「ヘビーパワーのロッドを使ったカバー撃ち」というスタイルは、どんなフィールドでも必ず持っていくべきアイデアのひとつ。
しかし、近年ではパワーフィネスやベイトフィネスなどでカバー撃ちをおこなうアングラーが増えた。
とくに、ハイプレッシャーな釣り場においては、パワーフィネスでシェイキングをするアングラーを多く見かける。
昨今、ヘビーロッドとテキサスリグを使ったカバー撃ちは衰退しつつあるといえるだろう。
ただ、個人的には「やっぱり重要だよね。むしろ逆にニッチな釣りとして良いよね」…というお話。
「フロロカーボン20ポンド×ヘビーロッド×テキサスリグ」
少なくとも、不必要になることは絶対にない
「フロロカーボン20ポンド×ヘビーロッド×10g以上のシンカーを使ったテキサスリグ」でのカバー撃ちは、いまではニッチ系な釣りになりつつあると思う。
カバーが濃ければ上記のセッティングをとるアングラーはいるけれど、だったらカバーフィネス入れたほうが効率的じゃね?と考えるアングラーは少なくないだろう。
関東のフィールドでほかのアングラーを見ていると、多くの場合はパワーフィネスやベイトフィネス、ノーシンカーなどをはじめとする技巧的な釣りをおこなっているようだ。
数年前にくらべ、フリッピング・ピッチング用ロッドを使ってテキサスリグを放り込むアングラーの数は減少傾向にあるといえる。
カバーフィネスの釣りよりもバイト数そのものは少ないと思うし、目の前にサカナがいると確信を持てているなら、カバーフィネスのほうが食わせ能力に長けているとも感じる。
一方、14gシンカーを使ったテキサスリグは、とくに食わせ能力に長けているわけでもない。
あえてヘビーテキサスを使ってバスを釣ろうと考えるのは、みずから釣りの難易度をあげているともいえるかもしれない。
ヘビーテキサスは、魚に触りたいアングラーにとってはもはや過去の産物になっているのかもしれない。
カバー撃ちタックルとしてはごく一般的ともいえる「フロロカーボン20ポンド×ヘビーロッド×テキサスリグ」を使った釣りをするアングラーは減りつつある。
このタックルでカバーの奥の奥まで撃ち込むアングラーも減った。
ということは、だ。”ニッチ”な釣りとして手札に残すべきなのではないか。少なくとも、不必要になることは絶対にない。
「時代遅れ」は、新世代にとっての『新しい』になる
パワーフィネスでは何度も撃ち込まれているけど、14gのテキサスリグを見かけたことのあるバスは少ない。
カッコよくいえばオールドスクール。辛辣にいうなら時代遅れ。
「フロロカーボン20ポンド×ヘビーロッド×テキサスリグ」でのカバー撃ちは、いわゆる隙間産業というやつだろう。
コレが面白いのだ。
シンカーが重すぎて食わない、ワームは4インチ以下じゃないと食わない…ということはないと学ぶことができるし、意外と食うじゃん!と楽しむこともできる。
場所とタイミング、レンジなどの要素が合っていれば、シンカーが重くても食うし、ワームが大きくても食う。これがバスフィッシングの面白いところでもあり、また難しいところだ。
どれだけ古風で時代遅れなスタイルであっても、新世代のサカナたちにとっては目新しいものとなる。
というか、パワーフィネスやれば誰でも簡単にサカナが釣れるわけではない。僕の釣果がそれを証明している。
僕はカバー系フィネスの釣りをおこなうこともあるが、はっきりいってムズカシイ…。
バスの目の前に落とさなければ食わないし、バスを探している段階では1キャストあたりの時間がかかりすぎてしまうため、メンタル的にも投入しにくさを感じるからだ。
カバーフィネスは、確信のある場所でないと投げる気にならない。
パワーフィネスで魚を釣ることができるアングラーは巧い人たちだ。僕にはできない。いまのところは。
そのため、シンプルでわかりやすいテキサスリグに頼りがちになる。フィネスも勉強しなきゃなぁ。
いずれにしろ、テキサスリグという超シンプルな釣りスタイルは、100%不要になることはない。
そろそろ原点回帰が起こる
そういえば、近年の若者たちのなかでは昭和歌謡などが流行っているらしい。
僕たちにとっての懐かしさや時代遅れだと感じるものごとは、若い人たちにとっては新鮮で”新しいモノ”に映る。それはバスにとっても変わらないことなのではないか。
そろそろ原点回帰が起こるだろう。
フィネス系の釣りは終焉を迎え、一周回ってオールドスクールな釣りが主流になるかもしれない。
今の主流・ブームは、1年後には”古いモノ”。
若手アングラーのフィネス系の釣りに飽きたアングラーにとって、王道・オールドスクールな釣りは「新しいもの」だといえる。