近年は、さまざまなエレキギターが発売されています。
価格的には激安なものから高価なものまで多種多様。そのため、ギター初心者さんはどれを選べばいいのか迷ってしまいがち…。
ということで、当記事では「エレキギター初心者が購入で気をつけたいポイント」を紹介します。
また、購入失敗パターンも紹介しているので、そちらも同時にお役立てください。
音楽学校のエレキギター科卒。ギター歴21年、作曲歴19年ほど。
ギター初心者さんへの指導経験あり。
大手演劇事務所主催の公演に楽曲提供、俳優へのギター演奏指導、有名声優のラジオ番組への楽曲提供もおこなう。
現在は趣味でギターを弾いています(^^)
もくじ
- 1 エレキギター初心者さんが購入で気をつけたい5つのポイント
- 2 ”背伸び”をしすぎない(予算を適切に設定する)
- 3 自分の実力より”ちょっとだけ良いもの”を選ぼう
- 4 いきなり「完璧なギター」をもとめない
- 5 何年先もギターを弾き続けるかはやってみないとわからない
- 6 弾いてみたい!という気持ちを大切にする(内的モチベーション)
- 7 好きなギタリストを参考にしてみる
- 8 とはいえ、「体格」は気にしたい
- 9 「ボディ形状の好み」を考えてみる
- 10 【筆者の失敗談】ギター購入で失敗したパターンはコレ!
- 11 安すぎるギターを買ってしまった
- 12 理想の音を出せない…
- 13 「ピックアップ」が違うと音も大きく変わる
- 14 ●幅広く使いやすい「シングルピックアップ」
- 15 ●重圧なロックサウンドに向く「ハムバッカーピックアップ」
- 16 ●「ピックアップ選び」は超大切!
- 17 補足:音は後からでもそこそこ変えられる。が、しかし…
- 18 ギター初心者さんの生徒から聞いた、購入で失敗したパターン
- 19 好きなギタリストと同じものを買ったけど…
- 20 エレキギター初心者さんが購入で気をつけたいポイント&購入失敗パターンを紹介|まとめ
エレキギター初心者さんが購入で気をつけたい5つのポイント
エレキギター初心者さんが購入を検討するにあたって、気をつけるべきポイントがあります。
はじめてのエレキギター購入で気をつけたいのは、以下のとおりです。
●”背伸び”をしすぎない(予算を適切に設定する)
●いきなり「完璧なギター」をもとめない
●弾いてみたい!という気持ちを大切にする(内的モチベーション)
●好きなギタリストを参考にしてみる
●「ボディ形状の好み」を考えてみる
”背伸び”をしすぎない(予算を適切に設定する)
「背伸びをしすぎない」というのは、結構大事なポイントだったりします。
近年はSNSなどを使って人前で演奏を発表したいと考えるギタリストも増えてきました。
そのため、自分の気持ちよりも他人の評価や見栄を気にしすぎるあまり、自分と釣り合わないレベルの高価なエレキギターを買ってしまう人も少なくないようです。
他人に良く見られたいという気持ちは大切です。
しかし、予算をはるかに超えてしまうほどの高価なものは避け、ひとつずつ着実に成長しながら、レベルに見合ったものを買う…という現実的なチョイスも忘れてはなりません。
とはいえ、あまりに激安なギターを選んでしまうと、半年から1年後に買い換えたくなることも…。
これは僕の体験談ですが、くわしくは後述する「失敗パターン」にて!
自分の実力より”ちょっとだけ良いもの”を選ぼう
はじめてエレキギターを購入するときは、『自分の実力より”ちょっとだけ良いもの”』を選ぶのがおすすめです。
ちょっとだけ”良いギター”を使うことで、モチベーションを維持しやすくなるというメリットを得られるからです。
また、やや高価なものを選ぶことで、「このギターに釣り合うような腕になるぞ!」とヤル気もうまれ、必然的にギターに触る時間も増え、上手くなる…という好循環もうまれやすいです。
さらに、ギターの所有感を楽しむことができるという点もNICE。
予算がゆるす範囲で、「ほんのちょっとだけ良いギターを買う」という選択も大切なことのひとつです。
個人的には、5万円前後のエレキギターをおすすめしたいです。
それなりの所有感もありますし、作りも良く、トラブルなどもうまれにくいからです。
いきなり「完璧なギター」をもとめない
見栄っ張りさんにありがちなのが、「他人からスゲェ!と思われるようなギターを使ってハッタリをかましたい」という心理です。
この心理に振りまわされてしまうと、自分にマッチした適切なエレキギターえらびをしにくくなる。
前述では「やや高いギターを買おう」とおすすめしました。
しかし、予算が許さないなら、ときには『とりあえず安いギターを買って様子を見る』という考えかたも大切にしたいところ。
何年先もギターを弾き続けるかはやってみないとわからない
僕はたまたま20年もギターを弾き続けることになりましたが、多くの人が何年先もギターを弾き続けるかどうかは、やってみるまでわかりません。
人によっては三日坊主なんてこともあるでしょうし、1年・5年先まで続けたくなる人もいるはず。
取り組みかたには正解・不正解はないものの、続くかどうかはやってみるまでわからないのです。
いきなり「何年先まで使える高価なギターを買おう!」と奮発するのは、ややリスクがある…というわけです。
とりあえず、物は試しという気楽なスタンスで、アンダー3万円の安いギターを手に取ってみるという考えかたも忘れてはならない、と僕は考えます。
最近の安いギターは作りがいいので、”とりあえず様子見で安いやつ買っておくか”というスタンスではじめるのもいいでしょう。
ただ、個人的にはアンダー1万円以下の激安エレキギターはおすすめできません。
すぐにネック反っちゃうし、ノイズも多いし、音もちょっと…というのが僕の本音です(^ ^;)
予算が許すなら、ちょっとだけ”良い”ギターを。
できるだけお金をかけたくないなら、安くてそこそこ弾けそうなエントリーモデルを。
予算やモチベーションによって、自分の願望にあったギターを検討しましょう。
弾いてみたい!という気持ちを大切にする(内的モチベーション)
『パッと見のインスピレーション』は、自分に合うギターをえらぶうえで大切なポイントになります。
たとえば、楽器店やネットショップなどでギターを観て、「お!このギター格好いい!弾いてみたい!」と思えるものを探す…と選んでいく。
近年はさまざまなノウハウが転がっているので、知識だけが先行してしまい、頭でっかちになりやすい世の中になりました。
しかし、これからギタリストとして活動するなら、第六感(直感・インスピレーション・フィーリング)も信じていきたいところです。
●なんとなく気になる…
●つい頭にあのギターが浮かぶ
●論理的にはAのほうが間違いない選択だと思う。でも、なぜかBが気になる…
エレキギターえらびは、上記のようなインスピレーションや直感、感覚も大切にしたいところです。
好きなギタリストを参考にしてみる
(筆者の好きなギタリスト「Slash」 画像:Wikipedia)
もし、すでにお好みのバンドやギタリストがいるのなら、そこから逆算して選ぶ…というのもひとつの手段です。
僕が初心者だったころ、ギターを始めるときに好きなギタリストがいませんでした。
が、音楽にハマるにつれて、レスポールタイプを扱うギタリストが好きだということに気づいたのです。
その後、レスポールタイプを買い、かなり満足のいく買い物ができたと感じます。
とはいえ、「体格」は気にしたい
「好きなギタリストが使っているものと同じギターを選ぶ」というチョイスは、有効なものだと前述しました。
ただ、注意しなければならないポイントも…。
それは、『体格』の違いです。
好きなギタリストと、自分の手の大きさには違いがあります。
人によっては、推しギタリストと同じものを買って後悔…というパターンもあるので注意しましょう。くわしくは後述にて!(クリックするとその項目までジャンプします)
「ボディ形状の好み」を考えてみる
「ギターのビジュアルで決める」というのもGOODです。
前述した『フィーリング・直感』にも通ずる話なのですが、エレキギター選びというのは、個人的な趣味・嗜好・好みなどが反映されやすい部分でもあります。
「とくに好きなギタリストやミュージシャンはいない」
「ときに弾いてみたい曲とかはないんだよなぁ」
上記のような人は、自己満足をベースとしつつ、『触ってみたい・ぶら下げてみたい』と思えるイカしたギターを選んでみるといいでしょう。
まずはイメージしましょう。
ギターを肩からぶら下げているときに、「オレ、イケてんな」と思えるものを選ぶと◎
【筆者の失敗談】ギター購入で失敗したパターンはコレ!
この項目では、「筆者の購入失敗談」と題し、エレキギターの購入で失敗したパターンを紹介します。
反面教師として活用してみてください。
僕の失敗パターンは、以下のようなものでした。
●安すぎるギターを買ってしまった
→すぐに買い替えたくなった
●理想の音を出せない…
→ピックアップの種類を間違えた
安すぎるギターを買ってしまった
僕がガチ初心者だったころ、どれを選べばいいのかよくわからず、とりあえず¥29,800の安いエレキギターを買いました(○○レージの安いストラトタイプ)。
しばらくはそれで満足していたのですが、半年〜1年も経つと不満を感じ、すぐに買い替えたくなった…という経験があります。
安いものはギターをスタートさせるには向いているものの、ノイズ(雑音)の太さや作りの悪さなどが目立つなどのデメリットがあるんですよね。
激安ギターは『続けられるかどうかの様子見』として試すには最適です。
しかし、上達するとすぐ不満がうまれやすいのがネックだといえるでしょう。
理想の音を出せない…
せっかくギターを購入したにもかかわらず、好きなギタリストが出しているサウンドに似せられない…というトラブルも経験しました。
そのおもな原因には、『ピックアップが違う』というものでした。
「ピックアップ」が違うと音も大きく変わる
エレキギターには、「ピックアップ」と呼ばれるパーツが搭載されています。
ピックアップとは、弦の振動を拾って音に変換するための装置。
その種類には、おもに「シングル/ハムバッカー」の2つです。
両者では出る音がかなり違います。
そのため、エレキギターを買うときは「ピックアップの種類」をチェックしておきましょう。
●幅広く使いやすい「シングルピックアップ」
シングルピックアップは、ジャキっとしてキレのある音が特徴です。
おもにポップスやロック、ジャズ、ブルース、ファンクなど、さまざまな音楽に使われるピックアップです。
●重圧なロックサウンドに向く「ハムバッカーピックアップ」
一方、ハムバッカーピックアップは、ブ厚くて重厚(あるいは甘いトーン)が魅力。
ポップス向けというよりも、どちらかというとハードロックやヘヴィメタルなど、激しい音楽にマッチしやすい作りですね。
●「ピックアップ選び」は超大切!
シングルとハム、どちらを搭載しているかによって、ギターの音はおおきく変わります。
当時、ピックアップのことなどわからなかなった僕は、重厚なロックサウンドを出したかったにもかかわらず、間違ってシングルピックアップを搭載したものを買ってしまいました(^ ^;)
ジャキッとした音が好きなのにもかかわらず、ハムバッカーを選ぶと後悔します。
一方で、王道ロックなブ厚いサウンドをもとめていても、シングルを選んでしまうと、やはり後悔します。
エレキギターを選ぶうえで、「ピックアップの違い」はかならずチェックしておきたいところです。
近年は、動画サイトなどで音をチェックできるようになったのがうれしいですね。
補足:音は後からでもそこそこ変えられる。が、しかし…
ピックアップは、カスタムによってあとからでも変えることができます。
または、エフェクターと呼ばれる装置を使うことでも、”ソレ”っぽく似せた音を作ることもできます。
しかし、シングルかハムバッカーか、は変えることができません。
ボディを削るなどの大掛かりなカスタムをすれば変えられないことはありませんが、多額な費用がかかります。
ピックアップ選びはかなり大切な部分!
ギター初心者さんの生徒から聞いた、購入で失敗したパターン
この項目では、僕がエレキギター講師をやっていたときに生徒さんから聞いた「購入失敗パターン」を紹介します。
好きなギタリストと同じものを買ったけど…
これは女性の生徒さんから聞いた話です。
彼女には好きなギタリストがいたのですが、憧れのギタリストと同じ形状のギターを買ったところ、思わぬトラブルが…。
それは、「手が小さすぎてハイポジションを押さえられない。全体的に弾きにくい」というものでした。
彼女が持っていたギターは、レスポールタイプ。
エレキギターは個体差や種類によって、ネック(弦を抑える部分)の幅や厚みが変わります。
レスポールはこの傾向が顕著なので、購入するときは気をつけなければなりません
好きなギタリストと同じものを買ったけれど、その娘の手には合わなかった…という失敗パターンですね。
エレキギターを購入するときは、試奏するか、口コミなどを参考にしながら、自分の手のおおきさに合うかどうかチェックしておきましょう。
エレキギター初心者さんが購入で気をつけたいポイント&購入失敗パターンを紹介|まとめ
「エレキギター初心者さんが購入前に気をつけたいポイント」を紹介しました。
近年はさまざまなギターが発売されていますが、当記事を参考にしていただければ失敗しにくくなるはず…!