バス釣りに使われるルアーはさまざま。
なかでもバイブレーションプラグは、オカッパリのバス釣りにおいて人気があるジャンルです。
しかし、ただ巻きするだけというシンプルなルアーということもあり、「具体的な使いどころがイマイチわからない…」と感じているアングラーは少なくないはず…。
そこで今回は、『バス釣りにおけるバイブレーションの基礎知識・タックルセッティング』を紹介します。
もくじ
- 1 バス釣りの「バイブレーションプラグ」とは?基礎知識
- 2 バイブレーションプラグのおもな特徴
- 3 バイブレーションプラグのアピール力ってどのくらい?
- 4 ●ボディサイズ・ラトル有無の使いわけ
- 5 バイブレーションプラグのメリット・デメリット
- 6 バイブレーションのメリット
- 7 バイブレーションのデメリット
- 8 バイブレーションプラグが活躍する時期・シチュエーション
- 9 低水温期・冬のバイブレーションは鉄板パターン
- 10 バイブレーションの根がかりを激減させるコツ
- 11 バス釣りにおける「バイブレーションプラグ」の使い方
- 12 ただ巻き
- 13 補足:バイブレーションプラグの巻きとり速度は?
- 14 カウントダウン法
- 15 リフト&フォール
- 16 トゥイッチ・ジャーク
- 17 キル(停止)
- 18 バイブレーションプラグ用のタックルセッティング
- 19 バイブレーション用の「ロッド」えらびのコツ
- 20 バイブレーションの大きさ別、ロッドパワーの選びかた
- 21 バイブレーションに合うライン(太さ・素材)
- 22 ナイロンとフロロ、どちらがいいか
- 23 バス釣りにおける「バイブレーションプラグ」の基礎知識と使い方&タックルセッティング|まとめ
バス釣りの「バイブレーションプラグ」とは?基礎知識
この項目では、バス釣りにおけるバイブレーションプラグの基礎知識を紹介します。
バイブレーションプラグのおもな特徴
バイブレーションプラグ。略称:バイブレーション、バイブレ、バイ○。
クランクベイトやミノーのようにリップはついておらず、だ円形状というシンプルな作り。
ヘッドの平な面で水の抵抗をうける作りになっていて、巻いてくるとプルプルプル…と振動(バイブレーション)しながら泳ぐルアーです。
アメリカでは「リップレスクランクベイト、ラトルトラップ」とも呼ばれ、ポピュラーなルアーとされています。
バイブレーションプラグのアピール力ってどのくらい?
ルアーを検討するときに気になるのは「アピール力の高さ(強さ)」です。
バイブレーションプラグにはさまざまなタイプがあるものの、一般的にバイブレーションプラグのアピール力はそれほど高くない(強くない)とされています。
イメージ的には、以下のようなカンジです。
アピール力はボディサイズやラトルの有無などによっても変わります。
が、おおむねアピール力はそれほど高くはないといわれています。
バイブレーションは低水温期・冬に有効とされていますが、そのワケは「控えめなアピール力とサイズ感」が起因しているといえるでしょう。
●ボディサイズ・ラトル有無の使いわけ
「アピール力を控えたい・水がクリアーだ」なんていうときは、コンパクトサイズのものやノンラトルのものを選びましょう。
逆に、「広いウィードエリアやシャローフラットで、遠くにいるバスに気づかせたい!」というときは、おおきいボディのものやラトルインのものを選びます。
バイブレーションプラグのメリット・デメリット
バイブレーションプラグには、メリット・デメリットがあります。
バス釣りにおけるバイブレーションプラグのメリット・デメリットは、以下のとおり。
【メリット】
●遠投性能が高い
●釣りのテンポが速い
●レンジ(水深)コントロールが簡単
●タフな状況でも活躍しやすい(アピール力がそれほど強くない)
●リアクション・反射バイトを誘える
【デメリット】
●カバーに弱い
●ピンポイントの釣りはやや苦手
バイブレーションのメリット
バイブレーションプラグの魅力は、なんといっても遠投性能の高さです。
クランクベイトやミノーのようにリップが付いていないため、空気を裂きながらカッ飛んでいくのがメリット。
バス釣りのおかっぱりでは遠投性をもとめられることもあります。
そういったシーンでは、クランクベイトよりもバイブレーションのほうが活躍しやすいです。
バイブレーションのデメリット
バイブレーションのデメリットは、「障害物に弱い」という部分でしょうか。
フロントフックが剥き出しのため、カバーに当たってしまうと根がかりが多いのがネック…。
クランクベイトにはリップがあり、またスピナーベイトはアームが根がかりを予防してくれますが、バイブレーションはヘッド部分しか根がかりを避ける手段がないため、カバーに弱いのがデメリットだといえます。
バイブレーションプラグが活躍する時期・シチュエーション
バイブレーションは、通年をとおして活躍するルアーです。
具体的なシチュエーションとしては、以下のような感じ。
●広大なエリア(シャローフラット、ウィードエリアなど)をスピーディに探る
●遠投して沖のブレイクを探る
●野池の対岸までカッ飛ばしてサーチする
●低水温期・冬に、リフト&フォールの「リアクションの釣り」で使う
上記はあくまで一例ではあるものの、基本的には「多彩・マルチ・オールレンジ」なルアーだといえます。
低水温期・冬のバイブレーションは鉄板パターン
とくに「低水温期(冬)」においては、バイブレーションがもっとも活躍しやすいシーズンです。
冬は水がクリアアップするためルアーで騙しにくくなり、クランクベイトやスピナーベイトなどの強いルアーではアピール過多になりがち。
しかし、バイブレーションはそれほどアピール力は強くなく、それでいて(ものによっては)コンパクト。
さらに、ボトム付近で「リフト&フォール」のリアクション的な使いかたもできるため、晩秋〜早春にかけてはバイブレーションがもっとも効力を発揮しやすいです。
イメージ的にはシャッドプラグの大型版…といった感じでしょうか。さらに、さまざまな水深で使えてしまう。
バス釣りにおいてのバイブレーションプラグは、厳寒期でも多用されるルアーのひとつです。
【関連記事】
「低水温期にバイブレーションが使われる理由」はこちらで読むことができます↓
バイブレーションの根がかりを激減させるコツ
バイブレーションプラグは、ヘッド上部が根がかりをガードする役目を果たします。
しかし、基本的には根がかり回避力はそれほど高くありません。
ボトムにたくさん木々などが沈んでいる野池においては、ボトムで使いにくいルアーです。
しかし、フロントフック(前)をダブルフックに交換してあげることで、根がかりのリスクは激減します。
ただその分、フッキング率がさがってしまうため、TPOに合わせてフックを変えていきたいところです。
バス釣りにおける「バイブレーションプラグ」の使い方
この項目では、バス釣りにおけるバイブレーションプラグの使いかたを紹介します。
バイブレーションの使いかたは、以下のとおりです。
●ただ巻き
●カウントダウン法
●リフト&フォール
●トゥイッチ・ジャーク
●キル(停止)
ただ巻き
「ただ巻き」はバス釣りのバイブレーションの使いかたのうち、もっともスタンダードなテクニック。
バイブレーションプラグは、投げて巻くだけでしっかり泳いでくれるルアーです。
手返しのいいルアーなので、広く探ったりするときに使われることが多いテクニックですね。
タダ巻きでも釣れるアクションを生みだしてくれるため、バス釣りビギナーにもピッタリなルアーです。
「テクニックがたくさんありすぎて、どれを使えばいいのかわからない!」という初心者さんは、まずは『ただ巻き』だけでOKです。
補足:バイブレーションプラグの巻きとり速度は?
バイブレーションプラグを使うときに気になるのは「巻きとりスピード」。
コレといった決まりのスピードがあるわけではありませんが、『ルアーがもっともポテンシャルを発揮するスピード』というものは存在します。
ただ、ルアーがもっともポテンシャルを発揮するスピードは、ルアーデザイナーの意図や開発コンセプトによって違うため、なかなかコレ!というものがありません(^ ^;)
巻きとりスピードのわかりやすい目安として参考になるのは、
●ルアープロモーション動画
●プロアングラーがどんな巻きとりスピードで使っているのかをチェックする
というものです。
たくさん使い込んでみて、自分のなかに基準を設けるのもいいでしょう。
たとえば、「これくらいの巻きスピードが、自分にとっては中くらい!」といった具合に。
カウントダウン法
「ただ巻き」と同時に習得したいテクニックのひとつに、『カウントダウン法』があります。
やり方はとってもカンタン。着水させてから「1秒…2…3…4…」と頭のなかでカウントするだけです。
カウントをするおもな理由は、「狙った水深にルアーをおくる」というもの。
たとえば、以下のようにカウントダウン法を使います。
着水してからすぐに巻きはじめても(表層・トップ)アタリがない。カウントゼロ秒
↓
少し沈めて中層を巻こう。カウント4秒くらい(水深2mくらい)まで落とそう
↓
ボトムから少し上まで落とそう。カウント6秒でボトムに着いたから、5秒くらいカウントしたら巻きはじめよう
…といった感じでカウントダウン法を使っていきます。
「ルアーのカウントダウン」はシーバスやエギングなどでも使えるので、覚えておいて損はありません。
リフト&フォール
バスの活性が低く、ボトムでじ〜っとしているようなときは「リフト&フォール」を使います。
まずはバイブレーションをボトムまで沈め、ロッド操作でリフト(上げる)させます。
リフト後はラインをフリー(完全にゆるませ)てあげ、まだボトムに落とします。この繰りかえしです。
リフト&フォールを使うことで、活性が低いバスにたいして反射食い(リアクションバイト)をさせるようなイメージですね。
晩秋から初春くらいまでのタフシーズンにおいて、バイブレーションプラグの「リフト&ポーズ」はポピュラーなテクニックとされています。
トゥイッチ・ジャーク
ただ巻きをしているときに、「トゥイッチ・ジャーク」を入れてあげるのもアリです。
バイブレーションプラグにはラトルが入っているタイプもあります。
ラトルとは、ルアーボディのなかに入っているボールパーツのこと。発音パーツですね。
ラトル入りバイブレーションの場合は、巻いてくるときにロッドワークでトゥイッチやジャークなどを使い、「ジャラジャラジャラ〜ジャッ!ジャッ!ジャラジャラジャラ〜」と音に変化をつけさせることができます。
近年はラトル音にもスレてきています。
そのため、トゥイッチなどを使い、スレたバスへのスパイス的なアプローチに使うと効果的。
キル(停止)
ある程度バスが潜んでいそうなピンポイントがわかってきたら、「キル(急停止)」も有効です。
巻いてくる途中にいきなり急落下させて、リアクションで誘うようなイメージです。
最近のバイブレーションは、フォール中にもアピールしてくれる「シミーフォール」対応のものあります。
補足:「シミー」ってなに?
「シミー」という単語は、もともとはダンス用語です。
シミー(Shimmy)とは、ダンスの一種。
体自体は動かさず、肩のみを前後に動かす。右肩が前に出たときは、左肩が後ろに来る。
ひじは体につけた状態に近く、ひじから先は体から離れている。肩が動いているとき、手の位置は固定する。1920年代、アメリカではフラッパーといわれるダンサー達がジャズの音楽にあわせてこのダンスをすることが流行った。
(引用:wikipedia「シミー」より)
「シミー」という単語はダンスだけでなく、釣りや格ゲーなどにも使われます。
シミーフォール対応のバイブレーションプラグは、フォールさせるとフラフラ〜っと動き、バスにアピールします。
最近でいうなら、ダイワ「T.Dバイブレーション」やイッセイ「ザリバイブ」などがシミーフォールに対応しています。
バイブレーションプラグ用のタックルセッティング
この項目では、バイブレーションプラグを快適に扱うためのタックルセッティングを紹介します。
「バス釣りでバイブレーションを使いたいけど、どんなタックルを選べばいいのかわからない」という人のお役に立つとうれしいです。
バイブレーション用の「ロッド」えらびのコツ
バイブレーションプラグには「3本針(トレブルフック)」がついています。
そのため、張りがありすぎるロッドを使うとアタリを弾いてしまいやすく、バラシも多くなりやすいです。
バイブレーションを使うときは、できるだけ「しなやか・柔軟・ノリが良い」という要素がふくまれているロッドを選ぶといいでしょう。
(しなやかなでモチモチなロッド:ノリーズ「ロードランナーLTT))
たとえば、低弾性・中弾性といわれるものや、すこし強めのグラスコンポジットロッドなどがマッチしやすいですね。
もちろん、一般的なミディアムバーサタイルタックルでもOKです。
いずれにせよ、高感度のキンキンな硬いロッドは避けるのがベターだといえます。
バイブレーションの大きさ別、ロッドパワーの選びかた
バイブレーションにはさまざまな大きさや重さがあります。
そのため、適切なロッドパワーを選ばなければバラシなどのトラブルもうまれやすいので注意しましょう。
バイブレーションプラグの重さを目安にしたロッド選びは、以下のイメージです。
3/8oz(10g)以下:ML(ミディアムライト)
3/8~1/2oz(10~14g):ML~M(ミディアム)
1/2~5/8oz(14~18g):M~MH(ミディアムヘビー)
オカッパリでなんでも投げられるベイトロッドをお探しの場合、もっとも無難なのはM(ミディアム)パワー。
メタルバイブレーションと合わせて使うなら、ML(ミディアムライト)でもいいでしょう。
バイブレーションに合うライン(太さ・素材)
バイブレーションプラグに合うラインは、どんなものか。
ラインの素材・太さえらびについてはアングラー個人の好みやタックルバランスもあるため、一概にコレ!と断定することは難しいです。
しかし、ある程度の目安はあるので、僕の体験談をもとにしつつラインについて紹介していきます。
ナイロンとフロロ、どちらがいいか
ナイロンとフロロ、どちらが正解か。
正解はアングラーの数ほどあるといっても過言ではありません。
ここでは僕個人の考えかたを紹介します。
僕の場合、バイブレーションプラグをメインにタックル構築をするときは、以下のような要素をチェックします。
●高弾性・硬いロッドにはナイロンを合わせる
→クッション性を得るため
●低・中弾性にはフロロカーボン
→低弾性×ナイロン=ダルンダルンになっちゃうので使いません
→中弾性ならナイロン・フロロどちらでも可。気分によって変えたり、ほかにどんなルアーを使うかで考えます。
ワームも使うならフロロ。
●遠投性をもとめるならナイロン
●巻モノ専用タックルを組むならナイロン
個人的にはナイロンラインの比率がやや高めですね(^ ^;)
おかっぱりバーサタイルで釣りをするなら、ほぼフロロです。
しかし、レンタルボートで巻きモノ専用タックルを組むなら、ナイロンを選ぶことが多いです。
バス釣りにおける「バイブレーションプラグ」の基礎知識と使い方&タックルセッティング|まとめ
バス釣りにおける「バイブレーション」の基礎知識と使いかた、タックルセッティングについて紹介しました。
バイブレーションは年中使えるマルチなルアー。
自分の武器にすることができれば、釣れる魚はグンとアップするはず…!
↓人気のオカッパリバッグをまとめた記事はこちらで読むことができます↓