近年は港湾部やサーフ、河川など、色んなポイントでシーバスフィッシングを楽しめるようになってきた。
しかし、エリアやフィールドによっての”最適解”は変わる。
「アッチでは〇〇で釣れたのに、コッチでは全然ダメ…」といったことはよくある話。
釣りを始める前に事前に、エリア別の攻略法をチェックしておくことで、よりシーバス釣りを楽しめるだろう。
今回は、「ベイエリア(港湾部)、河川、サーフ」を釣っていくための予備知識、攻略法について、個人的な体験談も含めつつ書いていく。
もくじ
【初心者向け】エリア・フィールド別、シーバスフィッシングの攻略法
人間の生活圏に寄り添うように生きているシーバス(スズキ)。
シーバス達も僕たち人間のように、季節の変化に応じて行動するといった習性があるため、基礎知識を知っておけば釣果が伸びる。
この項目では、シーバス釣りにおける代表的な3つのフィールドである、以下の3つのエリアを解説。
●河川
●サーフ
上記3つのエリアにおける、季節毎のパターンを簡単に解説していく。
ベイエリア(港湾部)におけるシーバス釣りの攻略法
人工的な建築物で構成された「ベイエリア(港周辺)」は、河川や外洋の影響を受けにくいのが特徴。
真夏以外は通年を通して安定しているため、回遊型だけでなく居着き型のシーバスも数多くストックする。
工業地帯から排泄される温排水などの熱源の存在もあって、冬場に水温が低すぎて釣りにならないような時もシーバスが集まるといったメリットもある。
また、サーフや河川に絡んで建築された港もあるため、多様性に富んだ釣り方を楽しめるのもベイエリアの特徴と言える。
ベイエリア(港湾部)の基本的な攻略法
「ベイエリア(港周辺)」は年間を通して安定した釣果を望め、いろんな攻略法を楽しむことができる絶好のスポット。
ベイエリアを攻略するためのキーとなるのは、水温とベイトフィッシュ(エサ)の存在。
春は稚アユが入ってきたり、バチ抜けが起こりやすく、夏はコノシロなどのベイトが入ってきやすい。
秋は落ち鮎やイワシ、小アジといったベイトが入ってきやすく、冬はイナッコ(ボラの稚魚)の存在に加え、温排水に様々なベイトが集まるといった要素もある。
ベイエリアの特徴とも言える「障害物の多さ、閉鎖性」は、真夏においてはデメリットとして機能することも。
閉鎖された環境は水の動きが小さく、水温が高くなりやすいく、水質も悪化されやすいといったデメリットが生まれやすい。
フィッシュイーターであるシーバス(スズキ)は、ベイトフィッシュの存在によってその行動を大きく変える。
●ベイトが入るタイミングはいつか
●水温の変化
上記のような意識をすることで、ベイエリアのシーバスを狙いやすくなるだろう。
ベイエリア(港湾部)の春
ベイエリアの春といえば、「バチ抜け」と呼ばれる一大イベントの存在は見逃せない要素。
「バチ」とはイソメやゴカイ類などの総称のことで、春になるとバチが一斉に産卵行動に入って表層に集まってくる。
この現象を「バチ抜け」と呼ぶ。
腹を空かせたシーバス達は、産卵行動に入っているバチを捕食するために荒食いし始める。
バチを狙っているシーバスを狙う「バチ抜けパターン」は、ベイエリアを攻略する上では欠かせない要素なのだ。
ちなみに、バチ抜け自体は河川の汽水域などでも起こる現象なので、「春はバチ抜け」をしっかりチェックしておきたい。
春はバチ絡みと、冬からの水温上昇をどう読んで対応していくかがポイントとなる。
ベイエリア(港湾部)の夏
夏場、水が動きにくい閉鎖されたベイエリアは水温が高くなりやすい時期。
なので、水温上昇を逃れられるスポットを狙うのが基本である。
例えば、以下のようなスポット。
●橋脚の下
●日が当たっていない側の護岸
●ディープ(深場)
●ベイエリアの外側(外海側)
→流れがあるスポット
ベイエリアに居ついていたシーバスは、水温上昇で低活性になるといったデメリットもあるが、ある意味ではピンポイントを絞り込みやすいとも言える。
ベイエリアの内海を狙うなら、陰(シェード)を意識する。
外海(港の外側)であるなら、潮がヨレているスポットや潮目など、水流があるような場所をメインに狙っていく。
ベイエリア(港湾部)の秋
秋は様々なベイトフィッシュが港湾部に入ってくる。
それを追ってシーバスも入ってくるのだが、釣り方がやや絞りにくいといった気難しい季節でもある。
ベイトの有無によって釣果の差が出るので、秋はベイトフィッシュの有無と動きをチェックするのが基本である。
近年はコノシロパターンとして、ビッグベイトを使用したゲームも人気。
1~2oz、場合によっては3~4ozくらいのデカいルアーを使って、コノシロなどの中・大型ベイトを意識しているランカーシーバスを狙うのも面白い。
河川エリアにおけるシーバス釣りの攻略法
常に流れが発生し、上流からの新しい水が流入してくる、といった特徴がある河川エリア。
河川はベイエリア同様に(やや低めの状態で)水温が安定しているといった傾向がある。
しかし、場所によっては冬から春にかけては雪代(雪解け水)の影響で、水温が低いといったデメリットもある。
ベイエリアに比べ、河川はやや低水温の状態で安定するような方向性。
季節的には、夏から秋にかけて釣りやすいエリアだと言える。
春〜夏の河川
春の河川では、稚アユが浮上してきたり、フナやウグイが流下する…といった光景が見られる。
シーバスは上記のようなベイトを追って河川に入ってくるので、「魚の通り道」は欠かさずチェックしたい。
例えば、河川に存在する「橋脚」は、必ずと言って良いほど魚たちが通過するスポット。
移動の途中で橋脚に居ついて休憩する魚や、ベイトを待ち構えて立ち止まるシーバスなどが足を止めるピンスポット。
特に、河川の河口部から1番近い橋脚は必ずチェックしておきたい。
ベイトが必ず通るであろうスポットには、シーバスが待ち構えていることも多い。
岸沿い、中洲付近、橋脚、護岸沿い、消波ブロックなどのスポットは、季節に関わらずしっかりとチェックしていきたい。
真夏の河川
河川は水がやや低水温で安定するといった傾向がある。
そのため河川は、夏から秋にかけて活躍しやすいエリアだ。
8~10月にかけての猛暑日に他のエリアでは釣りにならなかったりするが、河川は常に流れ(カレント)が発生しているということもあり、水温・水質ともに安定している。
暑さを避けてきたベイトフィッシュが河川に入り込むこともあり、それを追ってシーバスも浮上…というような夏パターンも見られる。
ベイトの存在次第では、日中(デイゲーム)も十分あり得る。
日が照っている時間は、見切られないために高速リトリーブが基本。
秋の河川
秋は落ちアユなどの存在もあり、河川にシーバスが居つくこともある。
春同様、ベイトが通るスポットと通り道は必ずチェックしていく。
堰や橋脚といった定番ポイントでタコ粘りする…という方法もアリ。
この時期はベイトの動きが速いので、ランガンで追いかけるよりも、一箇所で粘り続ける方が良いことも。
もしベイトが居続けていたり、何度も入ってくるような場所を見つけたら粘ってみるのも良いだろう。
この時期はイナッコ(ボラの稚魚)も多いため、小型のバイブレーションや小型ミノーといった、小さなシルエットのルアーが活躍しやすい。
●冬の河川
ベイエリアとの大きな違いは、平均水温。
ベイエリアには工業排水・温排水があったり、閉鎖された水域であったりするので、冬場の平均水温が河川より高め。
しかし河川の場合、流れがあったり、上流部から流れる冷たい水(冬の降水、雪代など)の影響で、平均水温が低い。
水温低下と共にシーバスも落ちていきがち。
河川の冬場、(もしあるなら)温排水や橋脚まわり、ワンドといったポイントのみを打っていく、といった立ち回りがメインとなる。
個人的な経験上、冬場の河川はあまりおすすめしたくはない。
やるなら河口部。
サーフのシーバス釣りの攻略法
外洋・外海に直接的に接したフィールド、「サーフ」。
外海からやってくる様々な魚たちが最初に訪れるスポットであり、また河川から降りてくる魚たちの最終的なゴールでもある。
ベイエリア・河川に比べ、ベイトフィッシュの種類と量が豊富なので、柔軟な立ち回りが必要になるスポット。
※筆者はサーフの経験がまだ少ないので、参考程度に読んでみてください※
●春のサーフ
春は稚アユやシラスといった小型のベイトフィッシュを意識したゲーム展開を行うのが基本。
小・中型クラスのミノーやシンキングペンシルといった、細くて長いシルエットのものを選ぶ。
ジグヘッドにシャッドワームをつけるのも手堅い方法と言える。
夏のサーフ
夏はイワシやイナッコといったベイトフィッシュを意識して釣っていく。
河川の河口部に近いサーフほど、メインベイトがイナッコ(ボラの稚魚)になりやすい。
イナッコパターンを意識して、小型のバイブレーションなどの小さなシルエットのルアーをチョイスしていくと釣果を得られやすい。
秋のサーフ
秋はコノシロやシコイワシ、アジや小サバといったベイトもシーバスのエサとなる時期。
メインベイトが絞り難かったり、エリアが絞れなかったりといった感じで釣りの展開がボンヤリとしがち。
シーバスはベイトを追っていろんな場所を泳ぎ回っているため、「手早く・素早く・広範囲に」を意識したゲームを展開していく。
また、夏にベイトをたくさん食べてデカくなったランカーシーバスの回遊も始まるので、秋のサーフは1年の中で最もランカーを手にする確率が高い時期とも言える。
まとめ:【初心者向け】エリア・フィールド別、シーバスフィッシングの攻略法
ベイエリア(港周辺)、河川、サーフのシーバス フィッシングの攻略法について書いてみた。
どのエリアにも共通しているのは、ベイトフィッシュの存在。
まずはベイトフィッシュが入っているのか、シーバスはどんなベイトを食っているのか…といった部分から入っていくとわかりやすいと思う。