野池のオカッパリとメジャーフィールドの釣りかたは違う。釣り方を変えましょう。

「雑誌や動画を見て、バス釣りのことについてたくさん勉強したのに釣れない」
「プロのアドバイス通りに釣りをしているのに、成果が出ない」

僕がガチ初心者だったころ、上記のようなことで悩んでいたことがあります。
バス釣りを始めたての頃は何をすればいいのか迷ってしまいがちなんですよね(^ ^;)

さて、いきなりですが、残念なお知らせをしなければなりません。

それは、【もし通っているフィールドが”野池”であるなら、これまでに学んだ知識は役に立たない可能性がある】ということです。

ということで、当記事では『野池とメジャーフィールドの釣り方の違い』について紹介します。

野池のオカッパリと、メジャーフィールドのパターンフィッシングの違い

僕はかれこれ20年以上、関東のスレっからしの野池でバス釣りをおこなっています。

しかし、これまでの経験上、メディアでバスプロ達が行っている「○○パターン」だとか、「●●テクニック」といった攻略法のほとんどが野池の釣りにおいては役立っていません。

野池のオカッパリと、バスプロ達が釣りをするメジャーフィールドの釣りでは釣り方がずいぶん違うと学びました。

野池のオカッパリとメジャーフィールドの釣り、両者にはどのような違いがあり、そしてどう釣り分けていけばいいのでしょうか。

野池でバス釣りをしている人の中には、こんなことを感じたことがある人もいるんじゃないでしょうか。

●プロ達の言っていることを野池で試しているんだけど、効果がない。

●季節毎のパターンフィッシングをやっているのに、全く釣れない。

●レクチャー通りにルアーを選んでいるし、ルアーの操作もしっかりしているのになぜか釣れない。

僕たち一般アングラーは、これまでバスプロ達のアドバイスや知識を勉強していました。
しかし、学んできた知識はほとんど釣果に結びつかない可能性があります。

もちろん、中には有益な情報や知識もあります。プロの真似をすることでサカナが釣れることは少なくありません。ただ、その数はごく僅かです。

個人的な体験談をいわせてもらうと、プロ達が言っていることの8割くらいは、野池のオカッパリの釣りに当てはまらないなぁ…と感じます(正確に言うと、”当てはまりにくい”になります)。

フィールド毎に「釣り分ける意識」が大切

世の中に出回っているバスフィッシング論は星の数ほど存在します。

野池のオカッパリを攻略する上でバスプロ達の意見や知識は、大体8割くらいは役に立たない(当てはまらない)と思っています。

その理由は以下の通りです。

1:フィールドの規模が違いすぎるから

2:バス達の”逃げ場”の有無(最大水深、規模の違い)

3:バスの捕食対象(ベイト)が違うから

「野池のオカッパリ」と「メジャーフィールドの釣り」。

球技に例えると、サッカーとバスケットくらい違いがあります。

そもそもの競技自体が全く違うようなイメージです。

同じ球技(バス釣り)ではありますが、そもそものルールや取り組み方、人数や環境などなど、両者ではかなり違いがあるのです。

種目自体が大きく違うため、野池のオカッパリを行うときとメジャーフィールドで釣りをするときは、意識して釣りの取り組み方を変えていく必要があると僕は考えます。

野池では野池の釣りをおこない、霞ヶ浦では霞ヶ浦の釣りを、琵琶湖では琵琶湖の釣りを、レンタルボートではレンタルボートの釣りを…というように、それぞれのフィールド毎で釣り分ける意識を持たなければならないというわけです。

1:フィールドの規模が違いすぎる

野池の規模にもよりますが、そもそもメジャーフィールドと野池の規模には大きな違いがあるため、釣り方自体を変えてあげる必要があります。

メジャーフィールドでは「ヤル気・食い気のある魚と出会う」といった、バスを探していくタイプの意識が必要です。

しかし、野池のオカッパリの場合、そもそも”魚と出会う・探す”必要がありません。見える範囲・目の前の池のどこかにかならずバスが居るからです。

野池でバス釣りを行うときは、”目の前にバスが居ること前提”で釣りをしているということに気づくのが大事です。

ちいさな野池では「巻物でサーチ!」は不要

ちいさな野池で釣りをする場合、見えるエリア内に100%バスが存在していることがわかっているので、わざわざ”探す”という行為をしなくてもOKです。

広大なメジャーフィールドではアピール力の高い「サーチルアー」が有効になるものの、小・中規模の野池ではサーチルアーを使って”探す”というアクションをする必要がないのです。
なんだったら、いきなり食わせの釣りからスタートしてもいい。

野池の釣りは、目の前に広がっている(ルアーが届く範囲内にいる)風景の中にはバスが必ず潜んでいて、ただソレを釣る…というゲームになりがちです。

僕は野池のバス釣りを、「別名:放流が無くて管理されていない、管理釣り場(しかも超スレてる)」と表現することがあります。

「ごく限られた範囲の中で、どうにかして魚に口を使わせる」といった取り組み方は、管理釣り場のスタイルに似ていますよね。

魚種がヘラブナだろうがコイだろうがニジマスだろうが、『目の前にいる魚に対してどうにか工夫して口を使わせる』という取り組み方は、魚種に限らず管理釣り場で釣りをしたときには共通している要素です。

【関連記事】

ちいさな野池は巻物サーチ不要論」はこちらで読むことができます↓

●小規模の野池で”巻物でサーチ!”は諸刃の剣

規模が小さい管理釣り場で「まずは巻物でサーチ!ヤル気のある魚を拾っていこう!」などと意気込んでしまうと、バスに警戒心を与えすぎてしまう可能性が高くなります。

広大なメジャーフィールドなら「巻物でサーチ!」は有効な手段です。

しかし野池(特に小規模)の場合、ハードルアーでテンポよく探って、反応があったところでワーム…といったバスフィッシングの王道パターンがそもそも効きにくい。

もちろん、天候や水質などが変わったりしてバスの活性が高くなった瞬間であれば、パワーの強いルアーでも釣ることはできます。

しかし野池のバス釣りはどちらかというと、メジャーフィールドの釣りで行う「探して食わす」ではなく、「制限のある中でなんとか食わす」といった感じです。

特にスレまくった魚を相手にする場合、やや技巧的なアプローチと知識が必要になるのです。

日本のバス釣り界のレジェンドアングラーである田辺哲男氏は、「バス釣りはヤル気のある魚と出会って、ルアーパワーで引っ張って食わせる…というのが基本」と仰っていますが、残念ながら小規模の野池のオカッパリにおいてはあまり当てはまらないと感じます。

しかし、レンタルボートでメジャーフィールドなどを攻略する場合、上記のような基本的な取り組み方をしないと全く釣れません。

「目の前の風景に潜んでいるであろうバスを、どうにかして食わせる」といった技術のみを追求してしまうと、今度は逆に、広大なフィールドでバスを探し出す能力が育たない。

ですから、野池のオカッパリの釣りとメジャーフィールドの釣りは、取り組み方自体を意図的に変えてあげることが大切だと僕は考えています。

補足:とりあえず1本釣りたい場合は?

もしあなたが野池で釣りをするときに、「手っ取り早くバスを釣りたい!とにかく1本釣りたい!」という場合は、いきなりワームを投入しても良いでしょう。

すでにバスの居場所を知っている状態から釣りを始めることになるので、とにかく1匹でも釣りたいならフィネスなリグを投入しても全然オッケーです。

数を刻んで時間をかけて、細かく丁寧にじっくりとフィネスリグを使っていきましょう。

あるいは、バイブレーションやメタルバイブ、ミノーやクランクの超高速巻きなどで、リアクションの釣りを行うのも有効です。

ハードルアーを使う場合も、そこにバスが居ると理解した上で、意図的に”反射・リアクション”を引き出すような意識を持つといいでしょう。

野池のオカッパリで手っ取り早く釣果をあげるなら、「そこに魚が居るのが前提の釣り」をするのが確実な方法だと僕は考えます。

2:バス達の”逃げ場”の有無(最大水深、規模の違い)

霞ヶ浦や琵琶湖、ダムなどの広大なフィールドでは、バス達に”逃げ場”が存在します。

寒かったら深い場所に移動すればいいし、暑かったら涼しい場所へ避難すればいい。
人が来て警戒したら、障害物が多い場所に隠れることもできます。

しかし、小規模の野池のバスは、上記のような行動がとれません。
野池はメジャーフィールドほど広くなく、最大水深も浅め。野池のバス達にとって、野池の規模の小ささはまるで”牢獄”のようなものだといえるでしょう。

野池のバス達は、限られた範囲の中で限られた数の餌を工面しつつ、死に物狂いで春夏秋冬を乗り越えなければならない…という過酷な環境で生活しています。

メジャーフィールドのバスの行動パターンと、野池バスの行動パターンは、似ているようでまるで違うのです。

●プレッシャーのかかり方にも違いがある

例えば、野池の周囲が遊歩道で囲まれているようなタイプの場合、バスたちは年がら年中、人間の存在(足音や声など)を警戒しながら生活しています。

また、水深が浅い場合、冬鳥などがやってきて捕食されてしまう危険性があるため、野池バス達は日々プレッシャーを受けているのです。

霞ヶ浦も似たような傾向がありますが、そもそも規模に違いがありすぎるため、野池バス達よりかは警戒心が薄い(といってもめちゃくちゃスレてますが…)。

そのため、逃げ場があるメジャーフィールドのバス達に比べると、野池のバスはプレッシャーを受けるレベルが尋常じゃないんですね。

メジャーフィールドのバスは、ヤル気があったら割とシンプルに食ってくる傾向がありますが、野池バスの場合は、「ヤル気はあるけど食ってこない」ということも多いです。

小規模の野池のスレバスをバイトに持ち込むのは、かなり技術を要することなのだと知っておきたいところです。

3:バスの捕食対象(ベイト)が違うから

フィールドの規模によって、バスの捕食対象(ベイト)の種類や量が変わってきます。

たとえば霞ヶ浦の場合、小型のボラやハゼ、テナガエビやヌマエビ、アメリカザリガニ、ギルや小バスなどなど、バスのベイトとなる存在が豊富です。

しかし小規模の野池の場合、バスがその池に入って期間が経っているのなら、ザリガニなどのベイトの数はごく僅かになっていたりします。

「3年前まではアメザリがたくさんいたのに、今年はまるで見かけない」といったことも起こるので、ベイトの存在の違いは大きなキーポイントになります。

野池のバスはベイトが少なくなると、虫やギル、子バスを偏食するしかなくなります。

ベイトのサイズが小さ目なため、大きなルアーだと反応を得られにくくなることもあります。

そのため、メジャーフィールドで使っているルアーのサイズを、野池向けにサイズダウンする必要も出てきます。

「人気のルアーを使っているのに全然釣れない」と感じている人は、ルアー自体のアピール力を調整するといいでしょう。

まとめ:野池の釣りとメジャーフィールドの釣りは、取り組み方を変える必要があります。野池にはパターンフィシングが効きにくい。

バス釣りではフィールド毎に釣り分ける意識がもとめられます。

とくに、野池とメジャーフィールドでは釣り方やマインドは大きく変わるため、釣りをするときは注意が必要です。

バスプロ達が行っているパターンや知識は、必ずしも野池のバス釣りに当てはまるわけではないと知っておくと、ギャップに悩まされにくくなるはず。

「バス釣りに関して色々と勉強しているのに、全然釣れない」と悩んでいる人は、釣り分ける意識を持つと◎

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