春のスポーニングシーズンにはジャークベイトを使うのがセオリーですが、ミノーのジャーキングは昨今のバサーにはあまり馴染みがない釣りかもしれません。
冬から春先にかけてはメディアでも取り扱われることもあるけれど、それ以外のシーズンではあまり見かけないメソッドでもあるため、用途を限定しがち。
が、ジャーキングはオールシーズン釣れるテクニック!
今回は「ミノーのジャーキング は興味あるけど、やったことないんだよね」という人のために、あるいは僕個人としての復習も兼ねて、(おこがましくも)僕なりのジャークベイトの使い方を書いてみようと思います。
もくじ
春のジャークベイトの使い方と選び方。ミノーのジャーキングのやり方について
ミノーを使った「ジャーキング」とは
一般的に、ミノーを使ってロッドをパンパンと弾いてアクションさせる釣り方を「ジャーキング」と呼びます。
ロッドワークでミノーを煽ると水中でダートし、リアクションバイトを誘えるテクニックとして有名。
春先のバスはまだ体調が完全に回復しきっていないことが多く、そういったルアーに追いきれないバスを、ミノーのジャーキングによって「静と動」の緩急をつけてアプローチしていく…という意識で使うのが基本です。
ミノーのジャーキングは、食性を狙った釣りだけでなく、リアクションや競争心を煽るような使い方もできるので、実はオールシーズン対応のテクニックなのです。
春先の神経質なバスは「リアクション」で狙う
ジャーキングは途中でストップをかけて停止させることができるため、スピナーベイトやクランクベイトなど巻物のルアーを追いきれないバスにも口を使わせることができます。
また、春のスポーニングに向けてナーバス(神経質)になっているバスに対しても、「威嚇や反射・テリトリー争い」といったトリガーを引き出せるのもミノーのジャーキングの魅力。
僕個人としては、春先のミノーのジャーキングは、
・スポーニングで神経質になったバス。
・ベッドに入る前(または事後)の、ボーッと浮いているメスバス。
こういった魚に対して効果的なアプローチであると思っています。
前述しましたが、ミノーのジャーキングは冬〜春だけでなく、春夏秋冬いついかなるときでも使えるテクニックなので、覚えておいて損はありません。
小規模な野池などでも、ミノーのジャーキングに食ってくる魚は多いですね。
「巻いてもライトリグでも食わない!」というときにジャーキングしてみると、今まで釣れなかった魚が獲れるようになる!…ハズ。
ジャーキングはタックルバランスを整えるのが大事
ミノーを使ったジャーキングはタックルバランスとロッドワークが肝。
・ロッドは短め。
・リールはハイギア。
・ジャーク時、手首は使わない。
・静と動のメリハリを大切に。
・ミノーのサイズも大事。
身長に合わない長いロッドを使ったりすると疲労を感じやすいので、タックルバランスはしっかりと選びたいところ。
ミノーのジャーキングを快適に長時間行うには、6フィート前後くらいの短いロッドを使うのがおすすめです。いわゆる「ショートロッド」というやつです。
「ロッドを水平にジャークすれば良いじゃん」と思われるかもしれませんが、そのスタイルは僕個人としてはあまりおすすめできません。その理由は後述にて。
ミノーのジャーキングやトップウォーターなどロッドワークを必要とされる釣りを快適に行うには、ロッドは短い方がやりやすいです。
ミドルデッキやハイデッキを使ったレンタルボートの釣りや、足場が高い位置でオカッパリをするような人は、6.6フィートくらいのロッドでも良いと思いますが、快適性はショートロッドには劣ります。
【関連記事】ジャークベイトに使いやすいショートロッドを紹介している記事はこちらからチェックできます↓
ジャーキングは手首を使わず、肘と右手を使う
ミノーのジャーキング というと「手首を使ってパンパンとジャーキング 」といったメージがあるかもしれないが、そのやり方で一日中やると手首が死ぬので注意。マジで注意。
イメージは、肘を軽く下ろして、下ろした反動でロッドが持ち上がる感覚。
↓こんな感じ。
ちなみに、アメリカのトーナメントで活躍している深江真一氏は、ジャーキングのやり方について以下のように語っています。
”「手首はほとんど使ってないよ。アメリカのトーナメントでは一日中ジャークすることもザラで、プラも含めてこの動作を一週間近く続けることもあるから、手首や腕に負担の掛かる釣りは無理。
肘を使って『ロッドを真下に落とすだけ』の感覚でやるといい」”<引用:Basser2020年2月号より>
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ジャーキングのやり方は人によって違うが、このやり方は疲労感が少ないのでおすすめです。
言葉で説明するのは難しいので、直接観てもらったほうがわかりやすいと思います↓
【関連動画】フカシンのキレッキレのジャーキング
このやり方を実践してからは手首が痛くなくなったので、リストが弱い人にもおすすめできる方法です。
しかし、僕はこのジャーキング方法だけだと肘にも痛みを感じるので、ハンドルを握る手も使う(右ハンドルの場合は右手)。
右手でハンドルノブを握りながら、右手の力も使ってロッドを振り下ろす。
以前、ミラクルジムこと村田基氏に直接ジャーキングを教わったことがあるが、こんなことを言っていました。
”「ジャーキング は右手だけでやること。(パーミングしている左手を開きながら)ほら、右手だけでジャーキング できるでしょ?」”
こう言いながらジャーキング動作を実演している村田氏の手元を見ると、左手はほとんど(というかほぼ全く)使っていませんでした。スゴイ。
このときまで僕は「ジャーキングはロッドを支えている方の手で行う」というのがジャーキングのロッドワークに対するイメージだったので、かなり衝撃的な光景でした。
■深江真一氏の「肘を使うイメージで、ロッドを軽く振り下ろす」
■村田基氏の「右手でジャーキング する」
この2つをミックスさせると、疲労も感じずにスムーズにミノーのジャーキングを続けることができます。
よく日本のバスプロ達がやっているような「片手でパンパン!とジャーキング 」みたいなやつをやると、リストと握力が弱い人は簡単に手首が死ぬので注意!
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【関連記事】
ジャークベイトのアクションは、緩急が命
春にミノーを使ったジャーキング の釣りで大切なのが「ストップをつける」ということ。
春はまだ魚が体力を完全に回復しきっていない個体が多いので、ジャーク後には必ずストップをさせるように心がけ、魚を引きつける猶予となる時間を与えてあげるのがコツだと僕は思っています。
ミノーのジャーキングは、必ずしもストップ必須ではないものの、多くのバイトは静と動の変化が起きたときに出るような印象です。
●ジャーキングの基本アクション
ジャーキングの基本的なアクションは、以下のようなものです。
・2ジャーク1ストップ→1ジャーク1ストップ
・2ジャーク1ストップ→以下ループ
ジャーキングで行うアクションは、ほとんどこの2種類くらいのみです。
人にもよりますし、状況にもよりますが、だいたいは上記のパターンで問題ないカンジ。
ジャーキングパターンの動画を撮ってみたので、わからない人は参考にしてみてください↓
動画の後半にあるような6連続ジャークしたときに食ってきたり、ストップさせずにアホみたいに連続ジャークしまくると食ってくることもあるので、臨機応変に(個人の好みに応じて)アクションをつけてみるのが面白いです。
ちなみに、ジャーキングの名手と言われているヒロ内藤氏は、↓こんな感じでミノーのジャーキング を行なっています。
【関連動画】ストライク(バイト)を引き出す、多彩なジャーキングテクニック
ジャーキングのアクションに決まりはないが、ミノーのジャーキングを使った春のバス釣りでキモになるのは、ストップをつけてあげること。
ジャークベイトで釣ったことがない人は、まずはこれだけ徹底してみるとわかりやすいかと思います。
ロッドワークを使った呼び方には「トゥイッチ、ジャーク、リッピング」など色々ある。
各名称はルアーが水中で動く距離によって変わる。
短距離ならトゥイッチ、中距離ならジャーキング 、大きく動くならリッピング…といった感じ。
その日のバスのコンディションによって、移動距離が30cmの方が反応しやすいのか、50cmくらいの方が反応しやすいのか違いがあるので、ミノーの移動距離は色々試してみるのが良い。
まとめ:春はジャークベイトの季節なので、ジャーキングは必須テクニックになります
ジャーキングの基本、やり方について紹介してみました。
ジャーキングは肉体疲労が高い釣りでもあるので、できれば適切なタックルを使うことをおすすめします。
以下の記事にジャークベイトにおすすめのロッドをまとめておいたので、よかったらこちらもチェックしてみてください↓
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