「秋は巻物が効く」
「秋は”荒食い”の季節」
「秋はターンオーバーがあるから難しい」
このような言葉を耳にしたことがありませんか?
いきなりですが、僕は20年以上バス釣りをしていて、秋の時期に「これは荒食いだ!」という入れ食いモードに出会ったことはありません。
さらに言うと、『ターンオーバー』自体も秋特有のものではないと考えています(『ターンオーバー』については後述)。
しかし、「秋は巻物」というのは、当てはまると感じることも。
秋の釣り方については個人差がありますが、秋の釣りの基礎知識を学んでおかないと、「秋は〇〇!」という固定観念に縛られ、釣れる魚が減ってしまう可能性も出てきます。
この記事では、バス釣り初心者の方に向けて、「秋の釣りの基礎知識と、有効になるおすすめルアー」について解説していきます。
もくじ
- 1 【初心者向け】秋のバス釣りの基礎知識。なぜ「秋は巻物」なのか?
- 2 秋は水質が変わりやすい時期
- 3 「秋は巻物!」と言われる理由は?
- 4 必ずしも、「秋は巻物」ではない
- 5 秋は、”食性”よりも、”リアクション(反射)”要素を意識したい
- 6 『ターンオーバー』について
- 7 ターンオーバーは年中起こっている
- 8 ターンオーバーが起こる理由
- 9 フィールドのタイプによる差がある。その他の時期にもターンは起こる
- 10 秋のバス釣り:狙うべき場所(エリア、スポット)は?
- 11 「良い水」「酸素が豊富」「ベイトが多い」がキーとなる
- 12 「良い水」を見極める方法は?
- 13 狙う水深(レンジ、タナ)も変わりやすい
- 14 秋のバス釣りに有効な、おすすめルアーは?
- 15 スピナーベイト
- 16 クランクベイト
- 17 バイブレーション
- 18 リップ付きビッグベイト
- 19 スピンテール
- 20 ロングワーム
- 21 まとめ:秋のバス釣りは、「巻物を使用しながら、水質が良いところを探りつつ、色んな水深とポイントを狙う」
- 22
【初心者向け】秋のバス釣りの基礎知識。なぜ「秋は巻物」なのか?
秋は水質が変わりやすい時期
秋は、他の時期に比べて「水質の変化」が起こりやすい時期です。
台風、気温の変化、残暑などの存在もあって、水質の変化の幅が大きいのです。
天候の悪化、水質の変化がキッカケとなり、水中の状況も不安定になりやすい時期。
なので、秋はバスの居場所や体調(コンディション)も変化しやすいため、狙いが絞りにくくてなかなか難しい時期なのです。
「秋は巻物!」と言われる理由は?
秋は、バスの捕食対象となる餌(ベイト、ベイトフィッシュ)が、色んな場所に散りやすい時期です。
9〜11月下旬頃は、魚類にとって水温が適温になる時期(20~25℃くらい)。
そのため、ベイトもバスも散る(活発に動く、行動範囲が広い)傾向が高まります。
しかも、台風やターンオーバーなど、水質を変動させる要因も相まって、「魚たちの生息域が日によってコロコロと変わりやすい」という厄介な時期でもあります。
一般的に、”秋の釣り”というと、『ワーム(フィネスリグ)を使って時間をかける釣りよりも、「巻物」を使って広く探っていくような釣りが有効』と言われています。
なので、
「確信が持てない場所でワームを使って時間をかけて釣るよりも、速いテンポで釣りが出来る”巻物”を使う方が、ヤル気のある魚と出会える確率が増える」
…というのが、「秋は巻物」と言われる所以。
【秋は巻物!】という言葉を、別の言い回しにすると、
「(バスもベイトも散っちゃって、イマイチ居場所が掴めない&リアクションでないと食わせにくいから)秋は巻物」
になると、僕は考えます。
ただ、「バス(情報)を探すために巻物を使う」というのは、どの時期においても通ずることでもあります。
秋に釣りをするときは「秋は巻物!」ではなくて、「巻物を使って、バス探し(と情報を得ている)」という意識を持つことが大事になることも。
日によって、「リアクションの釣り(巻物含む)」が、必ずしも有効とも言い切れないのが、秋の難しいところです。
日によっては”食わせ(ワーム、フィネスリグ)”の釣りが有効になることもあるので、状況を見つつ、臨機応変に使い分けていくようにしましょう。
必ずしも、「秋は巻物」ではない
もし、ある程度バスの居場所や、その日の傾向がわかってきたのなら、他の季節と同じように「巻物の釣りからワームの釣りへ」と、意識を変えてアプローチするのも有効な手段です。
”巻物”は、あくまでもバスと出会うための「手段」。
くれぐれも、「秋は巻物ルアーを使えば釣れる!」と鵜呑みにしないように注意しましょう。
巻物を使って、ある程度バスの状態が掴めてきたのであれば、「ここの場所には絶対居る!」と思えるような、確信のあるスポットでフィネスリグを使うのも大いにアリです(これはどの季節にも言えることですが)。
「秋は巻物!」に囚われすぎていると、釣れないこともあります。
秋はバスの状態(コンディション)が変化しやすい時期。
その日、その瞬間に、臨機応変に対応していくのが理想的です。
秋は、”食性”よりも、”リアクション(反射)”要素を意識したい
秋はバスのコンディションの変動に加え、「水質」も変化しやすい時期です。
バスのコンディションが変わりやすいため、バスの体調にムラっ気が起こりやすく、食い気(食欲)が出ていない状況も多々あります。
なので、日によっては『食性』に頼った釣り(ワーム、フィネスの釣り)が効かないことも。
バスの食欲がないのにも関わらず、ずっと”食わせ”の釣りをするのは効率的とは言い難いですよね。
なので、食わせ系の釣りが効かないと感じたときは、スピナーベイトやクランクベイト、バイブレーションなどを使って、「”食性”以外のリアクションの釣り」を行う。
「巻物で拾っていきつつ、”リアクション”を狙って行く」というのが、『秋は巻物』の理由だったりします。
●秋は水質の変化が激しい
●魚のコンディションが変動しやすい
→”食性”を狙った釣りが効きにくくなる
●魚の動き(行動範囲)が大きい時期
●バスの居場所の変化が大きい時期
●「巻物」にこだわる必要はないが、有効な手段ではある。
『ターンオーバー』について
ターンオーバーは年中起こっている
秋の時期になると、「ターンオーバーが起こる」という言葉を頻繁に見かけます。
『ターンオーバー』とは、表層の水と低層の水がかき回されて、水質が悪化する現象のことです。
実は「ターンオーバー」という現象は、年中起こっています。
元JBTOPプロの北大祐氏は、『ターンオーバー』について、以下のように語っています。
”極端な言い方をすればターンオーバーは季節に関係なく常に起こり得る現象とも言えるのです。
シンプルに説明すると水温変化の幅が大きくなればなるほどターンオーバー現象は起こりやすくなります。”
(引用:Basser 2017年11月号 7頁)
秋に頻発する台風などの影響で、良い水と悪い水がかき回されて、グッチャグチャになる(ターンオーバー)。
これが「ターンオーバー」。
『ターンオーバー』などと小難しい言葉を使うと混乱しやすいので、
「何か、良い水と悪い水がグッチャグチャにかき回されて、水質が悪くなる感じ」
くらいのシンプルな捉え方をしていきましょう。
ターンオーバーが起こる理由
「ターンオーバー」が起こるメカニズムの一般論としては、以下のようなものでだと言われています。
(風呂場で「上は暖かいのに、入ってみたら意外と冷たかった」という現象は、この原理)
●「表層の水と、低層の水」が台風などの影響でかき回されると、水質が一気に悪化する。
●水温変化が大きくなることでも、ターンオーバーは生まれやすい
バス釣り初心者の方はスルーしてしまっても構わない知識ですが、知らないよりは知っていた方が何かと便利かと思います。
フィールドのタイプによる差がある。その他の時期にもターンは起こる
琵琶湖や急深のダムのような水深が深いフィールドでは、水が掻き回されにくいため、ターンオーバーは起こりにくいと言われています。
がしかし、野池のような浅くて小規模の釣り場では、台風以外にも「強風」によってターンオーバーが起きたりすることも。
また、ターンオーバーは、気温と水温が変化しやすい「春」にも起こりやすかったりする現象です。
ターンオーバーは四季を通じて起こり得る現象なので、秋にバス釣りを行うときは、「秋だからターンオーバーで釣れない」の名言に引っ張られすぎないように注意しましょう。
●『ターンオーバー』とは、”異なる水(表層、低層。良い水と悪い水)”が混ざり合って、水質が悪化する現象。
●『ターンオーバー』は、季節問わず年中起こり得る現象。
●水深が浅いフィールドでは、ターンオーバーが起きやすい。
とあるプロは「水深が浅い霞ヶ浦のようなフィールドでは、ターンは起きない(起きにくい)」と言っていましたが…
人によって解釈がまちまちなところも興味深いです。
個人的には、ターンはどのようなフィールドでも起きると思っています。
僕は学者ではないので詳しいことはわかりませんが、個人的な体験を通して、ターンは野池のような小規模のフィールドでも起こると感じていたり。
とりあえず、「これはターンオーバー!」と解釈せず、「何か、水がドッロドロで水質が悪い感じだから、微妙っぽいな」くらいの解釈で良いと思っています。
とりあえず小難しい話は放っておいて、シンプルに。
秋のバス釣り:狙うべき場所(エリア、スポット)は?
「良い水」「酸素が豊富」「ベイトが多い」がキーとなる
秋は、魚にとって適水温となる時期でありながらも、「水が悪化しやすい」というピーキーな時期でもあるため、バスの居場所が絞りにくいのが特徴です。
なので、基本的な攻略法としては、例えば以下のようなポイントを狙っていくのが有効だと考えます。
●水質が良い場所
→ドロドロではなく、サラサラ系。
→酸素量が多い。
→ロッドでかき回すと、泡が残らない場所。
●水通しが良い場所
●流れ込み周り(インレット)
全体的に、やや夏の釣りを引きずっているような印象ですが、そこに「水深(レンジ、タナ)と水質」が絡んでくるのがポイントです。
「良い水」を見極める方法は?
「水質が良いポイント」を見極める判断は、
●ロッドで水をかき回してみると、泡が残るような場所は微妙。
●ドロドロした感じではなく、サラサラで”良い感じ”の水。
こんな感じで十分です。
レンタルボートなら、移動中にこまめに後ろを向いて、泡が残っているような場所は切り捨てたり。
オカッパリなら、綺麗でサラサラっとした水を目安にして、「水がドロドロ系な場所はバッサリと切り捨てる」くらいの思い切った行動を。
腐敗臭がするような場所もNGです。
写真のような、油が張っていてトロットロで酸素が薄そうな水も、あまりよろしくない。
秋は、とにかく「多くのエリアの水を見る」のが大事だと感じています。
釣れるルアーをアレコレ考えるのは、「良い水があるエリア」を見つけてから。
狙う水深(レンジ、タナ)も変わりやすい
秋は、「魚のポジション」が変わりやすい季節です。
特に、「水深(レンジ、タナ)」がコロコロと変わるため、水深は必ず意識したい要素です。
秋は、魚が快適に感じる水深(レンジ、タナ)が変わりやすい。
「とある日は中層の巻物が効いたと思ったら、その次の日はトップウォーター(表層)が良かったり、そのまた次の日はボトム(低層)の釣りが良かったり」
…というように、秋は日並で魚のレンジが大きく変わったりします。
秋は魚のポジションが変わりやすい時期。
なので、「どの水深を狙うのか?」は、常に意識したいところです。
とにかく「色々な水深」を探ってみることが大事。
秋のバス釣りに有効な、おすすめルアーは?
秋は、「バスの体調(コンディション)」も変動しやすい時期。
そのため、『食性に頼ったワーム(フィネスリグ)の釣りよりも、ハードルアーを使って「威嚇、反射、競争心、リアクション」の本能に訴えかけるアプローチが効果的』と言われています。
この項目では、僕個人が過去に体験したことを含めた、「秋におすすめのルアージャンル」を紹介していきます。
スピナーベイト
バスのリアクションを狙える有効なルアーの1つが、スピナーベイト。
気持ち重めのウエイトを選んで、やや速めに巻いてリアクションで食わせたり。
「スローロール」と呼ばれる、超ゆっくりに巻いてくるテクニックを使ったり。
いずれにせよ、釣り人側の意図としては、「食性ではなく、”威嚇や競争心・リアクション”を狙っているんだ!」という意識が必要です。
この時期は、スピナーベイトを「魚の群れ、ベイトフィッシュ」などと思わず、「バスの本能に訴えかける”謎の物体”」だと思って使うと良いでしょう。
【関連記事】スピナベが苦手な人は、このルアーから入ることをお勧めします。
クランクベイト
クランクベイトも、秋に有効なルアーの1つ。
スピナーベイトと同じく、”食わせる”よりかは「反射的に口を使わせる」ようなイメージで使うと良いでしょう。
クランクはスピナベよりもアピール力が低くてスレにくいため、「何度もバスの目の前を通す」といった使い方をするのもおすすめです。
例えば、テキサスリグやジグで打ちたくなってしまうような複雑なカバーに、クランクベイトを通していったり。
地形変化に付いているバスを、「高速リトリーブ」を使って反射的に食わせたり。
【関連記事】
バイブレーション
バイブレーションプラグも、リアクションの釣りにおいては欠かせないルアーの1つ。
根がかりしやすいため、使用する場所は障害物が少ない場所が良い。
ウィードエリアや、皿池タイプの野池、広大な浅場(シャローフラット)などなど、「バスは居そうだけど、広すぎて探るのに時間がかかりそう」と感じるときに出す。
いずれにせよ、狙うのは”食性”ではなく、「威嚇、競争心」などの本能を利用した”リアクション”の方向性。
やや重いウエイトを利用した「超高速巻き」は、バイブレーションのリアクションの釣りの基本とも言える。
また、「リフト&フォール」もリアクションの釣りに有効なテクニック。
リップ付きビッグベイト
もし「水がドロドロで濁っている場所」でしか釣りができないなら、強力なアピール力を持つ『リップ付きビッグベイト』を使うのもアリ。
秋は水質が悪化しやすく、水の硬度も低くなりがち。
水の硬度が低くなると、いつもより強い波動を生み出してあげなければ、バスにルアーを気づかせることができない。
●水がドロドロ
●でもなぜか魚はいる
といった”わけがわからないとき”は、リップ付きビッグベイトを使って、バスの「リアクション」本能を引き出してあげるのも有効。
S字系よりもリップ付き。
S字系は水を切るアクションのため、実は水を押す力が弱いのです。
●水質がクリアでも、リップ付きビッグベイトが有効になることも
これは僕個人の体験談ですが、相模湖のようなステイン〜クリアな水域のフィールドでも水がドロドロなら、秋のリップ付きビッグベイティングは有効になる感じたことも。
「水がドロドロで(水質が悪くて)、何をやっても食わない!」というときは、思い切ってデカいルアー(リップ付き)を投げてみるのもアリ。
ちなみに、「水の硬度に対する、ルアーアピール力の設定」については、巻物のスペシャリストでありながら、元JBTOP50選手の北大祐氏の著書が参考になります↓
【関連記事】
スピンテール
スピンテール系ルアーは、ブレードの存在もあって、「食わせなのにリアクション要素もそこそこある」というマルチなルアーです。
季節に関わらずよく釣れるルアーです。
バスの体調が変化しやすい秋の時期は、「食わせとリアクション要素」の2つの要素を兼ね備える『スピンテール』が効くことも。
釣れる魚は主に小型ですが、小バスが1匹でも釣れれば、その日の釣りの方向性も見えてきやすいですよね。
通う釣り場が野池のような小規模のフィールドだったり、ハイプレッシャーな釣り場なら、『スピンテール』のようなフィネス系巻物ルアーを使うのも有効な方法です。
ロングワーム
これは僕個人の体験談ですが…
秋の台風後、フィールドに「濁り」が入ったり、水質が悪化したときは、なぜか『ロングワーム』への反応が良いと感じています。
(画像は、レインズ「スワンプマグナム」キャスティング別注カラーのミミズ系カラー)
特にダム系のフィールドに「白濁り」が入ったときは、なぜか『ミミズ系カラーのロングワーム』が釣れます。
もしかしたら、雨風の影響でミミズが流れ込むのが理由かもしれませんが、一応、小ネタとしてここで紹介させてもらいました。
特によく釣れると感じるロングワームは、上記した写真の、レインズ「マグナムスワンプ」のミミズ系カラー(キャスティング特性カラー)。
ゲーリーヤマモト「4インチカットテール」と比べると、やや長め。
なぜかコレが秋に効くのです。
すみません、理由は全くわかりません。
野池のオカッパリでもなぜかよく釣れるので、行き詰まったときに「秋のロングワームテクニック」を試してみて欲しいです。
リグはネコリグ・スナッグレスネコリグ。
キャスティング別注カラーには、「リンタロウ」と「クマタロウ」の2種類があります。
どちらもミミズ系カラーなので、気になった方はチェックしてみてください。
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まとめ:秋のバス釣りは、「巻物を使用しながら、水質が良いところを探りつつ、色んな水深とポイントを狙う」
秋は、台風や気温の変化などの影響で、状況変化が起きやすい季節。
そのため、狙うべきポイントや、選ぶべきルアーが絞りにくいといった難しい時期でもあります。
迷ったときは、
●常に「水質が良い場所」を探す。
●水深を意識する(表層、中層、ボトム..幅広く探ってみる)。上記3点を意識してみましょう。
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