バス釣り用リールの「ギア比」とは。違いによるメリット・デメリット / ローギアとハイギアで迷ったときは?

バス釣り用リールには「ギア比」というものが存在します。

そのため、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。

そこで当記事では、「バス釣り用リールの”ギア比”」について解説します。

ライタープロフィール

釣り歴20年以上のアングラーです。

元魚屋店員。体験談を生かして記事を執筆しています。

バス釣り用リール、「ギア比」の基礎知識

「ギア比」とは

リールには「ギア比」というものが存在します。

ギア比とは、ハンドル1回転で「スプール(ローター)がどれくらい回転するのか」の値のことをいいます。

たとえば、ギア比が7なら、ハンドル1回転でスプールが7回まわります(ハンドル1回転で約70cmのラインを巻きとることができる)。

ギア比が5なら、ハンドル1回転でスプールが5回まわります。

リールにはさまざまなギア比があります。近年はその種類も多様化してきました。

そのため、購入前は「ギア比」のチェックを欠かさないようにしましょう。

※補足:「最大巻き取り長」もチェック!

ギア比が高い(スピードが速い)ほど、1度に巻きとることができるラインの量が増えます。

これを「最大巻き取り長」といいます。

ギア比が同じだとしても、巻き取り長が違うこともあるので注意しましょう。

リールを購入するときは、「ギア比」にくわえて『最大巻き取り長』もチェックしておくと失敗しにくくなります。

バス釣り用リール|「ギア比」の種類4つ、おもな特徴と用途

バス釣り用リールにおける「ギア比」の種類は、大きくわけると4つに分類されます。

ギア比の種類4つ

●ローギア

●ノーマルギア

●ハイギア

●エキストラハイギア

「ローギア」のおもな特徴・用途

ローギアのおもな特徴は、以下のとおりです。

「ローギア」のおもな特徴・用途

●巻きとり長が短い

●巻きとりスピードが遅い

●巻き抵抗が強いルアーを力強く巻ける

●ルアーの動きがブレにくい

●力強い巻きとりができる「ローギア」

「ローギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量が少なめのギア比。

巻きとりスピードが遅く、力強い巻きとりがおこなえるのが特徴です。

また、アングラーが一定のスピードを保ちながら巻きとりやすいため、ルアーの動きが安定するというのもメリットとしてあげられます。

その一方で、巻きとっているときはルアーの変化に気づきにくく、巻きとり感度が低いなどのデメリットも。

「ノーマルギア」のおもな特徴・用途

ノーマルギアのおもな特徴は、以下のとおりです。

「ノーマルギア」のおもな特徴・用途

●汎用性◎

●巻きとり長は、短くも長くもない

●巻きとりスピードは、遅くもなく速くもない

●巻物用ギアに選ぶアングラー多し

●オカッパリ用の便利なギア比としても人気

●中間的なバランスの「ノーマルギア」

「ノーマルギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量がそれほど多くありません。

かといって、少なすぎるというわけでもありません。いい塩梅。普通(ノーマル)。

そのため、巻物ルアー用タックルに使われたり、オカッパリでの便利なギア比としても使われます。

「ハイギア」のおもな特徴・用途

ハイギアのおもな特徴は、以下のとおりです。

「ハイギア」のおもな特徴・用途

●巻きとりスピードは、やや速い

●巻きとり長は、やや長い

●巻物ルアーに使うと、巻きとり抵抗が強くなる(変化を感じ取りやすくなる/巻きとり感度があがる)

●巻き抵抗の強いルアーに使うと、やや疲労を感じやすい

●ワーム用タックルに選ぶアングラー多し

●スピーディな巻きとりができる「ハイギア」

「ハイギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量が多いです。

巻物ルアーで使うと、ちょっとした変化に気づきやすく、巻きとり感度にすぐれたギア比。

また、ワームの釣りにおいてのルアー回収効率もよいため、ワーム用タックルとの相性も◎

ハイギアは、巻き・撃ち(ワーム)ともにこなせる万能機としても人気があります。

「エキストラハイギア」のおもな特徴・用途

エキストラハイギアのおもな特徴は、以下のとおりです。

「エキストラハイギア」のおもな特徴・用途

●巻きとりスピードは、もっとも速い

●巻きとり長は、もっとも長い

●ルアーの回収効率がいい

●ワーム用タックル(ライトリグ・ベイトフィネス・カバー撃ち)に選ぶアングラー多し

●ソルトルアーでも人気があるギア比

●巻きとりスピード最速の「エキストラハイギア」

「ハイギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量がとても多いです。

ルアーの回収効率にすぐれるため、おもにワームの釣りに使われるギア比です。

また、巻きとり感度がいいので、あえて巻物ルアーに使うアングラーも。

近年では、ベイトタックルを使ったソルトウォーターの釣りでもXG(エキストラハイギア)が人気。

バス釣り用リールの「ローギア」と「ハイギア」、迷ったらどちらを選べばいい?

迷ったら「用途・メリット・デメリット」から逆算すべし

リール選びで迷うポイントのひとつにあげられるのは、「ローギアかハイギアか」という部分。

使うルアーによって得られる効果がかわり、さらにアングラーの好みも反映されるため、これといった正解がないのがネック…。

しかし、もっとも手堅い選びかたがあります。

それは「どんなルアーを・どう使いたいか」から逆算する、というものです。

ギア比ごとによるルアー操作時にうまれるメリット・デメリットを理解することで、リール選びで失敗しにくくなります。

迷ったときは、ローギア・ハイギアの違いをしっかり知っておきたいところです。

「ハイギア」と「ローギア」の違い

リールのギア比をざっくりわけると、「ハイギア」と「ローギア」という2つにわけられます。

ハイギアは、ハンドル1回転でたくさんのラインを巻きとることができます。

たいして、ローギアは1回転で少ないラインを巻きとることができます。

このように、ギア比の違いによって得られる効果がかわるのです。

くわえて、ルアー毎によるそれぞれのギア比のメリット・デメリットを知っておきましょう。

「巻物ルアー」における、ローギア・ハイギアの違い

「巻物」におけるハイギアのメリット・デメリット

スピナーベイトやクランクベイトなどをはじめとする「巻物ルアー」。

巻物にハイギアを使うことで、以下のメリットがうまれます。

巻物にハイギア:メリット

●巻きとり感度があがる

●ちょっとした変化に気づきやすくなる

●ルアースピードの強弱がつけやすい

●ハイギアはわずかな変化も見逃さない

「巻きとり感度」とは、その名のとおり、ルアーを巻いているときの感度のことです。

たとえば、「巻いているときにルアーにゴミが引っかかった」だとか「バスがルアーを食った」などの変化をキャッチしやすくなります。

エキスパートになると、ルアーの後ろにバスが着いた(追いかけている)などがわかる…ともいわれています。

巻物ルアーにあえてハイギアを使うことで、ルアーの変化に気づきやすくなります。

●ルアースピードを選びやすい「ハイギア」

また、素早くハンドルをまわすことで、ルアーの泳ぐスピードをかなり上げることができるというのもメリット。

ローギアでは巻きとりスピードの上限の限界点が低いですが、ハイギアなら超高速スピードでルアーを泳がすことも可能です。

巻物における「ローギア」のメリット・デメリット

巻物ルアーで「ローギア」を使うアングラーもいます。

ひと昔前までは『巻物にはローギア』という考えかたが一般的でした。

しかし、近年ではノーマルギア・ハイギアの台頭により、ローギアを使うアングラーは少なくなりつつあります。

巻物にローギアを使うことで、以下のメリットを得られます。

巻物にローギア:メリット

●巻き抵抗の強いルアーをスムーズに巻きとりやすい

●ルアーを一定速度にキープしやすい

●巻きとり中、ルアーの動きがブレにくい(一定のテンポで巻きとりやすい)

その一方で、デメリットとしては以下のものがあります。

巻物にローギア:デメリット

●巻き感度が低い(巻きとり中の変化に気づきにくい)

●根がかりしても気づかずにルアーがどんどんめり込んでしまう

「ワーム(撃ち物)」における、ローギア・ハイギアの違い

「ワームの釣り」:ハイギアのメリット・デメリット

ワームの釣りでは「ハイギア〜エキストラハイギア」を選ぶアングラーが多いです。

その理由には、以下のようなものがあげられます。

ワームの釣りにハイギアを使うメリット

●ルアーの回収速度が速い(効率性があがる)

●ワーム操作するときにうまれる余分なライン(スラックライン)を素早く回収できる

●ファイト中にドラグを出されたときに、素早くラインを回収できる(スピニングタックル使用時)

●ワームの釣りは「回収効率」が大切

「巻物にはローギア、撃ち物(ワーム)にはハイギア」と使いわけるアングラーも少なくありません。

ワームの釣りは、近〜中距離のピンポイントに撃ちこんで、ちょっと誘ってすぐ回収…というルーティングが多いです。

そのため、ワームの釣りにおいてはハイギアを選ぶ人が多め。

「ワームの釣り」:ローギアのメリット・デメリット

ワームの釣りにおいては、ローギアの出番はほとんどないといっても過言ではありません。

筆者自身の経験においても、ワームの釣りにローギアを使うアングラーを見たことは1度もありません(^ ^;)

ということで、ワームの釣りにおけるローギアのメリット・デメリットは割愛します。

補足:オカッパリでは「ローギア」の出番は少なめ

オカッパリでは持ち運べるタックル本数にかぎりがあります。

タックル1本にローギアを載せてしまうと、ワームの釣りの効率が悪くなるなどのデメリットが目立ちやすいです。

オカッパリ用タックルにローギアを載せたいときは、「今日は巻物ルアーで釣るぞ!」という意気込みがあるときくらいでしょうか。

バス釣りのおかっぱりでは、「ローギア」の出番は少なめだといえます。

※車にたくさんタックルを積んでおけるアングラーは別です※

バス釣り用リールの「ギア比」とは。違いによるメリット・デメリット / ローギアとハイギアで迷ったときは?|まとめ

バス釣り用リールには「ギア比」というものが存在します。

近年はギア比のラインナップが多様化しているため、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。

しかし、「バス釣り用リールの”ギア比”」の基礎知識をしっかりチェックしておくことで、リール購入で失敗しにくくなるはずです。

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