(画像:DUO公式サイト)
DUOからくっきー監修のルアーが発売された。
買う予定はないけれど、遊び心があってなかなかオモシロげだと思う。
そういえば一昔前、ラッキークラフトから「ペンシルペンシル」というルアーが発売されていた。
今ではこういった遊び心のあるルアーが減っていて、とにかく釣れなきゃイカン!という空気が漂っているような気がする。息苦しい。
そのムードはバス釣り業界・バスアングラーにも感じられる。
令和のジャパニーズ・バスフィッシングは、遊び心とメンタル的余裕をどこかに忘れているような気がする。そして、それは僕自身のことでもあるのだ。
もくじ
遊び心と余裕のないバス釣り業界とバスアングラー
最近の僕は遊び心をどこかに置いてきてしまったようで、釣りをしていてもどこか息苦しさがあった。
とにかく成果を出さなきゃならない、1本でも多く釣らなければ…少しでも大きなバスを釣らなければ…というように、どこか焦りを感じながら釣りをしていた。
挙げ句の果ての「自作サイコロラバー」である。さすがにやりすぎたかなと思う。
ここらで一旦、気を改めようと、ハードルアーを使った”バスフィッシング”をしようと思い立った。
やはりハードルアーは楽しい。あまり釣れないけど。
そういったルアーたちは投げているだけでも気持ちいい。操作していても面白い。
なによりも「これで釣れたら最高だろうなぁ」という夢があって良い。
ここ最近のバスアングラーは、ワームの釣りをすることがメインになりがちだ。
それは僕自身にも当てはまることで、釣行時、使うルアーの8~9割はワームという状態になっている。
われながら偏った釣りスタイルになっているなと感じるが、こんな取り組みかたではバスフィッシングに面白みを感じられなくなってしまうのも仕方あるまい。
好きなルアーを投げていないわけだし、自分の内面にある「こんなふうに魚を釣りたい!」という夢や希望を蔑ろにしながら釣りをしているわけなのだから。
トーナメントでは夢やロマンなど語っていられないが、僕のような一般アングラーは「ドリーム、夢、希望、喜び」というポジティブな感情を忘れてはならないと痛感中だ。
「遊び心」だけでは食っていけないけれど…一応、「釣り」は趣味なんだけどなぁ
(画像:Amazon)
そういえば、関東のフィールドで、前述した「ペンシルペンシル」などの遊び心のあるルアーを使って釣っている人を見たことがない。
20年くらいまえのバス釣り業界にはあった遊び心のようなものが、令和の今ではほとんど感じられないように思う。
とはいえ、業界人側からすると、「釣り」という手段を用いてなんとか利益を出さなきゃいかんというのが現実である。
しかし、昨今は某動画サイトなどでバス釣り業界の裏側をぶっちゃけるコンテンツが台頭し、「うわ…バス釣り業界ってクソだな…冷めたわ」と考えるアングラーも少なくない。
ということもあり、釣具の売れ行きがよろしくないようだ。
このご時世、中小企業のフィッシングメーカーの存続すらあやうい。
「売れないルアーは作るべきではない」と考えるのが、経営者としては妥当であり合理的な判断だといえる。
ただ残念ながら、会社の利益を出し続けることと、ユーザーのニーズはかならずしも一致するわけではなかったりする。
単に20年前のバスブームが異常だっただけだろうか。
今が正常なのだといわれれば、まぁその通りなのかなとは思う。
CDを売ればミリオン連発だった音楽ブーム時代とおなじく、とりあえず新作ルアーをつくれば売れまくるようなムードが、かつてのバス業界にも存在していたから。
とはいえ、お客さんはウソをつかない。
つまらない商品だったら買わない。目新しさがないのなら興味もわかない。「しょーもねーな」と思われたら引く。
「このメーカー、イケてんな」と感じてもらったらファンになる。まるでロックバンドのフォロワーを会得するかのようなプロセスである。
ある意味、釣りユーザーというのはブラックバスのような習性を持っているのかもしれない。
いずれにせよモノを売る側は、お客さんを”銭”として見るのではなく「ココロを持った人間」を相手に社会貢献をしている…ということを忘れてはならない。
ライブスコープでマイクロベイトパターン…
(画像:ルアーニュース)
個人的に、最近のマイクロベイトパターンやらホバスト・ミドスト、イヌリグ、挙げ句の果てにライブスコープ…辟易してしまったというのが本音だ。
さすがにもういいかな、もうゴールしてもいいよね…状態である。
そこまでせにゃ釣れないんだったら、いっそのことソルトルアーやったほうが面白くない?と考えることもある。そう思っているアングラーは僕だけではないのでは。
レンタルボートに乗ろうにも、まず大前提として60万もするエレキ(ゴースト)と50万の魚探(ライスコ+モニター)を使わなければ太刀打ちできない、という世の中になりつつある。
これでは誰もボートに乗ろうなどと思うまい。ハードル高すぎやんけ。うらやましいぞ!
トーナメントでもそれぞれのレイクでも、レギュレーションというものが存在しない。なにをやってもOKというカオス状態。そりゃバスもスレる。
昨今のバス業界の売り込みかたを見ていると、バスアングラーがソルトに流れる理由もうなずけてしまう。
皆がみな、「小さいルアーだろうがなんだろうが釣れりゃあいいんじゃ精神」でバスフィッシングに取り組んでいるかというと、かならずしもそうではないというワケだ。
マイクロベイトパターンでしか釣れないんだったら、アジング・メバリングに移る。だって食えるし、ボート代もかからないんだから。
バスフィッシングの面白さって、かならずしも結果ありきのものだけではないでしょ。
トーナメントやる人には関係のない話だけれど。
「勝ちたいヒト」と「癒されて楽しみたいヒト」の取り組みは、かならずしも同じじゃない。
釣具屋の新作ルアーコーナーにはフィネス用ワームがずらりと立ち並ぶ現状
先日、釣具屋に足を運び、新作ルアーコーナーを覗いた。
すると、いつもなら人気必死の新作ルアー(ワーム)が売れ残っているではないか。
ここ最近のメーカーはワームばかりをリリースする。
その雰囲気は、まるで「とにかく1本でも多く釣ったヤツが正義」「1cmでも長く、1gでも多く釣ったヤツこそが大正義」「勝てればええんじゃ!楽しいだけじゃ結果は出ない!」といった感じで、ラインナップを見ていると胸が苦しくなる。
失礼ながら言わせていただくと、ものすごく退屈だし、使ってみたいとは到底思えないようなシロモノばかりだ。
令和の最新型マイクロベイトワームよりも、30年前のオールドルアーのほうが魅力的に感じてしまう。
マイクロベイトパターンとは何か。ふざけているのだろうか。
そんな小さなワームでしか釣れないのなら、僕は釣れなくても構わない。
「マッチ・ザ・ベイトが基本!かぎりなく餌に寄せるのが釣果をアップさせるコツ」?
だったら餌を使えばいいじゃないか。ミミズ、めっちゃ釣れるんだから。
そういえば、ヒロ内藤氏がセミナーでこんなことを言っていた。
「誰にでも確実に100%釣れる方法があります。それは生き餌(ライブベイト)を使うことです。
でも、バスフィッシングの楽しさはそこではなく、”自分の操るルアーでどうやってストライクを引き出すか”だと僕は思うんです」
エサに寄せるアプローチのみがバスフィッシングのすべてだと勘違いしてはならない。
そして、業界もユーザーに対して”そういうような”洗脳をするのもいかがなものか。無理やり流行らそうとしているだろう。
昨今のバス釣り業界はどうしているのではないか。どうか正気を取り戻してほしい。
とはいえ、僕自身もそろそろ気を確かにしなければならない。サイ○ロラバーなんて使っている場合ではないぞ。正気に戻れ、自分。
「コロナ禍、紛争が僕たちの未来をどうにかしてしまうのでは…」と不安なメンタリティに苛まれがちな今、僕たちが求めているのは”そういうもの”ではない。
少なくとも、僕はマイクロベイトパターンなんて求めていない。勝ちたくて釣りやってんじゃないんだから。
遊び心と余裕のないバス釣り業界とバスアングラー|まとめ
昨今のバス釣り業界、バスアングラー、バスプロ・メディアプロには、遊び心と余裕がなくなっているように思えて仕方がない。そして、それは僕自身にもあてはまることだ。
メーカーの人間にも家族がいるのだから、どうにかして流行をつくり利益を出さなければならないということも理解できる。
しかし、新作ルアーコーナーにちいさなワームばかりのみが置かれるという現象は、いちユーザーとしては面白くない。
僕の通う釣具店ではバスコーナーに人はおらず、ほとんどのお客さんがソルトルアーコーナーにいる。
そりゃそうだろう。バスコーナーに並んでいるルアーや業界そのものに魅力がないのだから。
この現状をブッ壊してくれるようなイベントや、かつての”ミラクルなお方”のようなスーパースターの登場を願う。