以前、レイドジャパンのバスロッドは「折れる」だの「脆い」だの言われ放題でした。
しかし、最近のレイドロッドはとても作りがよく、個人的に気に入っています。
今回インプレする「グラディエーターアンチ GA-72H”キングヘビー”」は、常に品薄状態が続く転売ヤー御用達のロッド。
『激レアロッド』という甘い響きにホイホイと釣られてしまい、衝動買いしてしまいましたのでインプレします。
【関連記事】
「グラディエーターアンチ 72H”キングヘビー”」の初回インプレはこちらで読むことができます↓
もくじ
- 1 「グラディエーターアンチ 72H”キングヘビー”」を購入。ミドルクラスロッドの存在意義とは
- 2 このご時世に、ミドルクラスロッドを買う意味はあるのか
- 3 「ミドルクラスロッド」存在意義とは。アメリカと日本の売れ筋ロッドランクの違い
- 4 アメリカではミドルクラスロッドは売れない?
- 5 【インプレ】「グラディエーターアンチ GA-72H”キングヘビー”」を使ってきた
- 6 ルアー上限はどれくらい?
- 7 2ozルアーはディヒューザーとキングヘビー、どっちがいい?
- 8 GA-72HC”キングヘビー”は、どんなルアーが気持ちよく扱える?
- 9 カバー撃ち・底物系ルアーの使用感は?
- 10 5gテキサス+3~3.5インチホッグワームは使えるのか
- 11 キャストフィール(硬すぎ・シャッキリしすぎていないか)
- 12 カバー撃ち・ピッチング感が気持ちいい
- 13 グラディエーターアンチ GA-72H”キングヘビー”の感度は?
- 14 「72MH+”バルトロ ヒート”」と「74XH”デヒューザー”」と、キングヘビーの使い分け
- 15 「デヒューザー」と「キングヘビー」の使いわけ
- 16 「バルトロヒート2」と「キングヘビー」の使いわけ
- 17 【激レア転売ロッドの真実】「グラディエーターアンチ 72H”キングヘビー”」をインプレしてみた|まとめ
「グラディエーターアンチ 72H”キングヘビー”」を購入。ミドルクラスロッドの存在意義とは
このご時世に、ミドルクラスロッドを買う意味はあるのか
「グラディエーターアンチ GA-72H”キングヘビー”」
価格的には約¥30,000程度。
価格帯としてはミドルクラスくらいで、「レイドジャパン」というブランドネームもあってか、ちょい割高感がある。
完全に衝動買いです。ミドルクラスのロッドはあまり使わないタイプなのですが、つい…(笑)
¥10,000も出せばめっちゃ良いバスロッドが手に入る時代…
このご時世、あえて¥30,000を出してミドルクラスのロッドを買う意味はあるのか。ここが個人的にはちょっと曖昧だったんですよね。
最近は、シマノの「ゾディアス」やらダイワ「ブレイゾン」やら、¥10,000台でもハイクオリティなバスロッドが増えてきました。
僕もゾディアスやブレイゾンが好きなのでよく使います。安くて高品質な作りということもあり、近頃はミドルクラスロッドを買わなくなりつつあります。
実は、キングヘビーを買う前は、デジーノやらロドランNXSやらゾディアスやらを検討していました。
「高級orコスパ」の2択で迷っていたのですが、やはりミドルクラスロッドは選択肢にあがりにくいんです。
じゃあ、なんでキングヘビー買ったの?
すみません、衝動買いです。
…いや、7.2フィートのヘビーロッドを使ったことがなかったからです。という言い訳をしつつも、衝動買いであることは否定しません。
「ミドルクラスロッド」存在意義とは。アメリカと日本の売れ筋ロッドランクの違い
中途半端に¥30,000も出すくらいなら、キスラーだとかルーミスだとかロドランなどのハイクラスを頑張って買ったほうがいいのでは…と考えることもあります。
コスパ重視ならゾディアスにすればいいし、”良いロッド”が欲しいならフラッグシップモデルを買えばいいじゃない、と。
あえて中級クラスのロッドは買う意味が感じられなかったんですよね。
じゃあ、なんでキングヘビー買ったの?衝動買いです。もう言い訳はしません。衝動買いです、すみません。
アメリカではミドルクラスロッドは売れない?
そういえば、アメリカではミドルクラスのバスロッドはあまり売れない、と聞いたことがあります。
エントリー層や、「道具は使ってナンボ。壊れないことが大事」という合理的なアングラーは安いロッドを買い、金持ちはフラッグシップモデルを買う…とのこと。
アメリカ人の購買心理は両極端みたいですね。
たいして、日本ではエクスプライドやポイズンアドレナなど、中級モデルが人気です。
とあるビジネス書によると、日本人の購買心理には「¥10,000前後だとチープだし、かといって上級モデルには手が出ない」というものがあるらしいです。
エクスプライドやらワイルドサイドやら、中級クラスのロッドが売れる意味がなんとなくわかるような気がします。
ちなみに、ゾディアスもアメリカではミドルクラスに入るらしいです。
¥15,000クラスのロッドでは、アメリカではそこそこお高いロッドの部類に入るようですね。
アメリカと日本で購買心理を比較してもしょうがないですが、僕の考えかたはわりとアメリカ寄り(合理的?)なのかなぁと。
試験導入や”とりあえず”なら、ゾディアスで十分。
十分すぎるくらい十分。むしろメインまである。
でも、わりと”マジ”にやりたい釣り用のロッドには、お金をかけてもいいと思っています。
たとえば僕の場合なら、カバー撃ちやらMH~H系ロッドがそれに当たります。
超人気ロッド「グラディエーターアンチ GA-72H”キングヘビー”」。
ブランドネーム含め、ややお高めプライスなミドルクラスロッド。
価格なりのロッドなのか、そして人気の理由はなにか。
実際に使ってみたのでインプレしていきます。
【インプレ】「グラディエーターアンチ GA-72H”キングヘビー”」を使ってきた
ほとんど衝動買いで入手した「グラディエーターアンチ 72H”キングヘビー”」。
まずは大まかに、購入前に気になっていたポイントをあげてみます。
●ルアー上限はどれくらいまでか
●どんなルアーが気持ちよく扱えるのか
●5gテキサス+3~3.5インチホッグワームは使えるのか(カバー撃ち・底物の使用感は?)
●キャストフィール(硬すぎ・シャッキリしすぎていないか)
●感度
●72MH+”バルトロ ヒート”と74XH”デヒューザー”との使い分け
「ヘビーバーサタイル」というコンセプト通り、だいたい12~56gくらいのルアーを幅広く扱えるロッドです。
ティップの先までガチガチのヘビーロッドではありませんが、全体的にややシャープな印象。
購入前はもっちもちなフィーリングでしたが、現場で振ってみるとやや硬め…?
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ルアー上限はどれくらい?
快適に投げられる上限としては、だいたい2oz(56g)くらいでしょうか。
たとえば、レイドジャパン「デカダッジ」やガンクラフト「ジョインテッドクロー178」など、2ozクラスのビッグベイトならフルキャストが可能でした。
適合ルアーウエイト表記は「3/8~1.1/2oz」となっていますが、それ以上も扱えますね。
もしかしたら3ozくらいまでいけるかもしれません。
結構硬いロッドっす。
2ozルアーはディヒューザーとキングヘビー、どっちがいい?
個人的には、2ozクラスのビッグベイトを快適に扱うなら、キングヘビーのほうが好きかもしれません。好みの問題かと。
2ozクラスのルアーを扱う場合、キングヘビーのほうが鋭くキャストできるため、ピンスポットを狙いやすいカンジ。
キングヘビーはファーストテーパー気味。鋭くキャストすることが可能です。
というか、鋭くキャストしないと曲がりにくいと感じます。
スイングスピードを速くすることで、ティップからベリーまでがしっかり入るような印象ですね。
ディヒューザーのほうが、もっちりした弾力があり、キャストするときによく曲がってくれます。
ディヒューザーはレギュラーテーパーなので、キャスト時にロッドが曲がってくれるため、キャストが決まりやすい。
キングヘビーは、やや硬め・肉厚な印象。
ディヒューザーは、ブランクス全体を使ってモッチリとした感覚で投げていくようなイメージ。
お好みで選んでいいんじゃないでしょうか。
GA-72HC”キングヘビー”は、どんなルアーが気持ちよく扱える?
~2ozのビッグベイトやハードルアー、5~7gシンカーのテキサス(ワームは3~4.5インチホッグワーム)、1/4~1/2ozラバージグなどを試しました。
もっとも快適に扱えるのは、7gシンカー+4.5インチホッグワームや、3/8~1/2ozラバージグ。
また、1~2ozのハードルアーもなかなか良いですね。デカダッジなど、2ozクラスのデカ羽根モノは◎
キングへビーは7.2フィートあります。
ラインスラックを使って、羽根モノをネチネチと動かすのにも使いやすかったです。
ちょい重めのスイムベイト・スイムジグなどにも良さげ。
ルアー重量が1ozもあると、キャストするときにブランクスが曲がるようになります。
ただ、テーパーがファースト気味なので、ブランクス全体を使ってしなやかにキャスト!…とはいきませんでした。
どちらかというと、シュパッ!と鋭いキャストでビシバシ決めていくロッドなのかなぁと。
以下の記事では「もっちもち!トルクフル!」などと言っていましたが、わりと硬めな印象です。トルクはまだ魚を掛けていないのでわかりません。
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カバー撃ち・底物系ルアーの使用感は?
バスロッドの「ヘビーパワー」というと、忘れちゃいけないのが『カバー撃ち』においての使用感。
”キングヘビー”は、7.2フィートのヘビーパワーということで、テキサスリグやラバージグなどを試してきました。
結論からお伝えすると、かなり良い。”バランスが良い優等生”といった印象です。
5gテキサス+3~3.5インチホッグワームは使えるのか
5gシンカーのライトテキサスリグも使えます。
さすがにMH+”バルトロ ヒート2″や、70H”ザ・マックス”(ソリッドティップ搭載ヘビーロッド)のように繊細なアプローチは苦手ですが…。
ガッチガチのヘビーロッドではないので、ちょい繊細な操作にも対応してくれます。
たとえば、「5gシンカー+モコリークロー」みたいなライトテキサスリグ。
ボトムカバーにスタックさせ、ハングオフ…みたいな細かい使いかたもOK。
全体的に強いロッドではありますが、ティップが強すぎないため、ルアーをボトムカバーから外したときにバイトゾーンから動きすぎないのが良い。
ティップが上手い具合にハングオフ(引っ掛かりから外れる)してくれます。
一般的なヘビーロッドの場合、ハングオフさせると、ティップが強く反発しすぎてしまい、バスのストライクゾーン(バイトする範囲)から大きく離れがち。
しかし、72H”キングヘビー”は「ほどよく強く、かといって弱すぎず」なティップバランス。カバーからリグを離れさせずに、そのまま誘い続けることができます。
かなり考えて作られているなぁと感心しました。
ここはゾディアスと違う部分かと思います。
カバー撃ち・底物ルアーにおける”キングヘビー”のインプレ記事は「インプレ|レイドジャパン「GA-72HC”キングヘビー」をカバー撃ちに使い込んでみた感想 / 丁寧に作られた”退屈なロッド”=言い換えるなら超〇〇!」でも読むことができます。
キャストフィール(硬すぎ・シャッキリしすぎていないか)
全体的に、やや硬めというか”強め”なフィーリングです。
購入当初は、もっちり系なブランクスなのかなと思ってワクワクしたのですが、実際に使ってみると、そこそこシャープでした。
オーバーヘッド・サイドキャストともに、ブランクス全体を使ってしなやかに曲げて…というキャスト感ではありません。
ティップからベリーを使って、シュパっと鋭くキャストすると狙ったポイントに入りやすかったです。
同シリーズの「ジョーカー」や「バルトロ(6’10″MH)」までとはいかないものの、ブランクスはシャープ…?
結構強めの負荷がかからないと、ベリーまで入ってくれないような印象があります。
ただ、「硬すぎてムリ!キャスト決めにくい!」と感じられる不快なフィーリングではありません。
カバー撃ち・ピッチング感が気持ちいい
72H”キングヘビー”は、カバー周りでの使い心地がイイ!
ピッチングすると穂先がしっかり反発してくれるため、狙ったポイントにリグがカッ飛んでいきます。ファーストテーパーならではのメリットだと言えます。
また、テキサスリグなどをカバーに引っかけてシェイクする…なんて使い方にもピッタリ。
穂先が入りすぎず、かといってガチガチでもないので、ストレスなく”吊るし(中層シェイク)”の釣りを楽しめます。
72H”キングヘビー”は、中・遠距離にあるカバーのピンスポットに撃ちこんでいくような釣りにベストマッチなロッドだと思います。
グラディエーターアンチ GA-72H”キングヘビー”の感度は?
感度も良好です。
必要最低限、あるいはそれ以上の感度レベルがあるように思います。
ゾディアスよりは高く、エクスプライドと同等くらいかなと。もうちょいあるかな。
いずれにせよ、ミドルクラスロッド相応の感度レベルはあると感じました。
「フロロ16ポンド+5gテキサスリグ(3インチホッグワーム)」というライトな組み合わせでも、しっかり底を感じることができます。
「シンカー7g+4.5インチホッグワーム」なら感度ビンビン!
ただ、上位機種である「マキシマム 72MHC”バルトロヒート2”」のほうが感度はすぐれています。
「72MH+”バルトロ ヒート”」と「74XH”デヒューザー”」と、キングヘビーの使い分け
手持ちに「72MH+”バルトロ ヒート”」と「74XH”デヒューザー”」があるのですが、正直なところ、”キングヘビー”の出しどころに迷っています。
「72MH+”バルトロ ヒート”」と「74XH”デヒューザー”」の2本は、
…という感じで使っています。
キングヘビーは、ライトカバー〜ヘビーカバーまで満遍なく使えるような印象。
なので、上記2本と用途がかぶるという…\(^o^)/
「デヒューザー」と「キングヘビー」の使いわけ
デヒューザーと用途がカブりがちですね。
どちらもヘビーバーサタイルに使えるロッドなので、テーパーの違いで使い分けるのがいいのかなと。
デヒューザーは(たぶん)レギュラーテーパーなので、マグナムクランクやビッグベイト専用として。
キングヘビーは(たぶん)ファースト〜レギュラーファーストなので、カバー撃ちや底物系の釣りに良さげ。
どちらもヘビーバーサタイルに使いやすいので、お好みのテーパーを目安に使いわけるのがよろしいかと。
ディヒューザーのインプレ記事は「【実際に使ったインプレ】レイドジャパン「グラディエーターアンチ GA-74XHC “ディヒューザー”」は2ozのビッグベイト&ヘビーバーサタイルに最高!」で読むことができます。
「バルトロヒート2」と「キングヘビー」の使いわけ
バルトロヒート2とも用途がややカブる。
でも、ミッドカバーでは、72MH+(バルトロヒート2)を使うとティップがやや入りすぎてしまったり、根がかりしやすい(スタックしやすい)んですよね。
たいして、72H”キングヘビー”はティップに適度な張りがあるため、リグがスタックしにくくなります(カバーからリグを弾きやすくなる)。
おかっぱりで1本だけ持ち歩くなら、72MH+と72H、どちらがいいのか。
たぶん、72MH+(バルトロヒート2)のほうが使い勝手がいいです。
たとえば、3/8~1/2ozのスピナベやバズ、ちょい大きめのクランクベイトなどは、72H”キングヘビー”では扱いにくい。
扱えないことはありませんが、キャストしにくく、ロッドが曲がらないので使っていて疲れます。
これらのルアーは72MH+”バルトロヒート2”だと快適に扱えます。
ただ、2oz前後のビッグベイトまで扱いたいなら、間違いなくキングヘビーのほうがいい。
72MH+で2ozクラスのビッグベイトをフルキャストするのは、それなりのリスクと覚悟が必要なので…。
バルトロヒート2とキングヘビー、どちらを買うかで迷ったときは「2ozクラスのルアーをしっかり扱いたいか」がキーポイントになる。
72MH+”バルトロヒート2”のインプレは、「【1ヶ月使用インプレ】レイドジャパン「グラディエーターマキシマム 72MH+”バルトロヒート2”」は、『ゴリラ』みたいなロッドだと思う」で読むことができます。
【激レア転売ロッドの真実】「グラディエーターアンチ 72H”キングヘビー”」をインプレしてみた|まとめ
ミドルクラスロッドで人気の「グラディエーターアンチ GA-72HC”キングヘビー”」。実際に使ってみたのでインプレしてみました。
一言で表すなら「スタンダードで優秀なヘビーロッド」。とくに目立つ弱点もなく、そして際立つ強みも感じられません。
しかし、中途半端さは、言いかえるなら「バーサタイル」。ヘビーロッド入門用としても良いカンジです。
ただ個人的には、ややカッチリなキャストフィールが気になるところ…。
ですが、カバー撃ちと2ozビッグベイトにめっちゃ良さげだったので、もう少し使い込んでからまたインプレしたいと思います。