バス釣りのモチベーションを爆上げする方法 / 田辺哲男・伊藤巧のマンネリ解消法

長年釣りを続けているとかならず訪れる”停滞期・マンネリ化”。
釣りを上達させるには釣りに出かけるしかないのですが、寒い時期ほど釣りに行くのが億劫になりがち…。

「なんだか同じことばかり繰り返しているし、寒いし、最近は釣れなくなってきたし、バス釣りはもう引退かなぁ」
…なんていうときに試したい、モチベーションを上げるテクニックを書いていきます。

(タイトル:敬称略)

【飽きたら読みたい記事】バス釣りのモチベーションを爆上げする方法

マンネリ打破は「刺激・変化・内的モチベーション」がキー

バス釣りは「ルアーを選んでは投げ、移動して、また投げて」というふうにルーティンワーク化しやすい。
厳密にいうと完全なルーティンではないのですが、釣りの経験が長くなるにつれ、自分の考え方やスタンスが”型”になってしまい、マンネリ化しやすい趣味だともいえます。

一般的に、マンネリ化(飽き)のおもな原因となるのは、以下のとおり。

●いつも同じことばかりやっている(変化がない)
●義務になってしまっている
●ルーティン化のしすぎ(型になっている、固定観念に縛られている)

端的にいうなら、「なにかを変えるしかない」といった感じでしょうか。

いずれにせよ、物事へのマンネリ化をふせぐには、「刺激・変化・内的モチベーション(やる気)」がキーになるでしょう。

一流のアスリートほど、マンネリ化との付き合い方がうまい

そういえば、ルーティン化した生活を送っていたことでも知られる元プロ野球選手の”イチロー”氏でさえ、バッティングフォームや投球フォームに変化をつけていたそうです。

また、男子400メートルハードルの日本記録保持者の為末大氏も、練習中にはハードルの幅や高さを微妙に変えてマンネリ化と上手に付き合っていたらしいです。

世界の一流選手ほどマンネリ化・飽きとの付き合い方がうまいのだと感じさせるエピソードですね。

変化を与える

バス釣りに飽きたときは、なにかに変化を与えられていないのが原因かもしれません。

いつも同じポイントに向かい、同じタックルを使い、過去に釣れたことのある”いつものルアー”を投げる…というように、自分の行動がルーティーン化してしまうことで飽きを感じる。

型にハマった考え方や行動を繰り返すことで脳に刺激がなくなり、退屈さや飽きを感じてしまう、というワケですな。

バス釣りに飽きやマンネリを感じたときほど、「なにかを変える」というアクションをとりたい。

バス釣りのレジェンドが答える「マンネリ打破のテクニック」

以前、バス釣りのマンネリ化を解消するため、ノリーズ代表の田辺哲男氏に以下のような質問をしたことがあります。

(筆者の「バス釣りを上達させたいのですが、いつも同じことばかりを繰り返しているせいか、マンネリを感じます。打開策はありますか?」という質問に対し)

そんなの簡単だよ!釣ったことのあるルアーを持っていかなきゃいいんだよ!

たとえば、スピナーベイトで釣ったことがあるんなら、スピナーベイトを持っていかなきゃいい。
ディーパーレンジ1/2ozで釣ったことがあるんなら、それを家に置いていく。

簡単だろ?

(引用ソース:2018か2019年のフィッシングショーにて)

なるほど、たしかに釣りの経験が長くなると、信用できるルアーが増えていき、タックルボックスが見慣れたものばかりでうめ尽くされていきますよね。

信頼できるルアー、いわゆる”コンフィデンスルアー”が増えていくと安心感が増すものの、いつもそれに頼ることになってしまい、結果的に同じ行動ばかりを繰り返す…といった感じでしょうか。

たとえば僕でいうと、レッグワームのダウンショットとか、エスケープツインのテキサスリグとか、ラッキークラフトのL.C 1.5とか、信頼しているルアーばかりに釣りが偏りがちです。

田辺氏が提唱しているのは、『無理やりでもいいから新たな発見や刺激を自分に与えようぜ』というものなのかもしれませんね。

〇〇ルアー縛りとか、使ったことのないメーカーのタックルを導入してみたり、新たなアプローチを試してみる…などなど、自分の行動を変化させるというのは大事なことだといえるでしょう。

●エリートプロ・伊藤巧氏のマンネリ解消法

ちなみに、田辺哲男氏と伊藤巧氏の解釈はやや違うようでした。

伊藤巧氏にもマンネリ打破のテクニックを尋ねたことがあるのですが、彼いわく…

田辺さんのやり方はストイックなので、普通の人にはキツイっす(笑)

やったことがない釣りにチャレンジしてみてはいかがですか?

たとえば、ライトリグが苦手なら、あえてダウンショットをやり込んでみるとか。

食わず嫌いするするよりも、実際にやってみて「この釣りは自分には不要だな」と思ったのなら捨てればいいだけなので。

やらないよりは、やったほうがいいと思います。

(引用ソース:2018か2019年のフィッシングショーにて)

「やったことがないことをやろう」というシンプルな解答でした。

田辺氏、伊藤氏両者に共通しているのは「自分にとって目新しさを感じられることをやれ」というマインドです。

釣り歴が長くなるほど自分の行動がパターン化してしまいがちですが、やったことがない釣りに手をつけてみることで、マンネリ解消につながるはず…!

元横綱の若乃花のマンネリ解消テクニック

そういえば、元横綱の若乃花は、引退後のダイエットでマンネリ化を打破するために”ある工夫”を凝らしていたとのこと。
その工夫とは、「毎日色の違うサングラスをかけてウォーキングに励む」というもの。
ウォーキングは単純作業なので飽きやすいですが、ウェアなどを毎日変えるだけでもモチベーションが上がるようです。

僕も真似して散歩に履いていくシューズを何パターンか変えてみたことがあり、たしかに飽きにくかったです。
今日は何色のなんのメーカーを履いていこうかな〜なんてふうに、単純作業に”個人的な楽しみ”がプラスαされ、ちょっとした刺激になる…といった感じです。

いずれにせよ、変化をつけるのは大事なことだなと感じた体験談でした。

●釣りに飽きたときに試したい、具体的なステップ

具体的に、バス釣りにおいて「なにかを変える」ためには、何をすればいいのでしょうか。

バス釣りに飽きたときに試したいことは、以下のとおりです。

バス釣りに飽きたときに試したいこと

●使うメーカーを変える
→シマノ派なら、ダイワやアブも使ってみる…など

●ルアーを変える
→メーカー、ジャンル、種類、大きさ、カラーなどを変える

●ラインを変える(素材・ポンド数など)
→フロロ一択だったのなら、ナイロンやPEも取り入れてみるなど

●ウェアを変える
→アウトドアメーカー品を着用しているのなら、釣具メーカー品に変えるなど

●スタイルを変える
→ストロングスタイルからフィネススタイルへ。巻物アングラーから撃ち物アングラーへ…など

●釣り場を変える
→野池からメジャーフィールドに変える、オカッパリからレンタルボートに変える、クリアレイクからマッディレイクに変える…など

●情報の引用元を変える
Aプロをご贔屓にしているのなら、Bプロのスタイルや考え方も参考にしてみる…など

内的モチベーションを生かす

暇だからとりあえず釣りに行くべ。ほかにやることもないし…

上記のように惰性や暇つぶしで、なんとな〜く義務感で取りくんでいると、早い段階で”飽き”を感じてしまうでしょう。

ただ、釣りはあくまで趣味なのでヒマ潰し感覚でも問題はありません。
しかし、継続しながら長く楽しんでいきたいなら、「自分の興味」や「やりたい!」という気持ちをベースに取り組んだほうが楽しめますいわゆる、『内的モチベーション』というやつです。

自分の内側から湧いてくる興味やヤル気は『内的モチベーション』とも呼ばれ、物事を継続するうえでは必須なメンタリティだといわれています。
なんか最近、バス釣りつまんないな〜もうやめようかな〜と思ったときほど、自分の心の底にある声(内的モチベーション)に耳を傾けたいところです。

「興味」「疑問」「もっと知りたい」をモチベーションにする

釣りをしていて自分の中にちょっとでも疑問が生まれたら、そこを追求してみるのもマンネリ打破には有効です。
自分のなかから湧き出る疑問や興味は内的モチベーションでもあるので、そこを深堀りしていく。

たとえば、釣りをしていて気づいたことや、自分のなかで引っかかったところを掘り下げてみる。
クランクベイトを使っていて、巻きとり速度ってどれくらいが適切なんだろう?だとか、クランクが使いやすいロッドってどんなものなんだろう?…というように、疑問に思ったことをベースに活動してみる。
アングラー個人の興味や疑問、悩みをベースに行動することで、飽きやマンネリを打ち破ることができるようになるでしょう。

内的モチベーションを信用しながら行動すると自分の知識や実力をアップさせてくれますし、新たな発見にもつながりやすいです。
雑誌やメディアなどを観覧していて、これ面白そうだな〜自分もやってみようかな〜と思えたものを試してみてもいいでしょう。

いずれにせよ、今の行動を変えることがマンネリ打破につながるはずです。

補足:舞台演出家のマンネリ解消法

僕は演劇学校を卒業してプロの舞台俳優として活動していたことがあります。
そのときに学んだのは、「”型”になったら、一度ぶっ壊す」というものです。

プロの舞台演出家は、俳優たちの芝居が停滞したり凝り固まって型になった場合、ぶっ壊す作業をしなければなりません。
芝居が段取りになりすぎていたり、それぞれの役者たちが新しい課題(ネタ)を持ち込まなくなったとき、芝居からはリアリティが失われ、”本物のやりとり”ができなくなってしまいます。
演出や芝居が”型”になりすぎてしまうと、いつもと同じことばかりを繰り返し、嘘のない芝居ができなくなる…というワケです。

舞台という作品は、毎日変わります。
同じ作品、同じ言葉のやりとりであっても、うまれる感情や芝居の微妙なニュアンスが日によって変わるため、結果がいつも違う。
物語そのものは同じではあるものの、俳優たちのやりとりは毎日変わる。

僕が師事していた講師は、芝居のことを『舞台はライブだ』といっていました。まさにそれです。ライブ。日常生活も”ライブ”のひとつなのかもしれませんね。

自分の釣りが型になっていたら、意図的にそれをぶち壊す作業をするのもマンネリ打破につながるといえるでしょう。

まとめ:バス釣りに飽きたときは、「変化を与える」「興味」「ぶっ壊せ」

「バス釣りのモチベーションが下がったときに試したいテクニック」について書いてみました。

当記事をまとめると、以下のとおりです。

バス釣りの”飽き”を打破する方法|まとめ

●変化をつける
→取り組み方を変える、タックルを変える、など。とにかく”なにかを変える”ことに尽力する

●内的モチベーションを生かす
→興味、やってみたい、面白そう…という個人的な”ヤル気”にしたがって行動してみる

後述した舞台演出家の例のように、『意図的に自分の釣り(型)をぶっ壊す』というのも有効だと思われます。
なんにせよ、モチベーションの維持は趣味のみならず仕事にも応用できるので、マンネリ化との上手な付き合い方は身につけておきたい…!

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