バス釣り用ベイトリールにはさまざまな種類があり、使い分けで悩んでしまう人もいるかと思う。
ベイトフィネス、バーサタイル、ヘビーバーサタイル、フィネス…などなど、いろいろ多すぎてどれを選べばいいのか迷ってしまいがち。
当記事では、「バス釣りにおけるベイトリールの使い分け」について書いていく。
もくじ
- 1 ベイトリールの使い分け|ベイトリールの種類3つ
- 2 1:「ベイトフィネスリール」の特徴と用途
- 3 ベイトフィネスリールのおもな用途・使えるルアー
- 4 ベイトフィネスの釣りをミドル・ヘビー級リールで行うデメリット
- 5 2:「バーサタイル系ベイトリール」の特徴と用途
- 6 バーサタイル系リールのおもな用途
- 7 3:「パワーゲーム特化型」の特徴と用途
- 8 パワーゲーム系リールのおもな用途
- 9 ストロングゲームで太いラインを使うのに向く
- 10 軽いルアーは不得意
- 11 ベイトリールの使い分け|「スプール径」の使い分けのコツ
- 12 ベイトリールの使いわけ|スプール径による用途の違い
- 13 「30~32mm径」のおもな用途
- 14 フィネス特化するなら「ベイトフィネスリール」が◎
- 15 「32~34mm径」のおもな用途
- 16 「とりあえず・迷ったらコレ」の32~34mm径
- 17 超マルチ!32mm径のバーサタイルリール
- 18 「36~38mm径」のおもな用途
- 19 補足:ベイトリールの自重(重さ)による使い分け
- 20 バス釣りにおけるベイトリールの使い分けのコツ|まとめ
ベイトリールの使い分け|ベイトリールの種類3つ
バス釣りでベイトリールを使い分けるには、それぞれの種類(ジャンル)のおおまかな方向性を知っておくとわかりやすい。
バス釣りで使われるベイトリールのおもな種類・ジャンルは、以下のとおり。
1:軽量ルアー特化型(ベイトフィネス)
→小口径スプールが搭載されたリール。ベイトフィネスなど。
2:汎用性が高い(バーサタイル)
→なんでも投げられるマルチなマシン。
巻モノ、打ち物、ビッグベイトまでイケる器用なリール。
3:重いルアー特化型
→パワーゲーム特化型。
「デカい・重い・強い」な釣りに扱うリール。
ボクシングで例えるとわかりやすいかもしれない。
ベイトリールには「ライト級、ミドル級、ヘビー級」といった感じで、それぞれのルアーウエイトに適した作りがラインナップされている。
1:「ベイトフィネスリール」の特徴と用途
ライト級ルアーを扱うのにピッタリなベイトリールは、「ベイトフィネスリール」と呼ばれる。
『フィネス』とは、おもに「技巧的・繊細な・技巧的な」という意味合いで使われる。
3~10g程度の軽量ルアーに特化された作りになっており、スピニングタックルで投げるようなライトクラスのルアーもキャストできるのが特徴だ。
ベイトフィネスリールのおもな用途・使えるルアー
軽量ルアー特化型リールは、おもに以下のようなルアーに使うことを想定して作られている。
●5g前後のワーム・リグを使った「ベイトフィネス」の釣り
●小型ハードルアー(スモールクランク、シャッドなど)
●10g以下のルアーを使った釣り全般
軽量ルアーに特化されたリールは、 ちいさいスプール(だいたい30~32mm径)が搭載されていて、スプールのレスポンス・立ちあがりが良いのもメリット。
ミドル級・ヘビー級のベイトリールでは軽すぎてキャストしにくいルアーも、ベイトフィネスリールなら楽に投げることができる。
ベイトフィネスの釣りをミドル・ヘビー級リールで行うデメリット
近・中距離にネコリグなどのフィネスリグをピッチングで決めていくには、ミドル級・ヘビー級だとやや扱いにくい。
スプールのレスポンスが悪いリールをピッチング系の釣りに使うと、ピッチングの距離が伸びなかったり、ピッチングの弾道が浮きあがりやすく着水音が大きくなりやすい…などのデメリットもうまれやすい。
近・中距離のポイントにネコリグやダウンショットなどのフィネスリグを使って効率よく撃っていく釣りには、ベイトフィネスリールが向く。
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「ベイトフィネスタックルの組み方のコツ」はこちらで読むことができます↓
2:「バーサタイル系ベイトリール」の特徴と用途
ライト級とヘビー級の中間的なポジションに位置するのが、ミドル級ベイトリール。
一般的には「バーサタイル系ベイトリール、汎用性のあるベイトリール」などと呼ばれ、おかっぱり・レンタルボートとわず何でも投げられるマルチなリールとして選ばれる。
バーサタイル系リールのおもな用途
バーサタイル機は、おもに以下のようなルアーに使うことを想定して作られている。
●7~56gくらいのルアー全般
●3/8~1ozくらいの巻モノ・ハードルアー
●5~28gシンカーを使ったテキサスリグ、ラバージグなどのワーミング
●中・大型ビッグベイトの釣り(大体2ozまで)
バス釣りのおかっぱりでは、だいたい10~30gくらいのルアーの使用頻度が高い。
オカッパリでベイトタックル1本で釣りを楽しみたいときは、バーサタイル系リール一択である。
また、ハードルアーだけでなく、テキサスリグやラバージグといった撃ち物系ワーミングも行える。
レンタルボートの釣りでは巻物用とワーム用タックルをわけて積むことが多いが、バーサタイル系リールはどんなロッドにも合わせやすい作りであるため、使い勝手◎
おかっぱり・レンタルボートアングラー問わずもっともよく売れ、もっとも使い勝手のいいベイトリールこそが「バーサタイル系リール」なのだ。
3:「パワーゲーム特化型」の特徴と用途
ボクシングでいうところの「ヘビー級」に位置する、パワーゲーム系ベイトリール。
1~2ozのビッグベイトや、2ozを超えるマグナムベイトを扱いやすい作りになっているのが特徴だ。
お世辞にもライト・ミドル級ルアーの扱いは褒められたものではないものの、重いルアーの扱いに関してはパワーゲーム機の右に出る者はいない。
「2oz以上のビッグベイト専用タックルを組みたい」というときは、パワーゲーム系リール一択である。
パワーゲーム系リールのおもな用途
ヘビー級ベイトリールのおもな用途は、以下のとおり。
●重いルアー全般に使用する(大体20g以上)
●3/4oz~2ozの重いルアー全般
→ディープクランク、スピナベのスローロール、マグナムスプーン、ビッグベイト、スイムベイトなど、リールに高負荷がかかる釣りに
●2oz以上のマグナムベイト(バラム300とか)に
ストロングゲームで太いラインを使うのに向く
スプール径は36~38mmといった大口径のものが搭載され、ラインキャパが多いというのが特徴。
ビッグベイトには太いラインを使うため、ラインキャパがあったほうがパワーゲームを快適におこなえる。
また、ハンドルが長いもの(ロングハンドル)が搭載されているものも多く、巻き抵抗のあるリップ付きビッグベイトやヘビースピナーベイトなどを快適に扱えるのもメリットだ。
軽いルアーは不得意
その一方で、ライト・ミドル級ルアーの扱いは苦手である。
スプールが重くてデカいため、軽量ルアーにたいするスプールの立ちあがりが鈍い。
結果、軽いルアーが飛びにくく、ピッチングでは弾道が浮きあがりやすいなどのデメリットもうまれやすい。
パワーゲーム系ベイトリールは重いルアーのスペシャリストではあるものの、オカッパリで人気のある10~20gくらいのミドルクラス級ルアーの扱い不得意なのだ。
ベイトリールの使い分け|「スプール径」の使い分けのコツ
近年、バス釣りに使われるベイトリールは多様化してきた。
とくに「スプール径」の進化はめざましいものがある。
たとえば、スプールがデカくてもミドルクラス系ルアーが扱えたり、また径が小さくともビッグベイトが扱える…といったふうに、それぞれのベイトリールの用途の堺があいまいになりつつある。
自分がいま求めている釣りにマッチしたベイトリールを見極めるには、「スプール径」のチェックはかならず行いたいところだ。
ベイトリールの使いわけ|スプール径による用途の違い
ベイトリールの使い分けを知るには、検討しているリールのスプール径をチェックするのが手っ取り早い。
スプール径にはおおまかな方向性があり、サイズによって扱えるルアーが変わってくるからだ。
ベイトリールに搭載されているスプール径のおもな種類は、以下の3つ。
●30~32mm径
→軽量ルアーに向く。ベイトフィネスなどのライト級リールに多い
●32~34mm径
→マルチなスプールサイズ。そこそこ軽いルアーから、そこそこ重いルアーに向くミドル級リール
●36~38mm径
→重いルアーに向く。パワーゲーム用に多い
「30~32mm径」のおもな用途
ベイトフィネス系などをはじめとするライト級ベイトリールには、「30~32mm径」といった小さなスプールが搭載される。
スプール径がコンパクトになるほど立ちあがりにすぐれるため、軽量ルアーを扱うのが得意。
たとえば、ネコリグなどのフィネス系リグ全般(総重量4~6gくらい)から、10gくらいまでのコンパクトスピナーベイトやシャッドプラグなどを快適に扱えるのがメリットだ。
フィネス特化するなら「ベイトフィネスリール」が◎
「ベイトフィネスリール」と呼ばれるモデルは、5g前後のライト級ルアーもキャストしやすい。
スモラバ、ネコリグ、ダウンショット、ジグヘッドワッキー…などなど、これまではスピニングタックルでしか扱えなかった領域のルアーも快適にキャストできるため、ハイプレッシャーな釣り場で頼りになるベイトリールだ。
また、ワームの釣りだけでなく、ミドル級ベイトタックルでは扱いにくい小型シャッドプラグやスモールクランクといった小型ハードプラグも扱えるのも魅力。
5g前後の軽量なルアーを使うなら、ベイトフィネスリールを選びたい。
「32~34mm径」のおもな用途
32~34mm径といった中型スプールが搭載されたベイトリールは、「バーサタイルリール」などと呼ばれる。
前述した「ミドル級バーサタイルベイトリール」の多くには、32~34mmクラスのスプールが搭載される。
用途的にはだいたい7g~56g程度のルアーを扱うことに長けており、巻物からワームまで幅広くカバーできるマルチさが魅力。
「とりあえず・迷ったらコレ」の32~34mm径
【写真左から、メタニウムMGL(34mm径)、SLX MGL(32mm径)】
32~34mm径スプールが搭載されたバーサタイルリールは、とにかく便利。
3/8~3/4oz程度の巻モノ、1/4~1ozの打ち物系ルアー、2oz前後のビッグベイトなど、さまざまなルアーを扱える。
扱えるルアーの守備範囲が広いため、オカッパリからボートアングラーまで幅広いニーズに応えられるのが特徴。
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超マルチ!32mm径のバーサタイルリール
~32mmクラスの小さなスプール径を搭載したベイトリールは、軽量ルアーに特化されたものが多い。
しかし近年は、小口径でありながらもミドル級ルアーを快適に扱えるリールが増えている。
たとえば、ダイワ「20タトゥーラSV TW」には32mmスプールというコンパクトなスプールが搭載されており、ライト〜ミドル級ルアーを手広くカバーする作りだ。
ひと昔前のバーサタイルリールは7gを切るようなライト級ルアーの扱いは苦手だったが、近年では32mmの小口径スプールが採用されたバーサタイルモデルが人気。
小口径リールのなかには2ozクラスの重いルアーまで扱えるものもある。
そのため、一概にも「小口径だから軽量ルアー特化型!」とも言い切れなくなってきた。
5g前後のルアー”だけ”をメインに使うならベイトフィネス機を。
6g前後の軽量ルアーも重いルアーも使いたいなら、小口径スプールが搭載されているバーサタイル機を選ぶ…というふうに使い分けると失敗しにくくなる。
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「36~38mm径」のおもな用途
36~38mm径といった大型スプールが搭載されたベイトリールは、デカい・重いルアーの扱いに長けているのが特徴。
前述した「ヘビー級・パワーゲーム系ベイトリール」の多くには、36mmを超える大きなスプールが搭載される。
大きなスプールが搭載されたベイトリールは、2oz以上のビッグベイト・マグナムベイト、大きなディープクランクなどなど、「投げる・掛ける・巻く」ときの負荷が強くなりがちな釣りに使われる。
スプール径が大きいため、スプールレスポンス(立ち上がり)は良くない。
しかし、重いルアーを遠投したり、デカいルアーを力強く巻きとりやすく、スプール回転があがれば遠投性能にもすぐれる。
パワーゲーム機は、広大なフィールドでやや重いルアーを遠投したり、ストロングアングラーに好まれるリールだ。
大口径スプールが搭載されたリールは深溝であることが多く、ラインキャパが豊富…というのも特徴のひとつ。
太いラインをたくさん巻けるため、狙っている魚のサイズが大きいときや、「太ライン×ビッグベイト」という釣りを楽しむのにもピッタリだ。
「フロロ20ポンド以上を使って、2oz以上のデカいルアーを投げる」といったスタイルには、36~38mm径の大型スプールが搭載されたベイトリールを選ぶのが基本。
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補足:ベイトリールの自重(重さ)による使い分け
補足として、個人的にはずせない要素も紹介したい。
ベイトリールにはさまざまな自重が設定されているが、それを利用してタックルバランスを選ぶこともできる。
たとえば、長いロッドには自重があるリールを載せるとバランスがとれるし、短いロッドには軽いリールを載せたほうがが扱いやすくなる。
ロッドパワーや素材などによってもバランスは変わってくるため断定はできないものの、ベイトリールの自重はタックルバランスと密接に関係している。
慣れてくると、「この自重ならあのロッドと組み合わせると良さげ」というようにイメージできる。
結果、無駄にカネを失うこともなくなる…というワケだ。
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バス釣りにおけるベイトリールの使い分けのコツ|まとめ
近年はさまざまなベイトリールが発売されているため、使い分けで悩みがち。
しかし、使うルアーや用途から逆算することで、選ぶべきリールがクリアになる。
どんなベイトリールを選べばいいのか迷ったときは、以下のポイントをチェックしておきたい。
●軽いルアー:「ベイトフィネス」、「スプール径30~32mm」
●中間くらいのルアー(10~20gくらい):「バーサタイル」、「スプール径32~34mm」
●重いルアー:「パワーゲーム」、「スプール径36mm~」
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