【インプレ】ディスタイル「Dスパイカー」。日本のスピナベ市場の”隙間”を生める画期的なスピナーベイト? / 日本のスレバスのために作りました系

日本のフィッシングシーンにおいて、「スピナーベイト」というルアーはすでに開発され尽くしている。

新たなタイプのワイヤーベイトは入り込む余地がないのでは…というのが個人的な本音。

そんな僕のキモチを裏切るかのように発売された、ディスタイル「D-スパイカー」

実際に数年かけて使ってみたところ、はっきり言ってよく釣れる。お気に入りだ。

ジャパニーズ・スピナーベイトに新たな息吹を吹き込むルアーっぽい!…ということでインプレしてみる。

DSTYLE「D-SPIKER (ディースパイカー)」

可動式アーム&微波動系ニュースタイル「D-スパイカー」

ディスタイル「D-SPIKER (ディースパイカー)」は、現在アメリカのトーナメントで活躍中の青木大介氏が監修したスピナーベイト。

アッパーアームに特殊な加工が施されているのが最大の特徴だ。

可動式のアッパーアーム搭載。常にアピールしつづける「攻め」のスピナベ

ご覧のように、アッパーアームがくの字形に折れ曲がる作りになっている。

可動式にすることでフォール中にもブレードが回転し、サスペンドしたバスもしっかり誘う…というのが開発コンセプト。

以下、ディスタイル公式より「ディースパイカー」の開発コンセプトの引用↓

可動式アッパーアームを採用することで、キャスト時の飛行姿勢も安定し圧倒的飛距離を生みハイプレッシャー時の大きなアドバンテージを得られるだけでなく、リトリーブからフォールまでいかなる状態でもブレードが回り続けるダブルウィローブレードを実現した。

ブレードが常に回り続ける事で、ただ巻くだけでなくアングラー側からリアクションバイトを誘発させることも仕掛け易くなる今までにないタイプのスピナーベイトに仕上がった。

(引用:ディスタイル公式「D-SPIKER (ディースパイカー)」より

●青木流、フォールバイト狙うなら「シングルコロラドでいいじゃん」への回答

(画像:Amazon

スピナーベイトを使ってフォールで誘いたい場合、シングルコロラドを用いればフォール中にも誘うことができる。

そのため、この要素は”超画期的!ディースパイカーだからこそ!”とも言いづらい。

しかし、シングルコロラドブレードはいかんせんアピール力が強く、日本のフィールドにおいては出番が少ないというジレンマが生まれやすいのもまた事実だ。

ハイプレッシャーな状況ではウィローリーフを搭載したスピナベが選ばれやすい。

ウィローリーフを使うことでアピール力を抑えることができるため、過度なルアーアピールを嫌うスレたバスに効果的とされているからだ。

ディスタイル「ディースパイカー」にはダブルウィローリーフが搭載されている。フォールだけでなく通常リトリーブにおいても日本のフィールドで使いやすい作りである。

「可動式アーム(フォール中に誘える)+ダブルウィロー」という組み合わせは、ありそうでなかったニュージャンルだといえるだろう。

ディスタイル「ディースパイカー」を実際に使ってみたインプレッション

DSTYLE「ディースパイカー」を購入してから、はや数年。

さまざまなフィールドで使ってみたので、体験談を含めながらインプレしていく。

「スレバス用に作りました」系の微波動スピナーベイト 

ディースパイカーにはやや薄めのブレードが搭載されている。

実際に巻いてくると”プルプルプル…”と弱い波動を生みだし、ハイギアリールであっても巻き抵抗はスムーズだ。

アピール力はそれほど強くない。スピナーベイトの部類では弱いタイプに属する印象である。

それもそのはず、監修者の青木大介氏は、ハイプレッシャーが前提となるトーナメントシーンで使うことを想定して作っている。

特定の条件下では圧倒的な強さを生むスピナーベイトだがその分スレやすいなどのデメリットも有りトーナメントシーンでは使い切ることの難しいルアーの一つであった。

この D-Spiker は極薄のブレードとその形状により、適度な波動と十分なフラッシングを実現しトーナメントでも投げ切れるスピナーベイトに仕上げられている。

(引用:ディスタイル公式「D-SPIKER (ディースパイカー)」より

そういえば昔、某ルアーメーカーのワームパッケージに「日本のスレバスのために作りました」と書かれていた。

ディースパイカーはまさに「日本のスレバスのためのスピナーベイト」だと感じさせる。

関東のリザーバーでもよく釣れるのがありがたい…。

たとえば、千葉県の房総ダム、神奈川県の相模湖・津久井湖などなど、ハイプレッシャーと呼ばれるフィールドでも使いやすい。

アピール力がやや抑え気味になっているので、アベレージサイズも食ってくる。数釣りにも使いやすいスピナーベイトだと思う。

チャターベイトとスピナーベイトの隙間を埋めるルアー

前述したが、ディスタイル「Dスパイカー」のアピール力はそれほど高くない。

開発コンセプト的には、チャターベイトとスピナベの隙間を縫うようなイメージ、とのこと。

ジャンルとしてはスピナーベイトだが、チャターベイトとスピナーベイトの中間的なルアーに仕上がっている。

(引用:ディスタイル公式「D-SPIKER (ディースパイカー)」より

チャターベイトだとアピール不足だけど、スピナーベイトだと強すぎる…なんていうどっち付かずなシーンで活躍してくれる。

パイロットルアーとしても使いやすいので、1日のスタートに投入することが多い。「とりあえずコレっしょ」といった具合で。

(画像:SHOTA Official Blogより)

感覚的には、ジグヘッドリグにブレードを搭載した「ブリトロリグ」のパワーアップ版…といったところだろうか。

あるいは、ジグスピナーがそのまま大きくなった…みたいな印象。

ピラピラと微波動で誘ってくれつつも、大きめのシルエットでバスに訴えかける。

●シルエットは大きく、波動は控えめ=クリアレイクでも使いやすい

(写真上から、O.S.P「ハイピッチャー5/8oz、ディースパイカー1/2oz)

同系統のスピナーベイトに、O.S.P「ハイピッチャー」や、ダイワ「スティーズスピナーベイト」などがある。シルエット自体はディースパイカーが一番大きい。

シルエットは大きい。けれどもアピール力は抑え気味。

こういったスタンスは、ある意味ビッグベイトに近いようなものがある。クリア〜ステイン水域でも使いやすいのがありがたい。

クリアウォーターからマッディウォーターまで幅広く使えるため、出番が多いルアーである。

可動式アームの耐久性について

可動式のアッパーアームは、フォール中にも誘ってくれるすぐれたアイデアだ。

しかし、気になるのはその耐久性

買ってから数年ほど経つが、今のところ破損するような気配はない。

アベレージを何本か抜きあげても簡単には壊れない作りになっているようだ。

立ち上がりにモタつきがあることも

可動式アームは画期的なアイデアだと思うが、やや微妙かなと思うこともあった。

たとえば、ショートディスタンスで細かくキャストを刻むようなシーンでは、立ち上がりの悪さが気になることもある。

着底後に素早くリトリーブするようなとき、可動式アームが定位置に戻るまでにモタつきを感じる。

ワイヤーとフックが絡むことはないのだが、立ち上がりが一瞬モタつくような印象がある。

近距離戦がメインになるシーンでは、個人的にはあまり使いたくない。

しかし、水深があるダム湖などではモタつきはほぼ気にならない。

あくまで「ボトムに着底させた後」の話なので、水深があるフィールドでシャロー〜ミドルレンジを巻いてくる使い方ならまったく問題ナシだ。

まとめ:【インプレ】ディスタイル「ディースパイカー」は、日本の環境にマッチした優秀なスピナーベイト

DSTYLE「D-SPIKER (ディースパイカー)」を数年使ってみたので、体験談を含めつつインプレしてみた。

弱めの波動&フォール中にもアピールする駆動式のアッパーアーム…という個性的な作りだが、昨今のスレっからしのフィールドでも使いやすいスピナーベイトだ。

クリアからマッディまで幅広く対応してくれるので、「とりあえず最初に出すルアー」としても使いやすい。

「ディースパイカー」は現役のトップトーナメンターが手がけたこともあって、トータルバランスにすぐれた優秀なスピナーベイトだと思う。

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