じたため、剛性面においてやや不安があった。
しかし、その不安要素は実際に使ってみることで完全に払拭。軽く落下させるぐらいではビクともしない。
カスタムしたら大化けした
純正のままでもすぐれたベイトリールだが、キャストフィールにもう少し”伸び”があったらいいなぁ…と思うこともあった。
そこで、ヘッジホッグスタジオ「カッ飛びチューニングキットAIR」を入れてみたところ、大化け。
巻き心地そのものは変わらないのだが、その使用感はカスタムしまくった07メタや、純正20メタに匹敵するのでは、と感じさせる。
純正状態だと、5gテキサスなどの軽量ルアーをピッチングするときに弾道がやや伸び悩む。
ベアリングカスタムを施すことで、巻き・撃ちどちらにおいても抜かりないリールに仕上がるのは嬉しいポイントだ。
バイクでいうならSR400みたいな…
純正状態でもそこそこ楽しい。
しかし、カスタムして自分色に染め上げることで、もっと楽しい…みたいな。
SLX MGLは、使っていて面白いベイトリール。
個人的には20タトゥーラSV TWよりも”楽しい”リールだと思っている。
20タトゥーラSV TWは「使える」リール。こっちは『楽しい』リール。
ぶっちゃけ、もう1台ほしい。そう思わせてくれるリールと出会ったのは久しぶりだ。
SLX MGLをカスタムしたら最高に気持ち良くなった…と紹介している記事は「シマノ「SLX MGL」にカッ飛びベアリング入れて”巻物”の釣りやったら…キャストフィール最高すぎて昇天したお話」で読むことができます。
●「SLX MGL」はこちらで見ることができます↓
シマノ「SLX MGL」はどんな人におすすめ?
「SLX MGL」は優秀なベイトリールだが、以下のような人にはおすすめできない。
●ほかのアングラーに「コスパリールw」と舐められたくない!と思っている人
●安っぽさを感じさせるチープなベイトリールは嫌!と考える人
●タックルにはブランド感・高級さ・所有感を求めたい!という人
●シルキーな巻き心地を求めている人
上記のようなアングラーにはおすすめできない。
逆に、以下のようなアングラーにはマジでおすすめしたい。
●ベイトリールは「使ってナンボ」でしょ!と考える人
●「巻き心地」とか「チープさ」とかどうでもよくない?普通に使えればええやん!…と考える人
●「巻き・撃ち」どちらも使える¥10,000台のリールを探している人
●カスタムでイジる前提で買う
●リールの高級感・ブランド感は気にしない人
●「とりあえずの1台(復帰組含む)」を探している人
●シマノの人気・定番の「外さない」ベイトリールが欲しい
SLX MGLのインプレ記事は「【インプレ】1万円台のハイクオリティリール!シマノ「SLX MGL」を買ったら金かけてカスタムした07メタ終了のお知らせが届いた。」で読むことができます。
シマノ「SLX MGL」を巻きモノとカバー撃ちに使ってみて感じたこと|まとめ
●汎用性MAX
→巻き・撃ち・パワーベイトフィネスまでこなせる優秀さ
●カスタムで大化けする
→ベアリングカスタムするとGOOD!カスタムベース機としても面白い
●カバー撃ち専用ロッドに乗せても◎
→ピッチングの弾道が浮きにくい。しかもボディが軽量で疲れにくい
●巻き心地は微妙。高級感はない
→高級感を求めるなら20メタニウムのほうがいい
→巻き心地はお世辞にも”シルキー”とはいえない。というか滑らかではない
シマノ「SLX MGL」は、なんでも使えるスタンダードなベイトリールとして優秀だと感じる。
巻き・撃ち・ちょい軽量なワームリグまでなんでもこなせるため、オカッパリからボートとわず使い勝手がいい。
それでいて価格が¥10,000台ということで、ぶっちゃけもう1台追加購入してもいいかな…とさえ思わせてくれた。
チープさを感じさせるのもまた事実だが、サブリールやタックル増設用としても手が出しやすいので、多くのアングラーにおすすめしたいと感じさせるベイトリールだ。
●「SLX MGL」はこちらで見ることができます↓
●ライバル機に関する記事はこちら