今から5年くらい前でしょうか。
価格が¥40,000を超えるような、高級タックルばかり使っていた時期がありました。
ハイエンドタックル自体は今も使いますが、あまりにも高級タックルに心酔していた時期があったのです。
しかし、”あること”がキッカケとなり、今では「安くてタフで、投げ心地さえ良ければそれで良い。脆いモノなど使うに値しない」といった合理的な価値観が主軸になってきています。
もくじ
高級タックル好きだった僕が、低価格タックルを使うようになった理由
今から5年ほど前、フラッグシップタックルを偏愛していました。
しかし、当時の自分があまりにも未熟だったため、ハイエンドモデル特有の”ブランド感・所有感”を背負いすぎて疲れを感じてしまったり、身分に不相応に感じたことがあったのです。
大して実力もないのに、こんなに釣り道具に金かけて何やってるんだ自分…感。
高級タックルは所有しているだけでも心満たされますし、性能もめちゃくちゃ良い。
しかし、どこか満たされない虚しさと空虚感。
満たされない心を、高級ブランドタックルで埋めようとするような感じの日々を送っていたのです。
しかし、ハイエンドタックルを使っていても埋まることのなかった僕の心が、あるタックルとの出会いにより昇華され始めたのです。
低価格タックルとの出会い
低価格タックルを使うようになったキッカケは、シマノ「ゾディアス1610H」との出会いでした。
手持ちの高級タックルに嫌気がさして売り払ったとき、とりあえずヘビーロッドを買いなおそうと、超適当に、あくまで”仮”として購入したロッドです。
ゾディアスシリーズは一万円台で買えるということもあって、初心者向けのロッドというイメージがありました。
当時の僕は「実力も無いのにプライドだけは無駄に高い」というやっかいな人間だったため、「安物タックルなんて使ってらんねぇよ」とイキりまくり。
我ながらクソ生意気な野郎だったと感じます。
当然、ゾディアスのような低価格ロッドは触ったことなどありませんでした。
使う前は全く期待などしておらず、完全に舐めきっていたゾディアス1610H。
しかし、いざ使ってみると、非常に使いやすくてビビってしまったのです。
下手すりゃひと昔前の三万円台くらいのクオリティがあるんじゃないか、とさえ感じました。
軽量なのにめちゃくちゃタフで、しかも投げ心地もそこそこ良くて感度も良いときた。
一番の驚きは、このロッドが一万円台で買えてしまうということです。
「¥10,000台で買える(しかも新品)ロッドが、これほどまでハイクオリティ…だと…?」
ゾディアス1610Hを使い込んでいけばいくほど、「もう¥10,000台のタックルだけでよくね?」と、価値観がガラっと変化してしまったのです。
超適当に投げやりで買ってみたゾディアス1610hがキッカケとなり、僕のレベルなら1万円台のロッドでも十分だということに気付かされた体験談。
これ以降、¥20,000以下のエントリーモデル〜ミドルクラスのタックルを買うことが増えていったのです。
高級バスロッド、ハイエンドなバスロッドにこだわり続ける必要などなかった…。
ハイエンドリールから低価格リールへ
ハイエンドタックルから低価格タックルに移行した潮流は、ロッドだけでなくリール選びにおいても存在しました。
以前はアンタレスやカルカッタ、スティーズといったハイエンドリールを使っていましたが、最近はバスワンxtやバスx、ブラックマックスなどの低価格エントリーモデルを使うようになっていきました。
過去記事にもありますが、¥9,000台で買えるピシファン「SAEX エリート」やアブ「レボx」などとの出会いが、僕の”高級タックル至高主義”を変えていった感じです。
メタニウムMGLやバンタムMGL、タトゥーラSV TW、ジリオンSV TWなどといったミドルクラスのリールも好んで使うようになりました。
最近では「低価格か、高級タックルか」の2極化なスタイルになりつつあります。
リールの役割の本質
バス釣りにおいてのリールの働きの本質は、「ルアーを目的のポイントまで届ける」ということ。
必要最低限の目的さえ達成できれば、極端な話、リールなんてどれを使ったって構わないと僕は考えます。
だから、シマノだろうがダイワだろうがアブだろうが、使えるものは何だって使う。
人はアイテム選びに、ブランド感や所有感、他者との差別化や競争、自己満足感などなど、エゴを持たせようとします。
本質的な役割さえ達成できればいいだけなのに、よけいなモノを足そうとしてしまう。
「低価格タックルを使っていると初心者丸出しかな」
「安物を使っているとバカにされる」
こういった邪念・対抗心・恐怖感があると、低価格タックルに対して偏見が生まれちゃう(以前の僕です)。
¥10,000以下の低価格タックルでも、十分にバス釣りを楽しむことが可能です。個々人の懐事情や嗜好でタックルを選ぶのが一番。好きな道具を使って楽しもう。
高級タックルにこだわると見えなくなるものがある
近年のエントリーモデルのリールを使っていると、「高級リールにこだわっていた自分は一体何だったのか」と切なくなります。
最近でいうと、アブガルシア「ブラックマックス」やシマノ「バスワンxt」とかになりますが、初めて使ったときはあまりのクオリティの高さにキレそうになりましたw
「なんかさぁ…もうブランド感とか見栄とかにこだわらなくてもよくない?」と、イキっていた自分自身に自己嫌悪し始めたり。
切なさを感じたくなるほど、最近の低価格リールの出来は良いです。
一昔前の低価格リールはまともに使える代物ではなかったと記憶していますが、最近の低価格モデルは、「あえてこのリールを選びたい」と思わせてくれるようなクオリティになってきています。
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アメリカのバスプロたちは低価格タックルを使う
バス釣りの本場アメリカのトーナメントで活躍しているバスプロたちは、日本で言うところの”低価格タックル”を使っていたりします。
スキート・リースというプロは、¥10,000前後のタックルを使っていたり。ケビン・バンダムも大体それくらいの価格帯のタックルを使っていたり。
「高級タックルを好んで使っているのは日本人くらいだ」などと高尚なことを言える身分ではありませんが、釣り道具に対してブランド感や所有感を求めてしまうのは、日本人の性でもあるのかもしれませんね。
●日本だと安い部類
こうして比較してみると、どっちを信じればいいのかわからなくなったりしますが…まぁ柔軟に解釈していきたいですよね。
アメリカで活躍するトーナメンター達が低価格タックルを使っていることを知ったという出来事も、僕が低価格タックルを使うようになった要因の1つです。
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まとめ:高級タックル・ハイエンドタックルもいいけど、低価格タックルも出来が良いので偏見を持たずに楽しみましょう。
一時期は高級バスロッドやハイエンドタックルに偏愛していた僕ですが、最近の低価格タックルの出来の良さにはとても驚かされています。
バス釣りはあくまで趣味であり娯楽。
もちろん、ガチモードで真摯に本気に取り組んだりもしますが、個々人の価値観によってタックルを選んでいきたいものです。
好きな道具、懐事情に合った道具を使って、これからも楽しく取り組んでいきたいと考えています。