バス釣りという娯楽は、結局のところ、お金と時間をかけた人が結果を出せるゲームだと痛感中。
所帯持ちの人、少しのお小遣いでバス釣りを楽しむ人は、カネと時間に余裕あるアングラーには敵わないなぁ…というお話。
もくじ
バス釣りはお金と時間をかけた人が結果を出せるゲームだと痛感中。昨今のバス釣りってまぁまぁクソゲーかもなぁ
ほとんどのアングラーは、多くても週に1~2度くらいしかフィールドへ足を運ぶことができない。
オカッパリならまだしも、レンタルボートならボート代などにもお金がかかるため、懐事情に頭を悩ませるアングラーは少なくないだろう。
バス釣りはとにかくお金がかかるアソビだ。
ボート代3000円、ガソリン代1000~2000円、食事代1000円、高速代3000~5000円…だいたい一回の釣行で1万円もかかってしまう。
月1回ならまだしも、月4回も行けば4万円もかかってしまうし、さらに消耗品(フック、ワーム、ラインなど)にもお金がかかる。
これを安いと見るか、高いと見るかは人それぞれだと思うが、個人的には「高い」と考えている。
カジュアルに楽しめるアソビとしては、いささかコストがかかりすぎる趣味のように思う。
金持ちは「たった1万円でピーピー言ってんのかよw貧乏だなw」などとマウントをとるだろう。その通りである。バス釣りは貧乏人には向かないスポーツだと思う。辛い。
金のある独身者なら問題ないだろう。
しかし、所帯を持っていて、なおかつ少ないお小遣いでやりくりしなければならないアングラーや、さまざまな事情があって所得の少ないアングラーはそうもいかない。
金のかからないソルトルアーのオカッパリに移行するアングラーが増えるのも納得である。
僕自身も、本格的にソルトへ移行するか、それともバス釣りの頻度を減らそうか、あらたな趣味を探そうか考え中だったりする。
バス釣りにこだわり続ける必要はあるのか。モンハンでよくね?という心の声
ひと月の趣味代を計算しているときに思うことがある。
それは、「こんな金のかかる遊びに時間と労力を割いていて意味はあるのだろうか」というものだ。
いまさらプロになれるわけでもないし、毎週遠征できるほどお財布に余裕はない。
しかも、超努力をしても釣れるのは数匹、釣れないのは当たり前…という昨今のフィールド事情。
新規の若い人は「なにこれクソゲーなんだけど…ツマンネ。Apexのほうが面白くね?モンハンのほうがみんなでワイワイできるから楽しいんだけど」と感じてしまうだろう。
SNSの台頭により、デカい魚1匹釣ったところで、誰かにすげー褒められたり認められるなんていう世界線じゃなくなった。
ハードルアーで釣ったところで「スゲェ!」などといわれる世の中じゃなくなった。
頑張って釣った1匹に価値を感じる。これはある。しかし、なんか疲れちゃうよね。
なんか違うかも…なんでオレはこんな苦労してまでバス釣りやってんだ…と思っちゃうこともある。
今の時代、バスフィッシングだけにこだわらなくても、他に楽しい趣味はたくさんあるわけで。
『テレビゲーム、ネトフリ、ネット動画サイト…などなど、インドアホビーでまったり楽しんでいたほうが貯金もできるし快適じゃね?
なんだったら、ゲームでランクあげたほうがワンチャン良い思いができるんじゃね?』
こう考えはじめるアングラーも少なくないだろう。
とくに、若年層はすぐに結果が出なければ飽きてしまう。バス釣りの新規を増やすのは限界にきている。
「面白さ、よろこび、楽しさ」ではなく、『やる意味、費用、意義』を考えるようになったら、そろそろ終わりかもしれない。
完全に引退するのではなく、まずは頻度を減らしてみようかな。あるいは、取り組み方を変えてみるか。とはいえ、お金がかかることには変わりない。
「高級魚探と高級エレキ」は凶器なのか
さらには近年、蔓延しつつある「高級魚探と高級エレキ」という凶器の存在。
ここではおもに、ライブスコープと”ゴースト”のことをいう。
ブラックバスたちにとって、ハイテク機器の台頭は”災い”であり、もう彼らに逃げ場はなくなったといえるだろう。
ライブスコープ登場時、「なにこれヤバい…しょーもな…結局カネがあるやつが勝つゲームじゃん」と考えたアングラーも少なくないのでは。
個人的には、なんかコレは違くない?と思っている。一回だけ使ってみたいけど、でもなぁ〜なんか違う気がする…。そのループですわ。
そういえば以前、バス釣りをしない家族にライブスコープの動画を観せたことがあるのだが、「なにこれ…これはズルい!魚釣りじゃなくない?」といっていた。
一般アングラーがソルトへ移行するのも納得だ。昨今のバス釣り事情にウンザリし、釣りという遊びそのものから離れる人もいるのではないだろうか。
高級魚探やハイテクエレキの登場は、一部のアングラーにとっては幸福の福音になっただろう。
しかし、一般層にとっては「コレジャナイ感」を感じさせるものだったりする。
「ガチでやるなら金かけろ」的な世界
レンタルボートの場合、まず大前提として、金をかけている中・上級者と同等に渡り合うには、50万の高級魚探と24V以上の高価なフットエレキをそろえる必要がある。
さらに、最低でも週に1~2回は”ボートに乗って”フィールドに立つことをもとめられ、とにかく金と時間をかけなければ太刀打ちできない。
まぁまぁクソゲーな世界、というか金のかかる世界である。
金に余裕のあるカネ持ち社会人じゃないとまともにやれない。
エレキギターなら、カネをかけずとも個人的な修練のみで上級者にも太刀打ちできるようになるが、バス釣りではそうもいかない。とにかく金と時間をもとめられる。
マジでやる場合、金と時間をかけたアングラーが勝ちやすい。というか圧倒的に有利。そういうシステムになっている。
安価な魚探でロクマルを釣るアングラーもいるが、そういう存在は稀である。憧れちゃうね。
バス釣りは富裕層のアソビ。間違いなく”格差”はある
バス釣りは「食わないサカナをルアーで釣って楽しむ」という非効率・非合理的で富裕層向けのアソビである。
バスフィッシングの本場・アメリカでは、そもそもバス釣りは富裕層のアソビだと聞いた。
大前提として、アッチではバスボートを所持するのが当然のようで。
カネのない貧乏人は諦めるか、ちょっとした小場所でオカッパリをするしかないらしい。
日本でも同じかもしれない。
毎週のようにレンタルボートに乗ることができ、それでいて高価なタックルや高級魚探・高級エレキを揃えることのできる金持ちアングラーが良い思いをしやすい。
情熱を持ちながら、金を工面して頑張るアングラーもいるが、現実は非情だ。
スマホゲーでたとえるなら、課金しまくったプレイヤーほど有利にゲームを進めることができる、というような感じだろうか。
たとえば、僕は津久井湖で釣りをするのだが、僕が安価な魚探とエレキで必死こいて「バスとの読み合い!地形や天候を読んでバスを探せ!」などと頑張っているなか、横にいるハイテクアングラーが「あ、右前方〇〇mにバスが5匹いる。ライトリグ投げて食わせたぜ!」なんていう感じでポンポン釣っちゃう…みたいな。なんじゃこれ。格差すげぇ。
オレもライスコとゴースト買うか?100万も出して?いやぁ…さすがに…。
もちろん、すべてのアングラーがかならずしも重課金しなければならないわけじゃない。
高級魚探があるからサカナを釣ることができるというわけでもないらしい(と、ライブスコープ所有者がいっていた)。
安価なハンドコンでマイペースに楽しむことだってできる。誰かに高級セットを強要されるわけでもないから。
しかし、今後の日本のレンタルボートシーンは、大前提として高級魚探などのハイテクエレキを駆使しなければ、ほかのアングラーに太刀打ちできないようになっていくだろう。
ライブスコープで水中は丸裸にされ、ブラックバスたちに逃げ場など存在しなくなった。
今後さらに、ブラックバスのスレ具合に拍車がかかる。
まったりとマイペースに楽しみたいライト層アングラーは、魚1匹釣ることができなくなるのでは。少なくとも、1匹を釣るためのハードルがグンと増すということだけは確かだ。
現状でもサカナに触ることすら困難であるのに、まぁまぁカオスな時代が、もうそこまで来ている。
もはや無法地帯となりつつあるレンタルボートレイク
レンタルボート店や漁協は、マスの管釣り場のようにルールやレギュレーションなど設定しない。
モラルやマナーなどの啓発はあるものの、釣り方そのもののレギュレーションやルールは存在しない。
ただでさえバスアングラーの数は少ないのだから、厳しいルールを設けると人が来なくなってしまう。そう考えるのがボート店としては一般的だと思う。
「ハイテク機器は制限します、使うルアーは〇〇cm以下は禁止!」などと制限を設けたら、ボート店の収益が減ってしまう。
そりゃレギュレーションに関してはノータッチにならざるを得ない。彼らの生活もあるわけだし。
また、ハイテク機器をポジティブに捉えるアングラーもいるので、なんでもかんでも禁止・クソアイテム!などと声高にいうのもアレなのだろう。
レンタルボートレイクって、なぜ管釣り場みたいにレギュレーションを設けないのだろう
そういえば先日、津久井湖でアラバマリグを制限するボート店が出た。
釣り方を制限するとお客さんが減ってしまうとは思うが、バスフィッシングの未来を見据えたうえでの判断だろう。店主の判断は尊敬に値するものである。
バスフィッシングの未来を考えるのなら、各フィールドで管釣り場のようにレギュレーションを設定したほうがいいんじゃないかなぁ…というのが個人的な考えだ。すみません、もうサイコロラバーは封印します。
最後に、シェイクスピア「ハムレット」より、ハムレットの独白のセリフを紹介したい。
この世は雑草の伸びるにまかせた荒れ放題の庭だ。
胸のむかつくようなものだけがのさばりはびこっている
さらにもうひとつ。
ロックバンド、「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」のボーカル、ザックの言葉で締めくくりたい。
俺たちは、どんな社会も政府もシステムも、それらはすべて富裕層のために仕組まれたものだと思っている。
ほとんどの人々が労働して苦しんで、労力を捧げている間にね。
それらのシステムの真実は、利益を生むことだけであって、扶養するためじゃないんだ。
そんな社会は建つべきじゃない。
異議を唱えられ、疑問を持たれ、ひっくり返されるべきだ。