上記のようなフレーズを目にした人は多いかと思う。
バス釣り初心者の人は「バーサタイル」という言葉に馴染みがない人もいるのではないだろうか。
本記事では、オカッパリアングラーに需要が高いであろう「M(ミディアム)パワ-」を中心としたバーサタイルタックル」について解説!
おかっぱりバーサタイルの基礎知識、タックルの組み方について僕の体験談も含めつつ書いていく。
【関連記事】スピニング編はコチラから読むことができます↓
もくじ
- 1 【バス釣りのおかっぱり】バーサタイルタックルの組み方の基本・概要
- 2 おかっぱりの真髄。幅広いルアーを扱える「バーサタイル」
- 3 バーサタイルタックルは、おかっぱりアングラーの強い味方
- 4 バーサタイルのキーは「”出来る”を増やし、”出来ない”を減らす」
- 5 バーサタイルタックルは「硬め・強め」をベースに組む
- 6 M(ミディアム)パワーロッドをベースにしたタックル構成の一例
- 7 補足:ヘビーバーサタイルは「強め・硬め・ルアー重め」が基本
- 8 バーサタイルタックル用の「ロッド・リール・ライン」の選び方
- 9 バーサタイル用ロッドの選び方
- 10 バーサタイルロッドのパワー(アクション)
- 11 バーサタイルロッドの長さ
- 12 バーサタイルロッドのテーパー
- 13 バーサタイル用リールの選び方
- 14 バーサタイル用タックルに使うラインの選び方
- 15 バーサタイルタックルの組み方の基本(ロッド・リール・ラインの選び方)|まとめ
【バス釣りのおかっぱり】バーサタイルタックルの組み方の基本・概要
この項目では「おかっぱりで何でも投げられるベイトロッド・バーサタイルの基本・概要」を紹介していく。
おかっぱりの真髄。幅広いルアーを扱える「バーサタイル」
「何でも投げられる!」がウリである”バーサタイル”という言葉には、いくつかの意味が含まれている。
それはおもに『汎用性がある、応用が効く』といったニュアンスで使われることが多い。
たとえば、メーカー品などの解説文に『〇〇バーサタイル!』というような記述もよく見かけるし、売り手・買い手ともに便利なフレーズとして使われやすい。
「weblio 英和和英辞書」は、バーサタイルという言葉を以下のように説明している。
versatile(バーサタイル)
多才の,多芸な,多方面にわたる,何をやらせてもうまい,多目的に使用できる,何にでも利用できる
バーサタイルとは「いろいろ使えて便利!幅広い釣りができますよ!」という意味合いで使われる言葉だ。
しかし、近年ではスタイルが多様化してきており、一口にバーサタイルといっても『ヘビーバーサタイル・ライトバーサタイル・フィネスバーサタイル』など、様々な形態に発展している。
バス釣りのオカッパリでは7~20g程度のルアーを使うことが多いが、幅広いルアーをストレスなく扱える「バーサタイル」は、オカッパリ用タックル選定の真髄とも言える。
バーサタイルタックルは、おかっぱりアングラーの強い味方
バス釣りのオカッパリで人気なのは、M(ミディアム)系バーサタイル。
この構成だと、ルアー重量7~20g程度をストレスなく扱えるため、タックル1本で幅広い釣り方が可能になるのだ。
1本で様々なルアーを扱うことができる”バーサタイルタックル”は、オカッパリアングラーの心強い味方。
レンタルボートの釣りでは、クランクベイトならクランク用ロッド、カバー撃ちならワーミングロッド…というように使い分けることができるが、陸っぱりでは持ち歩ける本数に限りがあるため、バーサタイル性(汎用性)が高いタックルが重宝される。
バーサタイルのキーは「”出来る”を増やし、”出来ない”を減らす」
おかっぱりバーサタイル用タックル編成をする際のキーワードは、『”出来る”を増やし、”出来ない”を減らす構成を組む』というもの。
この要素が多いほど、理想的なバーサタイルタックル構成に近づける。
おかっぱりでは持ち歩けるタックル数に制限があるため、「大は小を兼ねる」という方向性で考えていくとわかりやすい。
バーサタイルタックルは「硬め・強め」をベースに組む
バス釣りのオカッパリは、足場が高いところからバスとやり取りしなければならなかったり、ボートのように自由に動き回ることが出来ない。
トラブルを防ぐという意味でも、タックル構成は「硬め・強め」を意識すると安心だ。
●”オカッパリのプリンス”が考えるバーサタイルタックル考
(画像:ボトムアップ)
オカッパリ用のタックルセッティングに関して、ダイワプロスタッフでありながらボトムアップ社の代表を務める川村光大郎氏は以下のように語っている。
【釣果を伸ばすために持ち歩くタックルは1セットが理想】
ロッドやラインの太さで迷ったら、硬め太めを選びます。
オカッパリでは「無理がきく」ことが大事。
魚がカバーに巻かれてもボートのようにこちらから迎えに行くことができないし、足場が高ければ抜き上げなければならない。
タックルは少し強めに組んでおいたほうが幅広いルアーに対応できる。
「タックルは硬め・強め」を選ぶのが基本だと川村氏は語る。
護岸、アシ撃ち、遠投、ダム、カバー撃ち…などなど、目まぐるしく変化する環境に柔軟に対応するために、バーサタイルタックルは「硬め・強め」をベースに組んでいくと失敗しにくい。
M(ミディアム)パワーロッドをベースにしたタックル構成の一例
たとえば、M(ミディアム)パワーロッドを主体としたバーサタイルタックルを組む場合、「スピナーベイトが出来てもクランクベイトが出来ない」では汎用性に欠けた構成だといえる。
Mパワーロッドをベースにバーサタイルタックルを組むなら、以下の条件を満たしたものが理想だ。
→1/4~5/8oz程度のワイヤーベイト、シングルフックルアー
●クランク、バイブレーション、トップ、ミノーなどのトレブルフックを搭載したルアーを使えること(ノリが良く、バラしにくい)
→1/4~3/4oz程度のハードルアー全般
●3.5~7g程度のシンカーを使ったテキサスリグ、ラバージグなどのワーミングが行えること
→ライトテキサスリグ、テキサスリグ、コンパクトよりのラバージグ、ネコリグなどのワーミング、ライトカバー撃ち
オカッパリで使用頻度が高いとされる10~20gのルアーをストレスなく扱えることが最低条件。
だいたい7~20gのハードルアーを問題なく扱えながらも、7~15g程度のワームリグ全般もこなせるのが理想。
●「投げられる」以外の要素も考慮する
先述した要素に加え、以下の条件が加わるとより良い。
●必要最低限の”感度”を有していること
●オカッパリの過酷な使用に耐えうる”タフネス”を兼ね備えていること
おかっぱりで使用頻度が高いルアーを快適に扱えるものであること。
さらに、バスを釣るまでのプロセスにおいて障害となる要素が少ないものであること。
この2点を考慮して選ぶのが、陸っぱりバーサタイルの基本である。
補足:ヘビーバーサタイルは「強め・硬め・ルアー重め」が基本
ヘビーバーサタイルになると、上記で挙げたルアーの平均重量が増える。
ヘビーバーサタイル用タックルの組み方と考え方は、以下の記事に書いたのでよかったらこちらも参考にしてみてほしい↓
【関連記事】
バーサタイルタックル用の「ロッド・リール・ライン」の選び方
「出来る」を多く、「出来ない」を少なく。これがバーサタイルタックルを組むときの基本的な考えとなる。
バーサタイル用タックルの基本がわかったところで、次に意識したいのは『ロッド・リール・ライン』の選び方だ。
ロッド・リール・ラインの三種のバランスがしっかり取れていれば、キャスト精度の低下やラインブレイクなどのトラブルも避けることができる。タックルバランスはしっかりと確認したい。
バーサタイル用ロッドの選び方
陸っぱりバーサタイルに使うロッド選びは、それほど難しくはない。
●使用頻度が高いルアーを扱えるパワー
●ルアーの操作性を妨げないテーパー
上記3点を意識すれば、オカッパリバーサタイルを楽しめるハズだ。
バーサタイルロッドのパワー(アクション)
おかっぱりバーサタイルロッドのパワーは、M(ミディアム)パワーが基本。
オカッパリで使用頻度の高い10~20g程度のルアーをストレスなく扱えるパワーを選べば問題ない。
Mパワーをベースに、より軽いルアーを扱いたいならML(ミディアムライト)を、もう少し重いルアーを扱いたいならMH(ミディアムヘビー)~H(ヘビー)…というように考えていくとスムーズだ。
バーサタイルロッドの長さ
バスロッドの長さは、個人の好みや体格、使用する環境などによってベストな選択が変わってくるため、断定することができない。
多くのメーカーは7フィート前後のロッドを「オカッパリバーサタイル」として発売しており、6.10フィートを選ぶ人が多い。
バスフィッシング情報誌・Basser(バサー)の調査によると、バスロッドの平均長は6.79フィートとのことで、年々長くなってきている。
[バスロッドの標準的な長さ]
2016年1月現在、国内の主要ロッドメーカー11社がウェブサイトに掲載しているラインナップを調べてみた。
対象をベイトキャスティングロッドに絞って、計215本をピックアップ。レングスの平均値を計算する。
出た答えは「6.79ft」であった。
バスロッド長選びは、「環境・体格・用途」を目安にするのが基本。
遠投を多用するフィールドでは6.10フィートを選び、取り回しを重視するなら6.3~6.6フィートを選ぶ…というように、適材適所で選んでいくと失敗しにくい。
個人的には、オカッパリバーサタイルなら6.6フィートが使いやすいと思っている。
6.6なら巻物やワームだけでなく、トップウォーターやジャークベイトといったロッド操作をメインとする釣りにも対応できるからだ。
バーサタイルロッドのテーパー
ロッドのテーパーも、個人の好みが反映される部分でもある。
一般的な考え方としては、以下のようなものだ。
●ワームを多用するなら、ファースト〜エキストラファースト
●ビッグベイト・大型プラグなら、レギュラー、スロー
レギュラーテーパーは、ハードルアーの使い心地がよくキャストしやすいが、ワーム操作がやや苦手。
エキストラファーストテーパーは、ワームの操作性や食い込みが良くソフトルアーを扱いやすいが、ハードルアー(特にトレブルフック系)はやや苦手。
バーサタイル用ロッドの場合、ハードルアーからソフトルアーまで幅広くことになるため、中間的なテーパーである「レギュラーファースト〜ファースト」程度が良いとされる。
僕の体験上においても、レギュラーだとピッチングしにくかったり、カバー撃ちしにくさを感じ、エキストラファーストだとハードルアーが投げにくい・巻きにくい…といった印象がある。
いずれにせよ、バーサタイル用ロッドのテーパーを選ぶ際は、「扱いにくいルアーが少ないテーパーを選ぶ」というのが基本である。
バーサタイル用リールの選び方
おかっぱりバーサタイル用タックルを組む際は、リールの性能にも注目したい。
載せるリールは、だいたい7~25g程度のルアーを問題なく飛ばせる汎用機(バーサタイル機)を選ぶのが基本だ。
たとえば、スペック的には以下のようなものになる。
●自重:160~200g程度
●ギア比:6:2~7:1程度
●ハンドル長:80~90mm
上記はあくまで一例で、リール選びは個人の好み・嗜好も関わってくるため断定することが難しい。
最低条件としては、
●バックラッシュなどのトラブルが少ない
●フロロ14ポンドが60m巻ける
こんな感じ。
ギア比やハンドル長、自重に関しては完全に好みだと思う。
僕の場合、バーサタイル用タックルを組むなら「自重が195g前後、スプール径32~34mm、ギア比は7:1(ハイギア)、ハンドル長は85mm」を選ぶ。
このバランスならどんなロッドに載せても違和感がなく、巻物から打ち物、ワーミングまで一通りこなせるからだ。
ちなみに、僕が個人的におすすめするバーサタイルリールを以下の記事にまとめてあるので、よかったらこちらも参考にしてみてほしい↓
【関連記事】
バーサタイル用タックルに使うラインの選び方
おかっぱりバーサタイル用タックルに組む「ライン」は、ちょいとシビア。
が、基本的には以下のラインで問題ない。
●バーサタイル用のラインの太さは「用途・環境」で選ぶ
基本的な考え方としては、
コレ。
ラインポンド数は「自分の釣りのベースをどこに設けるか」を目安に選ぶのがいいかと思う。
ちょい強めのベイトフィネスを使うなら、フロロ12ポンドが良いし、1/2ozのスピナベやチャター、クランクもしっかり使うならフロロ14ポンドが良い。
ナイロン14ポンドならワーミングや軽量ハードルアーが使いやすいが、テキサスリグやジグのカバー撃ちには心許ない。
ナイロン16ポンドだとハードルアーの使い心地が最高だが、ネコリグや3.5gスモラバやヘビダンなどのライトリグ・ワーミングの操作感が微妙になりがち。
バーサタイルタックルの組み方の基本(ロッド・リール・ラインの選び方)|まとめ
「おかっぱりで何でも投げられるベイトタックルを組むための基本(バーサタイルタックルの組み方)」について解説してみた。
バーサタイル用タックルはバランス感が難しいので、迷ったときはテンプレ装備である「Mパワー、6.6 or 6.10フィート、レギュラーファースト前後」を選ぶと失敗しにくい。
【関連記事】スピニング編はコチラから読むことができます↓