(アイキャッチ・上画像:シマノ公式サイト「SLX DC XT」 / 「SLX DC」より)
シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」。
どちらもDCブレーキ搭載の人気モデルということもあり、購入で迷ってしまいがち。
そこで当記事では、『「SLX DC XT」と「SLX DC」の違い』を比較していきます。
もくじ
- 1 【比較】シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」のスペック・仕様おさらい
- 2 「SLX DC XT」
- 3 「SLX DC XT」のスペック
- 4 「SLX DC XT」のおもな特徴
- 5 「SLX DC」
- 6 「SLX DC」のスペック
- 7 「SLX DC」のおもな特徴
- 8 【技術特性のちがい】シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」を比較
- 9 技術特性の違い
- 10 ブレーキシステムが違う
- 11 スプールが違う
- 12 マイクロモジュールギアの有無
- 13 シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」、そのほかのちがい
- 14 自重が違う
- 15 ギア比のラインナップが違う
- 16 最大巻き上げ長が違う
- 17 価格が違う
- 18 シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」、どっちが”買い”?
- 19 バス専用なら「SLX DC XT」
- 20 ソルトも視野に入れるなら「SLX DC」
- 21 【比較】シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」の違い。どっちが”買い”?|まとめ
【比較】シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」のスペック・仕様おさらい
この項目では、シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」のスペック・仕様についておさらいします。
両機のスペック・作りをおさらいし、違いについてもう一度チェックしていきましょう。
「SLX DC XT」
「SLX DC XT」は、2022年にシマノ社から発売されたベイトリールです。
『SLX DC』に”XT(エキストラチューニング)”が施され、さまざまな部分が進化。
最新型のDC(デジタルコントロール)ブレーキが採用され、それでいて軽いルアーから重いものまで幅広く扱うことができるマルチプレーヤーとして注目されています。
「SLX DC XT」のスペック
以下、シマノ公式サイトより「SLX DC XT」のスペック表の引用です。
※→横にスライドするとすべて見ることができます
品番
品番
ギア比
最大ドラグ力(Kg)
自重(g)
スプール 径(mm)/幅(mm)
糸巻量ナイロン(lb-m)
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)
ハンドル長さ(mm)
ベアリング数BB/ローラ―
夢屋ハンドルノブタイプ
夢屋ハンドルタイプ
本体価格(円)
商品コード
70 6.2 5.5 195 33/21 12-100,14-90,16-80,20-65 64 42 7/1 A BH-1 35,000円
044686 71 6.2 5.5 195 33/21 12-100,14-90,16-80,20-65 64 42 7/1 A BH-1 35,000円
044693 70HG 7.4 5.5 195 33/21 12-100,14-90,16-80,20-65 77 42 7/1 A BH-1 35,000円
044709 71HG 7.4 5.5 195 33/21 12-100,14-90,16-80,20-65 77 42 7/1 A BH-1 35,000円
044716 70XG 8.1 5.5 195 33/21 12-100,14-90,16-80,20-65 84 42 7/1 A BH-1 35,000円
044723 71XG 8.1 5.5 195 33/21 12-100,14-90,16-80,20-65 84 42 7/1 A BH-1 35,000円
044730 (情報元:シマノ公式サイト「SLX DC XT」より)
「SLX DC XT」のおもな特徴
「SLX DC XT」のおもな特徴はどこにあるのでしょうか。
SLX DC XTの特徴としてあげられるのは、以下の要素です。
●「i-DC5」が搭載
●マグナムライトスプールⅢが搭載
●スプール径/幅が「33mm/21mm」
●ラインキャパシティ(糸巻き量)が「16ポンド-80m」
「SLX DC XT」には、シマノの最新DCブレーキシステム「i-DC5」が搭載されています。
また、「SLX DC」には搭載されていないマグナムライトスプールⅢが組み込まれ、より軽いルアーを投げやすくなりました。
「SLX DC」
(画像:シマノ公式サイト「SLX DC」より)
「SLX DC」は、シマノ社から発売されているベイトリールです。
以前まで、DCブレーキ搭載機は中・上位モデルにのみに採用されていましたが、SLX DCは1万円台というリーズナブルな価格。
お手頃価格でDCシステムを使えるようになったということもあり、多くのユーザーに人気があります。
「SLX DC」のスペック
以下、シマノ公式サイトより「SLX DC」のスペック表の引用です。
※→横にスライドするとすべて見ることができます
品番
品番
ギア比
最大ドラグ力(Kg)
自重(g)
スプール 径(mm)/幅(mm)
糸巻量ナイロン(lb-m)
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)
ハンドル長さ(mm)
ベアリング数BB/ローラ―
夢屋ハンドルノブタイプ
夢屋ハンドルタイプ
本体価格(円)
商品コード
70 6.3 5.5 210 34/22 12-100,14-90,16-80,20-65 67 42 6/1 A BH-1 27,500円
041777 71 6.3 5.5 210 34/22 12-100,14-90,16-80,20-65 67 42 6/1 A BH-1 27,500円
041784 70HG 7.2 5.5 210 34/22 12-100,14-90,16-80,20-65 77 42 6/1 A BH-1 27,500円
041791 71HG 7.2 5.5 210 34/22 12-100,14-90,16-80,20-65 77 42 6/1 A BH-1 27,500円
041807 70XG 8.2 5 210 34/22 12-100,14-90,16-80,20-65 88 45 6/1 A BH-1 27,500円
041814 71XG 8.2 5 210 34/22 12-100,14-90,16-80,20-65 88 45 6/1 A BH-1 27,500円
041821 (情報元:シマノ公式サイト「SLX DC」より)
「SLX DC」のおもな特徴
「SLX DC」のおもな特徴は、どんなところにあるのでしょうか。
SLX DCの特徴としてあげられるのは、以下の要素です。
●「i-DC4」が搭載
●「S3Dスプール」が搭載
●スプール径/幅が「34mm/22mm」
●ラインキャパシティ(糸巻き量)が「16ポンド-80m」
「SLX DC XT」には、モデルとしては一世代古い『i-DC4』が採用されています。
また、「SLX DC XT」にはマグナムライトスプールⅢが搭載されていたのに対し、本機には『S3Dスプール』が採用。
さらに、スプール径/幅が「34mm/22mm」となっており、SLX DC XTよりも1mm大きいサイズです。
【関連記事】
「DCブレーキの素晴らしさ」は以下の記事でもくわしく紹介しています↓
【技術特性のちがい】シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」を比較
この項目では、シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」、両機に採用されている『技術特性のちがい』を比較していきます。
※シマノリールの技術特性は、以下のページで見ることができます
技術特性の違い
「SLX DC XT」と「SLX DC」、両機にはどんなテクノロジーが採用されているのでしょうか。
●「SLX DC XT」に採用されている技術特性
●「SLX DC」に採用されている技術特性
(画像:シマノ公式サイト「SLX DC」より)
「SLX DC XT」と「SLX DC」、両機に採用されているテクノロジーを比較した場合、以下のところに違いがみられます。
●マイクロモジュールギア
●Xシップ
●MGLスプールIII
●I-DC4/5
ブレーキシステムが違う
シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」のもっとも目立つ違いは、『DCブレーキシステム』にあります。
ブレーキシステム | |
SLX DC XT | i-DC5 |
SLX DC | i-DC4 |
SLX DC XTは”I-DC5”という最新ブレーキが採用されています。
たいして、SLX DCには”I-DC4”という旧型ブレーキが採用。
個人的にどちらも使ったことがありますが、トラブルの少なさやキャストの伸びなどは”I-DC5″に部がある印象です。
「i-DC5」と「i-DC4」、どちらもすぐれたブレーキシステムではあるものの、最新型である前者を搭載している『SLX DC XT』はより進化した作りだといえるでしょう。
スプールが違う
「SLX DC XT」と「SLX DC」の違いとしてあげられるのは、『スプール』です。
スプールの種類 | 径(mm)/幅(mm) | |
SLX DC XT | マグナムライトスプールIII | 33/21 |
SLX DC | S3Dスプール | 34/22 |
●SLX DC XTには『マグナムライトスプールIII』が採用
(画像:シマノ公式サイト「マグナムライトスプールIII」より)
SLX DC XTには『マグナムライトスプールIII』が採用されています。
マグナムライトスプールIIIは、軽やかな立ちあがりがメリット。
以前までのDCブレーキ搭載機は軽いルアーを投げにくい傾向がありましたが、マグナムライトスプールIIIが搭載されているおかげで、SLX DC XTはライトウエイトなルアーも投げやすい作りです。
●SLX DCには『S3Dスプール』が採用
(画像:シマノ公式サイト「S3Dスプール」より)
たいして、SLX DCには『S3Dスプール』が採用。
S3Dスプールは安定感と静粛性にはすぐれているものの、軽量ルアーの扱いは決して得意とはいえず、『DC機は軽いルアー向けではない』というレッテルを貼られがちでした。
マグナムライトスプールIIIを搭載した「SLX DC XT」の登場は、ライトウエイトなルアーを扱いたい釣り人にとって朗報だといえるでしょう。
マイクロモジュールギアの有無
(画像:シマノ公式「マイクロモジュールギア」より)
シマノの技術特性のひとつである「マイクロモジュールギア」の有無にも違いがみられます。
マイクロモジュールギアの有無 | |
SLX DC XT | ○ |
SLX DC | × |
マイクロモジュールギアはシマノリールの中・上位モデルに搭載されている技術で、”なめらかな巻き心地”がメリット。
SXL DC XTにはマイクロモジュールギアが搭載されています。
たいして、SLX DCには不搭載。
マイクロモジュールギアの有無はおおきな違いだといえるでしょう。
補足:マイクロモジュールギアって劣化する?
以前、マイクロモジュールギアの件について、SNSで某プロと一般ユーザーが言い争い炎上…という出来事がありました。
トラブルの種となったのは、『マイクロモジュールギアの劣化について』でした。
個人的に、マイクロモジュールギア搭載機を数年以上ほど使いこんでいますが、とくに劣化などは感じられず、今でも第一線で活躍中です。
さすがに初期のなめらかな巻き心地は残ってはいないものの、気になるほど激しい劣化はしていません。
マイクロモジュールギア搭載機に不信感がある場合、あえてSLX DCを購入するという選択肢もアリかもしれません。
「ソルトでガシガシ巻きたい!」というアングラーはSLX DCが合うともいえます。
シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」、そのほかのちがい
この項目では、「SLX DC XT」と「SLX DC」、両機に採用されている技術特性以外においてのちがいをピックアップします。
技術特性には大きなちがいが見られましたが、そのほかはなにが違うのでしょうか。
「SLX DC XT」と「SLX DC」のおもなちがいは、以下のとおりです。
●「自重」が違う
●「ギア比のラインナップ」が違う
●「最大巻き上げ長」が違う
●「価格」が違う
●「SLX DC XT」と「SLX DC」のおもな違い
両機のおもな違いを表にしてまとめると、以下のとおりです。
「SLX DC XT」 | 「SLX DC」 | |
自重(g) | 195 | 210 |
ギア比ラインナップ | 6.2/7.4/8.1 | 6.3/7.2/8.2 |
最大巻き上げ長(cm) | 64/HG-77/XG-84 | 67/HG-77/XG-88 |
価格(円) | 35,000 | 27,500 |
自重が違う
「SLX DC XT」と「SLX DC」のスペック上においての違いで際立つのは、『自重』です。
自重(g) | |
SLX DC XT | 195 |
SLX DC | 210 |
SLX DC XTは195gであるのに対し、SLX DCは210g。
SLX DC XTの”195g”という自重は、上位モデルのメタニウムDCと同じです。
DCブレーキ搭載機は自重の重さがネックでしたが、アンダー200gというスペックは見逃せないポイント。
ギア比のラインナップが違う
「SLX DC XT」と「SLX DC」は、『ギア比のラインナップ』にも違いが見られます。
ギア比のラインナップ | |
SLX DC XT | 6.2/7.4/8.1 |
SLX DC | 6.3/7.2/8.2 |
ノーマルギアは、SLX DC XTのほうがややロースピードに設定されています。
しかし、HGギアはやや速めの7.4。
ノーマルギアとXGギアは、SLX DCが速めに設定されているのがわかります。
ただ、SLX DC XTには33mm径のやや小さなスプールが搭載されているため、実際の巻き上げ長とギア比表記については違いが見られます(後述にて)。
最大巻き上げ長が違う
「SLX DC XT」と「SLX DC」は、ギア比のラインナップに違いが見られる…と前述しました。
しかし、ベイトリールには『ギア比が違ちがっても巻き上げ長が同じ』という場合もあり、それは両機についても当てはまります。
最大巻き上げ長(cm) | |
SLX DC XT | 64/HG-77/XG-84 |
SLX DC | 67/HG-77/XG-88 |
SLX DC XTは、HG(ハイギア)の最大巻き上げ長が77cm。
たいして、SLX DCのHGモデルの最大巻き上げ長も77cmとなっています。
両機のギア比には違いが見られるものの、実際の巻き上げ長は同じだということがわかります(HG)。
ギア比の数字だけを見て「HGリールが欲しいから、ギア比が高いSLX DC XTを買おう」とすると失敗しやすいので、購入を検討するときは『最大巻き上げ長』もチェックしておきたいところです。
価格が違う
「SLX DC XT」と「SLX DC」は、価格にも違いが見られます。
価格(円) | |
SLX DC XT | 35,000 |
SLX DC | 27,500 |
SLX DC XTは、35,000円。
たいして、SLX DCは27,500円。
実売価格はもう少し下がりますが、SLX DC XTはほとんど中級機(ミドルクラス)だといえるでしょう。
SLX DC XTにはシマノの最新技術がこれでもかと詰めこまれているため、ややお高めになっていることがわかります。
↓クリックすると通販サイト「アマゾン」で価格を見ることができます
>>アマゾンで「SLX DC XT」の価格をチェックしてみる
シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」、どっちが”買い”?
シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」、どちらもDCブレーキ搭載モデルということで、購入に迷ってしまいがち。
そこで、当記事でピックアップした”違い”を参考にしつつ、この項目では『どちらが買いなのか』を検討していきます。
バス専用なら「SLX DC XT」
ブラックバス釣り専用としてえらぶなら、「SLX DC XT」がマッチしやすいといえます。
SLX DC XTには軽量ルアーを投げやすい『33m径のマグナムライトスプールIII』が搭載されており、また、巻き心地にすぐれた『マイクロモジュールギア』も搭載されています。
近年のバスフィッシングシーンでは、高精度なキャストと繊細なリトリーブをもとめられるため、そういったときには”XT(エキストラチューン)”の要素が役立つといえるでしょう。
>>アマゾンで「SLX DC XT」の価格をチェックしてみる
ソルトも視野に入れるなら「SLX DC」
(画像:シマノ公式サイト「SLX DC」より)
バス釣りからソルトルアーアングラーまで幅広く人気のある「SLX DC」。
しかし、SLX DC XTの登場により、使いわけが気になるところです。
これまで、当記事ではさまざまな”違い”を見てきましたが、SLX DCは『バスもソルトもやる』というマルチアングラーに向いているリールだと感じます。
SLX DCは、XGギアの最大巻き上げ長が88cm。
たいして、SLX DC XTはXGの最大巻き上げ長が84cmです。
たった4cmの違いではありますが、1日中リトリーブしていると、その差は疲労感に如実にあらわれます。
シーバスやロックフィッシュなど、やや重めのルアーを遠投するという用途なら、SLX DCのほうが向いているといえるでしょう。
もちろん、バス専用として購入するのもアリですが、軽いルアーの扱いならSLX DC XTに部があるといえるでしょう。
【比較】シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」の違い。どっちが”買い”?|まとめ
シマノ「SLX DC XT」と「SLX DC」の違いについて紹介しました。
どちらもDCブレーキ搭載モデルということもあり、購入に迷ってしまいがち。
しかし、当記事にピックアップした”違い”を参考にすれば、買い物で失敗しにくくなるはず…!