【バス釣り】スピナーベイト用リール選び、3つのコツ。ハンドル長・ギア比・自重バランスについて

スピナーベイトやバズベイトなど、いわゆる”ワイヤーベイト”と呼ばれるルアーを扱うには、どのようなリールを選べばいいのか?

とくに、「ギア比」については個々人の好みによるところも多く、コレといった正解もありません。

そこで、当記事では筆者個人の意見による、「スピナーベイト(ワイヤーベイト)を扱うときのリールの選び方を紹介します。

【初心者向け】スピナーベイト用リールの選びかたの基本

リール選びの基本3つ

バス釣りではさまざまなリールが使われます。
スピナーベイトなどをはじめとするハードルアーには、おもに「ベイトリール」が用いられますが、リールにはさまざまな機種があるため迷ってしまいがち…。

そんなときは、以下の4つの基本を目安にリールをえらぶと良いでしょう。

スピナーベイト用リール選びのコツ3つ

1:適切な「ギア比」をえらぶ

2:ハンドル長が85~90mmのもの

3:リール自重はアングラー自身の体格や好み、ロッドをベースにする

1:適切な「ギア比」をえらぶ

ベイトリールをえらぶときに悩みの種となりがちな「ギア比」。
ギア比えらびには明確な正解がないということもあり、”ギア比選び難民”になってしまう人も少なくないはず…。

僕自身、スピナーベイト用リールのギア比には悩まされていましたが、現在では『ノーマルギア・ハイギア』のふたつに落ち着いています。

ローギアはよほどのこと(ディープクランクやマグナムクランクを1日中巻き続けるなど)がないと選びません。
  

ハイギアは「巻きとり感度」がアップするギア比

ベイトリールのギア比は、高くなるほど巻きとりスピードがあがります(ハンドル1回転で巻きとれるラインの量が多くなる)。

巻きとりスピードが速くなるということは、言いかえるなら「巻きとり抵抗が強くなる」ということでもあります。
巻きとり抵抗があがるほど巻き感度がアップするため、水中を泳ぐルアーのちょっとした変化を捉えることが可能となる…というワケです。

この現象は、一般的に「巻きとり感度」ともいわれており、巻物ルアーにあえてハイギア・超ハイギアをえらぶアングラーも少なくない。

スピナーベイトはクランクやバイブレーションのように振動が少ないため、巻き感度は大切にしたいポイントです。

●「スピナーベイト×ハイギア」のメリット:得られる情報量が多い

スピナーベイトは手元に伝わる振動(情報)が少ないルアーです。
しかし、ハイギアをえらぶことで得られる情報量がグンとあがります。

ノーマルギアからハイギア程度のリールであれば、スピナーベイトのブレードが水中で回転している振動がしっかりと手元に伝わってきます。

たいして、ローギアはルアーの巻き抵抗を感じられにくく、スピナーベイトのブレードに付着したゴミやウィード、水の流れなどをキャッチしにくい。

ノーマル〜ハイギアをスピナーベイト用リールとして使うことで、「釣り人が目で確認できない情報」を得られるというわけです。

スピナベにおけるローギアのメリット

(カルカッタコンクエスト100DC。ギア比が5.8というローギア)

「ローギアを使うと、巻き抵抗を感じにくくなる」と前述しました。ローギアにはいくつかのメリットもあります。

たとえば、ローギアはハンドル1回転で巻きとれるラインの量が少ないため、スピナーベイトをゆっくり一定に巻きたいとき(スローリトリーブ)には有効なギア比です。

たいして、ハイギア・超ハイギアでスピナーベイトを一定にスローリトリーブすると、なかなか難しい。
ハンドル半回転するだけでたくさんのラインを巻きとってしまうため、ハンドルを巻く手によほどの安定感がなければルアーアクションがブレてしまいやすいのです。

ローギアは、ルアーの軌道やアクションを損なうことなく一定のスピードを保ちやすいのがメリット。

ローギアのデメリット

リトリーブスピードの限界点が低い

ローギアにはデメリットがいくつかあります。
そのひとつにあげられるのが「リトリーブスピードの限界点が低い」というもの。

ローギアリールを使って高速巻きすると、すぐに限界が訪れます。
たいして、ハイギアリールは高速リトリーブをおこないやすく、スピードの上限も高い。

ローギアでは巻きとれる速度に限界がありますが、ハイギアなら高速リトリーブも容易いのです。

スピナーベイトを使って、どシャロー(~1m)を高速巻きやバジングなどで誘う…というようなアプローチをするなら、ローギアだとやや辛い。

●水中の変化をキャッチしにくい

ローギアは、スピナーベイトが水中にあるときに変化をキャッチしにくい、というのもデメリットとしてあげられます。

ローギアはハンドル1回転での巻き抵抗を感じられにくいギア比。
そのため、巻き感度は低いギア比なのです。

ローギアはリトリーブするときの疲労感を減らすには便利なギア比ですが、個人的には余程のことがないかぎり選ぶことはありません。

ここでいう”余程のこと”とは、ディープクランクやマグナムクランク、マグナムスピナーベイトやリップ付きビッグベイトなどを1日中投げ倒すようなときです。

アメリカ人や体格のいいアングラーならハイギアでディープクランクをゴリ巻きすることは可能でしょう。
僕は一般的な日本人のカラダなので、巻き抵抗の強いルアーをハイギアでゴリ巻きしまくるのは辛いです。

2:ハンドル長が85~90mmのもの

ベイトリールをえらぶときに「ハンドル長」は見逃すことのできないポイント。

ハンドル長は、前述した「巻きとり感度」にもかかわってくる部分なので、スピナベの釣りを楽しむならぜひ意識したいです。

ショートハンドル、ロングハンドルの違い

ハンドル長は、長くなるほどパワフルな巻きとりを行いやすくなり、その一方で”巻きとり感度”が弱くなる…という傾向があります。

たいして、ハンドルが短くなるほどスピーディな巻きとりが可能になり、巻きとり感度があがります。
しかし、ショートハンドルは巻き抵抗の強いルアー(ディープクランクやリップ付きビッグベイトなど)を使うと負荷が強くなり、手首への負担も増す…というデメリットも。

ショートハンドルとロングハンドル、どちらにも一長一短あるため、自分に合ったハンドル長をえらぶのが失敗しないコツです。

個人的には、スピナーベイト用タックルには85~90mmハンドルを合わせることがほとんどです。

85mmはスピナベだけでなく、テキサスリグやラバージグなどの撃ち物・ワームの釣りにも使いまわせるので便利ですね。
また、巻き抵抗もそれほど強くなく、かといってNO感じになりにくい…という絶妙なハンドル長。

90mmは、ほぼ巻物ルアー専用ハンドルとして使っています。

補足:ハンドルを変えると「巻きとり感度・フィーリング」が変わる

「ハイギアのリールが良いって聞いたから買ってみたけど、なんだか巻きとり抵抗が強くてストレス…」

上記のような悩みがあるときは、ハンドル長を変えてフィーリングを調整するといいでしょう。

たとえば、ダイワ「20タトゥーラSV TW」には85mmハンドルが標準装備されていますが、これを90mmに変えるだけでリトリーブの負荷を弱めることができます。

一方、「85mmのノーマルギアを買ったけど、もう少しワーミング寄りのタックルにしたいから巻きとりスピードを速くしたい」なんていうときは、ハンドル長を85mmから80mmにショート化すると◎

このように、ハンドル長を変えてあげるだけでも、タックルフィーリングを調整することが可能になるというワケです。

「ハンドル長による得られる効果の違い」については、以下の記事でもくわしく紹介しています。こちらも参考にしてみてください↓

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3:自重はアングラー自身の体格や好み、ロッドをベースにする

近年はさまざまなベイトリールが発売されていますが、PR時の売り文句として「軽さ」をあげるメーカーも少なくありません。

軽いものほどアングラーの身体への負担もやわらぎます。
しかし、個人的にはかならずしも「軽いもの=正義」だとは思っていません。

軽いリールは疲労感を軽減するのにとても便利。
しかし、スピナーベイトなどの巻物用タックルを組むときは、だいたい175~200gくらいのリールを選ぶことがほとんどです。

最近はアンダー150gの超軽量なリールも増えているものの、巻物用タックルとして使うにはやや軽すぎるかなと。

(ダイワ「17タトゥーラSV TW」。自重が200gとバランスが良いリール)

タックルセッティングにおけるリール自重の正解は、ロッドとアングラーの体格によって変わります。

たとえば、200g程度のベーシックな重さのベイトリールに、100g以下の超軽量なロッドを合わせるとアンバランス。
ロッド長によってはそのかぎりではないものの、「軽いロッドには軽いリールを合わせる」というのがタックルセッティングの基本とされています。

たいして、150g以下の軽量ベイトリールに、硬い・長い・重いロッドを合わせると、やはりアンバランス。
硬い・長い・重いロッドを気持ちよく曲げてキャストするには、リールにもそれ相応の重さがもとめられます。

このように、ベイトリールの自重の正解は、あわせるロッドとアングラーの体格によって変わってくるのです。

軽いロッドには「軽いリール」をセットする

(ゾディアス×メタニウムDC)

最近の軽くてシャープな日本製ロッドに合わせるなら、ベイトリールはそこそこ軽いほうがマッチしやすい印象です。

軽いロッドは振り抜けがいいため、鋭く振ったほうがキャストを決めやすい。
そのため、軽いリールを合わせたほうがキャスタビリティがあがるような気がします。

ただ、軽すぎるリールを載せると、今度はテイクバックするときにロッドブランクスを曲げにくくなるため、個人的にリール自重の下限は175gまでかなと。

重いロッドには「やや重いリール」をセットする

(ルーミス×17タトゥーラ)

旧ロードランナーやルーミス、やや重めのオールドロッドなどをはじめとする「重いロッド」スピナーベイティングを楽しむなら、個人的にはやや重いリール(200g前後)を合わせるのが好きです。

上記のようなロッドに軽いリールをあわせると、リールの部分がてこの役割をしにくくなり、ロッドを曲げにくくなる。

一方、やや重いリールをセットすると、ロッドをテイクバックしたときにリール部分がてこの役割になってくれるため、ロッドブランクスを曲げやすくなるのです。

以下の記事にて、タックルバランスについて紹介しています。こちらもお役立てください↓

【バス釣り】スピナーベイト用リール選び、3つのコツ。ハンドル長・ギア比・自重バランスについて|まとめ

バス釣りにおける「スピナーベイト用リールえらびのコツ3つ」を紹介しました。

当記事をまとめると、以下のとおりです。

スピナーベイト用リール選びのコツ3つ

1:適切な「ギア比」をえらぶ
→巻き感度・スピード重視なら「ハイギア」
→スローリトリーブの安定感、手首の低負荷をもとめるなら「ローギア」

2:ハンドル長が85~90mmのもの
→汎用性をもとめるなら85mm
→パワフルな巻きとりをするなら90mm

3:リール自重はアングラー自身の体格や好み、ロッドをベースにする
→軽いロッドには「軽いリール」
→重いロッドには「やや重いリール」
→中間的な重さのロッドには「中間的な重さのリール」

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