この時期になると、上記のようなフレーズを目にすることが多くなりますが、その信憑性についてはイマイチはっきりしない印象があります。
以前、僕も「春はレッド系がいいよね」と考えていたころもあり、いろいろ試したことがあるので、そのときに学んだことをシェアしたいと思います。
もくじ
トッププロも手駒にする『スポーニング期には「赤」が効く』の理由
バスが産卵行動をはじめる”スポーニング期”には、赤い色のルアーがよく釣れるというセオリーはあまりにも有名。
一般的に、スポーン期にレッド系のルアーが有効である理由には、以下のような要素があるからだと言われています。
●ザリガニパターン
→冬眠明けのザリガニパターン狙い。脱皮したあとは赤くなるため、バスにとって格好の餌となりやすいから。
●怒り・競争心を煽るため
→スポーニング期のバスは食性よりも、「怒り・競争心」を煽ったほうがいい場合もあるから。
■参考資料・ソース
●野尻湖釣具店「春のバスが赤いルアーに反応するワケとは?!」
●YouTubeチャンネル「世界のT.NAIMKI 釣りベース」
産卵期のバスはホルモンバランスが崩れやすく、ナイーブな状態に陥りやすい。
そのため、食性よりもリアクション系バイトを誘ったほうが釣れやすい…という考え方も、春のバス釣りセオリーに含まれるかと思います。
いずれにせよ、スポーニング期の気難しいバスをターゲットにするなら、他の時期とはちょっと違ったアプローチをする必要があるため、アクセントとしての「赤系、レッドカラー」が有効になることもある。
ちなみに、千葉県の房総リザーバーにおいては、「アカガエルパターン」を狙うためにレッドカラーを使う人も少なくないようです。
トッププロ達も「スポーニング期には赤”」を信じている?
「春は赤説」は、単なるビジネス戦略と決めつけるのはよろしくないカモ?
実は僕、以前まで「スポーニング期にレッド系カラーを売るための販売戦略なんじゃないの?」とか思っていましたが、どうやらトッププロたちも『春の赤説』を手駒としているようです。
たとえば、アメリカのトーナメントで活躍する大森貴洋氏は「春先には赤系のクランクベイトを使う」と語っています。
以下の動画を再生すると、ソースコメント前から観ることができます↓
「カラーチョイスは複雑にはしない」と大森氏は語っておりますが、春先には赤を選ぶとのことで、『春の赤説』を手駒にしていることが伺えます。
また、並木敏成氏は「春に赤が効く理由」について、以下のように語っています。
水が濁っているときは、レッド系カラーが有効。
ブラック系カラーと同様にシルエットがはっきりするため、バスに気づかせやすい。
春はアカガエルやザリガニなどの存在もあって、バスからはベイトフィッシュが赤っぽく見えることもある。
※再生すると引用コメント前から観ることができます※
赤色は、光量がおおいときはレッドカラーに見えますが、光がすくないレンジ・水質においては「ブラック系」に変わる…という特徴があります。
レッドカラーは、水質次第では”地味”にもなる。
赤カラーは、水深が深い(光量が少ない)と「黒」になる
レッド系カラーは、光が届かない深場だとブラック系にかわりやすく、水質次第では明滅効果も得られやすいカラーです。
「レンジが深くなるほど、レッドカラーはブラック系になっていく」ことについて、ヒロ内藤氏が以下のように語っています。
【バスは茶・赤系の色を詳細に見分けることができる!】
たとえば茶色のジグヘッドの場合、濃い茶色と薄い茶色では反応がかなり変わることもある。
色は、水深が深くなるほど褪せてくる。それが明快にわかるのが赤白、レッドヘッド。
レッドヘッドは人間の目で見ても派手な色だとわかるが、深場に沈めていくほど「黒白」になっていく。
DVD内で「レンジ変化におけるルアーカラーの移り変わり」についての実験映像を観ることができますが、水深4m付近では赤はどす黒くなり、水深6m付近ではほとんど黒くなっています。
マッディウォーターではルアーに光が当たりにくいため、水中ではブラック系カラーになっている…というワケですね。
「春の赤説」は、バスからしたら「黒なのか赤なのかハッキリせい!チカチカ明滅して見切りにくいんじゃ!」といった感じで、リアクション効果になっているのかもしれませんね。
春は食性よりもリアクションの釣りが優位になることもしばしば。
カラーの明滅効果を使って、よりバスにリアクションバイトを誘えるのが「レッドカラー」というわけです。
春のバス釣りには「赤いルアー」が効くのか試しまくったときの話
以前、「春に赤いルアーが有効」という言葉を検証すべく、いろいろと試してみたことがあります。
個人的には「クランキングは春のレッド系カラーが効くカモ」と感じます。
春のクランキングに関しては、「レッド系、クロー系」のクランクに高反応を得たことも。
たまたまだと思い、同じ日にシャッド系(ナチュラル系)やチャート系なども試したところ、なぜか赤系のクランクにバイトが多かったんですよね。
着水直後のバイトもあったのですが、今思うと「房総リザーバーにおけるアカガエルパターン」だったんじゃないかと。
房総リザーバーのバスには、「赤+表層ポチャン=カエルやぞ」っていう思考パターンが脳ミソに組みこまれているのかもしれませんね。
また、ブラッシュホグなどのワーム系でも「春の赤説」を検証してましたが、コチラはいまいちでした。
ワームのカラーやサイズ感はそのときの状況によっても結果が変わるので、一概にも「春に赤いカラー使えば釣れまっせ」とは言い切れないのかなぁと。
「春にレッドカラー使えば釣れる!」というワケでもない
レッド系カラーは、深いレンジや光量がすくない水質だと”ブラック系”に見える。
赤色というとイロモノ的なカラーだと思われがちですが、実は「そこそこ強めのシルエットが出るベーシックなカラー」という解釈でいいのかもしれません。
ただ、レッド系のような派手ハデ(というかシルエットはっきり系)なカラーは、使う状況を選ぶタイプの色なので、いつ投げてもいいかというと、そうでもなかったり。
たとえば、ドピーカンなクリアーウォーターだと、たとえ春だとしてもレッド系カラーを使うと強すぎちゃうカモ。
ましてや水深が浅いとなると、より悪目立ちしやすくなっちゃう。
「春の赤説」を後押ししてくれる要素として、どうしても欠かせないのは『水の濁り』なんじゃなかろうか。
クリアウォーターよりもマッディウォーターの方が「春の赤説」はいいカモ?
春に赤系ルアーが有効だとされているのには、「濁り」も影響しているのかなと。
春は強風が吹きやすいシーズンでもあるので、水が濁りやすい季節ともいえます。
特にシャローは風の影響で水が濁りやすいので、「春は風が強い→スポーニングエリアとなるシャローが濁る→結果的に強いカラーが釣れる」というパターンになりやすい。
さらに、そこにザリガニやアカガエルなどの赤系ベイトフィッシュが絡むとイイカンジ…というのが、『春の赤説』の内訳なのではと考察してみたり。
これはあくまで僕個人の推測(と妄想)にすぎませんが、結局のところ、「春の赤説」は環境と状況、レンジ・水深・アプローチ次第なんじゃないの…というのが今のところの持論です。
「スポーニング期には赤が効く!だからレッド系カラーを買いまくれ!」っていうのは、ちょっと安直カモしれません。
「春の赤説」は、僕の中ではいまのところフィフティーフィフティーといった感じで、信憑性については50~60%くらいの信用値です。
まとめ:風でシャローが濁る→強いカラーが活躍する→赤系ベイトが入れば「春は赤説」が爆発する…のかも
バス釣りの春、ルアーは赤が効く説。
正直なところ、「キモチ次第なんじゃないの?プラシーボ効果なんじゃないの?ルアー売りたいだけなんじゃないの?」などと疑っていましたが、状況や環境、アプローチによって結果がまるで変わる…というお話を書いてみました。
情報を鵜呑みにするのはおすすめできないものの、ちょっとしたアクセントとして「春の赤説」を取り入れてみてもいいのかもしれないなと思っています。
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