バス釣り用リールには「ギア比」というものが存在します。
そのため、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
そこで当記事では、「バス釣り用リールの”ギア比”」について解説します。
釣り歴20年以上のアングラーです。
元魚屋店員。体験談を生かして記事を執筆しています。
もくじ
- 1 バス釣り用リール、「ギア比」の基礎知識
- 2 「ギア比」とは
- 3 ※補足:「最大巻き取り長」もチェック!
- 4 バス釣り用リール|「ギア比」の種類4つ、おもな特徴と用途
- 5 「ローギア」のおもな特徴・用途
- 6 「ノーマルギア」のおもな特徴・用途
- 7 「ハイギア」のおもな特徴・用途
- 8 「エキストラハイギア」のおもな特徴・用途
- 9 バス釣り用リールの「ローギア」と「ハイギア」、迷ったらどちらを選べばいい?
- 10 迷ったら「用途・メリット・デメリット」から逆算すべし
- 11 「ハイギア」と「ローギア」の違い
- 12 「巻物ルアー」における、ローギア・ハイギアの違い
- 13 「巻物」におけるハイギアのメリット・デメリット
- 14 巻物における「ローギア」のメリット・デメリット
- 15 「ワーム(撃ち物)」における、ローギア・ハイギアの違い
- 16 「ワームの釣り」:ハイギアのメリット・デメリット
- 17 「ワームの釣り」:ローギアのメリット・デメリット
- 18 補足:オカッパリでは「ローギア」の出番は少なめ
- 19 バス釣り用リールの「ギア比」とは。違いによるメリット・デメリット / ローギアとハイギアで迷ったときは?|まとめ
バス釣り用リール、「ギア比」の基礎知識
「ギア比」とは
リールには「ギア比」というものが存在します。
ギア比とは、ハンドル1回転で「スプール(ローター)がどれくらい回転するのか」の値のことをいいます。
たとえば、ギア比が7なら、ハンドル1回転でスプールが7回まわります(ハンドル1回転で約70cmのラインを巻きとることができる)。
ギア比が5なら、ハンドル1回転でスプールが5回まわります。
リールにはさまざまなギア比があります。近年はその種類も多様化してきました。
そのため、購入前は「ギア比」のチェックを欠かさないようにしましょう。
※補足:「最大巻き取り長」もチェック!
ギア比が高い(スピードが速い)ほど、1度に巻きとることができるラインの量が増えます。
これを「最大巻き取り長」といいます。
ギア比が同じだとしても、巻き取り長が違うこともあるので注意しましょう。
リールを購入するときは、「ギア比」にくわえて『最大巻き取り長』もチェックしておくと失敗しにくくなります。
バス釣り用リール|「ギア比」の種類4つ、おもな特徴と用途
バス釣り用リールにおける「ギア比」の種類は、大きくわけると4つに分類されます。
●ローギア
●ノーマルギア
●ハイギア
●エキストラハイギア
「ローギア」のおもな特徴・用途
ローギアのおもな特徴は、以下のとおりです。
●巻きとり長が短い
●巻きとりスピードが遅い
●巻き抵抗が強いルアーを力強く巻ける
●ルアーの動きがブレにくい
●力強い巻きとりができる「ローギア」
「ローギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量が少なめのギア比。
巻きとりスピードが遅く、力強い巻きとりがおこなえるのが特徴です。
また、アングラーが一定のスピードを保ちながら巻きとりやすいため、ルアーの動きが安定するというのもメリットとしてあげられます。
その一方で、巻きとっているときはルアーの変化に気づきにくく、巻きとり感度が低いなどのデメリットも。
「ノーマルギア」のおもな特徴・用途
ノーマルギアのおもな特徴は、以下のとおりです。
●汎用性◎
●巻きとり長は、短くも長くもない
●巻きとりスピードは、遅くもなく速くもない
●巻物用ギアに選ぶアングラー多し
●オカッパリ用の便利なギア比としても人気
●中間的なバランスの「ノーマルギア」
「ノーマルギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量がそれほど多くありません。
かといって、少なすぎるというわけでもありません。いい塩梅。普通(ノーマル)。
そのため、巻物ルアー用タックルに使われたり、オカッパリでの便利なギア比としても使われます。
「ハイギア」のおもな特徴・用途
ハイギアのおもな特徴は、以下のとおりです。
●巻きとりスピードは、やや速い
●巻きとり長は、やや長い
●巻物ルアーに使うと、巻きとり抵抗が強くなる(変化を感じ取りやすくなる/巻きとり感度があがる)
●巻き抵抗の強いルアーに使うと、やや疲労を感じやすい
●ワーム用タックルに選ぶアングラー多し
●スピーディな巻きとりができる「ハイギア」
「ハイギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量が多いです。
巻物ルアーで使うと、ちょっとした変化に気づきやすく、巻きとり感度にすぐれたギア比。
また、ワームの釣りにおいてのルアー回収効率もよいため、ワーム用タックルとの相性も◎
ハイギアは、巻き・撃ち(ワーム)ともにこなせる万能機としても人気があります。
「エキストラハイギア」のおもな特徴・用途
エキストラハイギアのおもな特徴は、以下のとおりです。
●巻きとりスピードは、もっとも速い
●巻きとり長は、もっとも長い
●ルアーの回収効率がいい
●ワーム用タックル(ライトリグ・ベイトフィネス・カバー撃ち)に選ぶアングラー多し
●ソルトルアーでも人気があるギア比
●巻きとりスピード最速の「エキストラハイギア」
「ハイギア」は、ハンドル1回転で巻きとれるラインの量がとても多いです。
ルアーの回収効率にすぐれるため、おもにワームの釣りに使われるギア比です。
また、巻きとり感度がいいので、あえて巻物ルアーに使うアングラーも。
近年では、ベイトタックルを使ったソルトウォーターの釣りでもXG(エキストラハイギア)が人気。
バス釣り用リールの「ローギア」と「ハイギア」、迷ったらどちらを選べばいい?
迷ったら「用途・メリット・デメリット」から逆算すべし
リール選びで迷うポイントのひとつにあげられるのは、「ローギアかハイギアか」という部分。
使うルアーによって得られる効果がかわり、さらにアングラーの好みも反映されるため、これといった正解がないのがネック…。
しかし、もっとも手堅い選びかたがあります。
それは「どんなルアーを・どう使いたいか」から逆算する、というものです。
ギア比ごとによるルアー操作時にうまれるメリット・デメリットを理解することで、リール選びで失敗しにくくなります。
迷ったときは、ローギア・ハイギアの違いをしっかり知っておきたいところです。
「ハイギア」と「ローギア」の違い
リールのギア比をざっくりわけると、「ハイギア」と「ローギア」という2つにわけられます。
ハイギアは、ハンドル1回転でたくさんのラインを巻きとることができます。
たいして、ローギアは1回転で少ないラインを巻きとることができます。
このように、ギア比の違いによって得られる効果がかわるのです。
くわえて、ルアー毎によるそれぞれのギア比のメリット・デメリットを知っておきましょう。
「巻物ルアー」における、ローギア・ハイギアの違い
「巻物」におけるハイギアのメリット・デメリット
スピナーベイトやクランクベイトなどをはじめとする「巻物ルアー」。
巻物にハイギアを使うことで、以下のメリットがうまれます。
●巻きとり感度があがる
●ちょっとした変化に気づきやすくなる
●ルアースピードの強弱がつけやすい
●ハイギアはわずかな変化も見逃さない
「巻きとり感度」とは、その名のとおり、ルアーを巻いているときの感度のことです。
たとえば、「巻いているときにルアーにゴミが引っかかった」だとか「バスがルアーを食った」などの変化をキャッチしやすくなります。
エキスパートになると、ルアーの後ろにバスが着いた(追いかけている)などがわかる…ともいわれています。
巻物ルアーにあえてハイギアを使うことで、ルアーの変化に気づきやすくなります。
●ルアースピードを選びやすい「ハイギア」
また、素早くハンドルをまわすことで、ルアーの泳ぐスピードをかなり上げることができるというのもメリット。
ローギアでは巻きとりスピードの上限の限界点が低いですが、ハイギアなら超高速スピードでルアーを泳がすことも可能です。
巻物における「ローギア」のメリット・デメリット
巻物ルアーで「ローギア」を使うアングラーもいます。
ひと昔前までは『巻物にはローギア』という考えかたが一般的でした。
しかし、近年ではノーマルギア・ハイギアの台頭により、ローギアを使うアングラーは少なくなりつつあります。
巻物にローギアを使うことで、以下のメリットを得られます。
●巻き抵抗の強いルアーをスムーズに巻きとりやすい
●ルアーを一定速度にキープしやすい
●巻きとり中、ルアーの動きがブレにくい(一定のテンポで巻きとりやすい)
その一方で、デメリットとしては以下のものがあります。
●巻き感度が低い(巻きとり中の変化に気づきにくい)
●根がかりしても気づかずにルアーがどんどんめり込んでしまう
「ワーム(撃ち物)」における、ローギア・ハイギアの違い
「ワームの釣り」:ハイギアのメリット・デメリット
ワームの釣りでは「ハイギア〜エキストラハイギア」を選ぶアングラーが多いです。
その理由には、以下のようなものがあげられます。
●ルアーの回収速度が速い(効率性があがる)
●ワーム操作するときにうまれる余分なライン(スラックライン)を素早く回収できる
●ファイト中にドラグを出されたときに、素早くラインを回収できる(スピニングタックル使用時)
●ワームの釣りは「回収効率」が大切
「巻物にはローギア、撃ち物(ワーム)にはハイギア」と使いわけるアングラーも少なくありません。
ワームの釣りは、近〜中距離のピンポイントに撃ちこんで、ちょっと誘ってすぐ回収…というルーティングが多いです。
そのため、ワームの釣りにおいてはハイギアを選ぶ人が多め。
「ワームの釣り」:ローギアのメリット・デメリット
ワームの釣りにおいては、ローギアの出番はほとんどないといっても過言ではありません。
筆者自身の経験においても、ワームの釣りにローギアを使うアングラーを見たことは1度もありません(^ ^;)
ということで、ワームの釣りにおけるローギアのメリット・デメリットは割愛します。
補足:オカッパリでは「ローギア」の出番は少なめ
オカッパリでは持ち運べるタックル本数にかぎりがあります。
タックル1本にローギアを載せてしまうと、ワームの釣りの効率が悪くなるなどのデメリットが目立ちやすいです。
オカッパリ用タックルにローギアを載せたいときは、「今日は巻物ルアーで釣るぞ!」という意気込みがあるときくらいでしょうか。
バス釣りのおかっぱりでは、「ローギア」の出番は少なめだといえます。
※車にたくさんタックルを積んでおけるアングラーは別です※
バス釣り用リールの「ギア比」とは。違いによるメリット・デメリット / ローギアとハイギアで迷ったときは?|まとめ
バス釣り用リールには「ギア比」というものが存在します。
近年はギア比のラインナップが多様化しているため、どれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
しかし、「バス釣り用リールの”ギア比”」の基礎知識をしっかりチェックしておくことで、リール購入で失敗しにくくなるはずです。