吊るしの釣りの基礎知識、やり方、使うルアーの解説、NG行動。1000時間以上やり続けてわかったこと まとめ

3.4年ほど前から、テキサスリグやネコリグ、スモラバを使った吊るしの釣りをやり続けてきた。

釣行数にして約600日以上、1000時間以上、ひたすら吊るし・中層シェイクし続けた日々。

今回は、吊るしの釣りに関して、個人的な体験を通して学んだことや吊るしの釣りの基本について書いてみようと思う。

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吊るしの釣りの基礎知識、やり方、使うタイミングの解説

「吊るし」とは

「吊るし」とは、カバーなどの障害物を利用して、ちょうちん状態にさせて食わせるテクニックだ。

リグを宙吊り状態にして誘っていくテクニック。

ピンポイントで同じレンジを粘り強く誘えるので、タフコンディション時や水深が深いリザーバーなどで使用されることが多い。

僕が知っている限りだと、発祥は亀山ダムのローカルテクニックだと思うのだが、たぶん昔から全国どこでも使われてきたテクニックだと思う。

ちなみに、呼び方としては、

●吊るし

●中層シェイク

●ちょうちん

といった感じで、様々な呼ばれ方をする。

若年層の中では、金森隆志氏の影響なのか「吊るし」と呼ぶアングラーが多い。

房総リザーバーや相模湖をホームとするアングラーからは、中層シェイク、ちょうちん、スモラバちょうちん…みたいな感じで呼ばれたりする。

吊るしの釣りのやり方

まずは、フローティングカバーや、水面付近にある障害物に引っ掛けて、ルアーを宙吊り状態にする。

宙吊り状態にした後は、シェイクなどさせて誘う。

一連の流れとしては、以下のようなものになる。

表層でシェイク

食わなかったら中層まで落として、またシェイク

食わなかったら、ボトムまで落としてシェイク
↓回収

こんな感じ。

吊るしの釣りは、

ライトリグを上から吊り下げて、各レンジを細かく探っていこう

みたいなテクニック。

水深が浅い場合は、いきなりボトムまで落として、宙吊り状態でピンポイントシェイク…みたいな感じでもオッケー。

水深が深い(2m以上とか)場合は、50cm〜1m刻みくらいで、「落として止めてシェイク、また落としてシェイク…」を繰り返していく。

水深が5〜7mくらいになってくると、さすがに全レンジを1キャストで探っていくのは非効率なので、最初から誘うレンジをある程度絞っていく。

”吊るし”のシェイクにかける時間は?

シェイクして誘う時間は状況によっても変わるが、概ね

10〜20秒くらい

を目安にしたい。

特に決まりがあるわけではないので、あくまでも目安として。

ある程度食い気があるなら5〜10秒くらいでも食ってくるし、やる気がないなら15秒以上は誘いたい。

ロングシェイクを様々なレンジで行うので、1キャストあたりにかかる時間は、最低でも30秒はかかる。

吊るしの釣りは、メンタル的粘りと根気が必要な釣りなのである。

補足:アクションは”シェイク”が絶対、でもない

シェイク、シェイク…と言っているが、アクションのさせ方は必ずしもシェイクだけではなかったりする。

テキサスリグやラバージグを操作させるように、リフト&フォール&ポーズも効果的。

「シェイクやりまくってるんだけど釣れない」という時は、

ステイ(停止)→ちょんちょんアクションさせる→ステイ→落として次の水深へ…

みたいなシンプルな操作も有効。

吊るしの釣りで狙う魚

前提としてあるのは

そこに居るであろう魚に口を使わすこと

である。

意識的には、「ルアーに気付かせて・引き寄せて釣る」というよりかは、『目の前に落として食わせる』みたいな方向性。

引っ張ることもできるけど、使うルアーによって効果はかなり変わる。

なので、スモラバちょうちんの場合は、バスをサーチしている段階から投入するテクニックではない。

ある程度、その日のバスの傾向や動きがわかってきてから効力を発揮するタイプのテクニックだと僕は思っている。

吊るしの釣りは、目の前に居るであろう活性が低い魚を、じっくりと誘いをかけて食わせるテクニック。

吊るしの釣りで狙うべきスポット

吊るしの釣りは、そのネーミングからもあるように、ルアーを宙吊り状態にして行うテクニック

なので、狙うポイントの上部に何かしらの障害物がある場所で行うのが基本である。

例えば、

●フローティングカバー(浮きゴミ)

●木々・竹などが上から(上まで)入っているカバー

●垂直岩盤の水面付近に存在する枝など

…といった、水面付近に何かしらのカバーがあることが大前提。

●オカッパリなら、カバーがなくても宙吊り状態を演出できる

霞ヶ浦

しかし、霞ヶ浦などのおかっぱりでは、必ずしもカバーは必要でもない。

例えば、

●水門

●護岸際

●アシ際(インサイド)

…などなど、こんなスポットではアングラーの足元からポチャと落とすだけでも、ルアーを宙吊り状態にさせることが出来るからだ。

吊るしの釣りは、ルアーを宙吊り状態にすることができる場所なら、どんなスポットでも使えるテクニック。

どんなときに”吊るし”を使うのか。シチュエーション。

前述したが、吊るしで狙うべき魚は、

何かしらの要素が原因で、ルアーを積極的に追わず、カバーに寄り添っている低活性の魚

である。

なので、

「今日は何やっても食わない」

「ハードルアーに追ってくるような感じではない」

「濁っててカバーに入ってるけど、ヤル気が無い」

「フィッシングプレッシャーが半端ない」

「先行者が叩きまくった後」

みたいなタフコンディション時に使いたいテクニック。

吊るしの釣りは、1キャストにとても時間をかけるため、バスをサーチしている段階では使いにくいといったデメリットもある。

しかし、「ここには絶対いる!」みたいな確信を得られるピンスポットがあるのなら、ぜひとも使いたいテクニックだ。

特に、霞ヶ浦やスレた野池のようプレッシャーが高いフィールドでは、吊るしを行えるピンスポットは貴重な存在。

吊るしが効力を発揮するシチュエーションは、

バスがカバーに入っていて、低活性なとき。
(水面付近にカバーがあるのが前提)

である。

吊るしの釣りに使用するルアー

ルアーを宙吊り状態にして誘う「吊るしの釣り」では、どんなルアーを使うのが良いのか。

もし吊るしの釣りをライトリグ・ワーミングに限定して言うなら、一般的にはスモラバが最も有名。

しかし、スモラバ以外にも吊るしの釣りに使うルアーはあるので、いくつか紹介してみようと思う。

スモラバ(スモールラバージグ)

吊るしの釣りの代表格とも言える、スモールラバージグ

カバーをしっかり貫通させるために、ウエイトは3.5g〜以上のものを使うのが基本。

また、カバーに絡めて使用するので、ブラシガードはやや強いものを選びたい。

最近の有名どころでは、

●レイドジャパン 「エグダマ タイプカバー」

●レイドジャパン 「エグダマ タイプレベル」

●ノリーズ「カメラバ」

●ダイワ「パワーフィネスジグSS」

この辺りが使いやすい。

個人的に最もおすすめなのは、レイドジャパン「エグダマ タイプレベル」だ。

トレーラー

トレーラーは、スモラバと合わせたときに違和感がないものなら何でも使える。

亀山ダムのローカル達は、トレーラーにイモグラブをカットしたものを載せたりする。

個人的には、2〜3インチ程度の小型ワームをつけることが多い。

例えば、

●O.S.P「ドライブスティック3インチ」

●レイドジャパン 「エグバグ」

といったもの。

セットしたときに、全体のシルエットのバランスが良いものを選ぶようにする。

小難しく考える必要はない。

魚類を食べている状況でも小型ホッグワームに食ってくるし、その逆もしかり。

ただ、適当に選ぶよりかは、ベイトの種類に合わせた方が食いが良い。

スナッグレスネコリグ

ネコリグをカバーに絡めて使用するために考案された、スナッグレスネコリグ

カバーネコリグ、カバーネコと呼ばれることもある。

カバーネコも吊るしの釣りに使われるルアーの1つだ。

回収時に引っかかりやすかったり、カバーに入りにくいといったデメリットもあるが、ネイルシンカーを3g以上の重いものに変えるだけで、かなり快適になる。

カバーネコは食わせる力が高いため、ぜひ用意しておきたいルアーである。

個人的には、スナッグレスネコリグでおすすめしたいのは、以下の2つのワーム。

●ゲーリーヤマモト「カットテール5インチ」

●o.s.p「ドライブクローラー4.5インチ」

ラバージグ、テキサスリグ、リーダーレスダウンショットリグ

ラバージグやテキサスリグ、リーダーレスダウンショットといった打ち物系ルアーでも、吊るしの釣りを行える。

スモラバやカバーネコより食わせる力は下がるが、バスをサーチしているような段階ではこちらの方が効率が良い場合もある。

特に春先のスポーニングシーズンなど、ルアーにある程度のボリュームが必要になる時期には、打ち物系ルアーを使った方がデカい魚が釣れやすい。

僕の場合、サーチ中はテキサスリグでカバーの吊るしを行い、ある程度わかってきたらスモラバやネコリグなどのライトリグを吊す。

使い方は他のルアーと変わらず、宙吊り状態にして使用するだけ。

テキサスリグやリーダーレスダウンショットの場合、ボトムまで急速にフォールさせて、着底後のワンアクションで食わせる…といったリアクション的な使い方もできる。

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補足:その他のルアーも吊るしに使える


使い方次第では、吊るしの釣りはどんなルアーでも行えるテクニックだ。

例えば虫ルアーは、吊るしの釣りで使う代表的なルアーとも言える。

また、ポッパーやペンシルベイトといったトップ系ルアーを、宙吊り状態にしてピンポイントの水面で誘い続けたり…といった使い方も。

アングラーの知恵次第で、吊るしの釣りは様々なルアーに応用できる。

吊るしの釣りでNGなこと

ここからは、僕が体験した「これやっちゃうと吊るしで釣れない」ってやつを、失敗談として紹介してみようと思う。

誘いがワンパターンになる

吊るしの釣りの基本はシェイクアクションだが、ただ単に適当にシェイクやってれば食う…というわけでもなかったりする。

気持ちストップを入れたり、シェイクの(ティップを動かす)幅を微妙に変えてみたり

…といった感じで、見切られないための工夫を凝らしてみる。

食わないときほど、ランダム性があると良い。

シンプルなシェイクで食うときは食うが、吊るしの釣りで釣れないときは、操作がワンパターンになっていないか確かめる。

シェイクで食わないときは、様々なパターンの誘い方をやってみる。

ルアーの重さが適切ではない


カバーの奥までしっかりと送り込めるリグを使うのが基本。

1.8gのスモラバだと、表面だけは入っていくが、実はしっかりと奥まで落ちていなかったりする。

カバーの表層からボトムまで幅広く誘えるウエイトのルアーを選びたい。

ミスキャスが多い


吊るしの釣りは、超ピンポイントに意図的に引っ掛けて宙吊り状態を作るテクニカルな釣り。

「あそこで吊るしをやりたい!」と思ったときに、しっかりピンポイントに投げれる技術がないと、いくら立派な道具を使っていても釣れなくなってしまう。

吊るしの釣りで魚を釣るには、狙ったポイントにしっかりキャストできる技術が必要だ。

操作が雑すぎる

とりあえずボンヤリとシェイクし続けたり、

何となく表層?今水深何メートル狙ってるかわからんけど、とりあえずシェイク〜

…みたいなアバウトな感じだと釣れにくい。

●今どこの水深を狙っているのか?

●今、リグの状態はどうなっているのか?どんな動きをしているのか?

●シェイクの幅はどれぐらいがいいのか?

などなど、狙いや意図をしっかり持つことで、釣れる魚が増える。

難しく考える必要はないが、「1キャスト1キャスト、しっかり丁寧に操作するぞ」という意識を持つだけで、釣れる魚は増える

掛けても取り込めない


吊るしの釣りはカバーに絡めて釣りをするのがほとんど。

その際に弱すぎるタックルを使っていると、せっかく掛けた魚を取り込むことができないといったトラブルが出てくる。

吊るしで粘り強く誘って食わせた魚ほどデカかったりするので、使うタックルはちゃんとしたものを選びたい。

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まとめ:吊るしの釣りは、魚がスレてて食わないときに、ライトリグを駆使してピンポイントで誘い続けるテクニカルな釣りである

吊るし(スモラバちょうちん、中層シェイク)について、僕個人の体験談から来ている学び・基礎知識を書いてみた。

年々バスのスレ具合が高くなってきているので、今のうちに吊るしの釣りをしっかり抑えておき、来る”バス釣り超難易度高い時代”を迎えようではないか。

●吊るしの釣りには専用タックルを使うのがおすすめ!

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